8.7万円から14.9万円? ~国保税シミュレーションと市民委員公募~
[福祉と医療]2017年1月5日(木)
戸田市の国民健康保険の事業運営について審議する会議体として「戸田市国民健康保険運営協議会」があります。
私も、昨年度に議員枠の委員として参加しましたが、このたびの市の制度変更により、15名の委員のうち議員枠4名が引き上げとなり、代わりとして市民枠4名の公募が現在行われています。
この戸田市国民健康保険運営協議会の役割は、今後いっそう増していきます。
なぜなら、国保健康保険の制度が、現在大きな転機を迎えているからです。
現在の戸田市の国保加入者一人当たりの国民健康保険税(国保税)は年間「約8.7万円」で、埼玉県内の市町村平均「約8.9万円」よりも少し安い程度に抑えられています。
しかし、国保加入者一人当たりの医療費が県内一高い戸田市は、市民から徴収する国保税(と各種交付金)だけでは事業を賄えておらず、その差額は市の税金で補填し続けています。
その補填額は、平成22年度に「約8.8億円」だったものが、5年後の平成27年度には「約17.1億円」と倍増しています。
平成30年度からは、国が行う国保制度改革により、これまで「市区町村」が担ってきた国保財政運営の責任主体が「都道府県」に変わります。
そこで、埼玉県は先週、国保税に関する初めてのシミュレーションを公表しました。(※下部リンク参照)
そのシミュレーションによれば、戸田市の国保加入者一人当たりの国保税は、現在の「約8.7万円」から「約14.9万円」に引き上げるべきと示されています。
税金補填を続けたまま現状の国保税を維持していくのか、それとも、県のシミュレーションが示すように、税金補填を無くして国保税を上げていくのか、今後の戸田市国民健康保険運営協議会での審議が注目されます。
ご関心を持たれた方は、ぜひ市民委員に応募なさってください。
なお、戸田市国民健康保険運営協議会において国保税値上げの判断がなされた場合、その値上げ案は、最終的に市議会で議決されることになります。
もちろん、国保税について議論する一方で、医療費の削減や自営業者の所得の正確な把握など、そもそもの市民負担を増やさないための努力が戸田市に求められることは言うまでもありません。
◎戸田市国民健康保険運営協議会委員の募集について(戸田市公式サイト)
◎国保事業費納付金及び標準保険税額の第1回シミュレーションについて(埼玉県公式サイト)