本日は、午前中に教育委員会の傍聴をし、午後は会派メンバーに同行いただいて千代田区の「子供の遊び場事業」を視察しました。(酒井議員は、残念ながら公務のために欠席いたしました。)
昨年4月に施行された「千代田区子どもの遊び場に関する基本条例」を受けて、「子どもの遊び場推進会議」を常設し、各小学校区の既存の公園それぞれに、ボール遊びのできる環境を(時間限定で)用意することを目指す事業です。
「子供の遊び場をつくる」という理念を謳った条例の制定は日本で初めてであり、当時はニュース等でも話題に上りました。
もちろん、理念自体は大変素晴らしいもので、また、(区長のトップダウンによる事業ということもあり)予算編成での高い優先度もしっかり確保できている点は評価に値するところなのですが、実体としては、戸田市が実施している「青少年の居場所」の屋外版といった印象です。
屋外か屋内かという違いを除いては、「月に数回のみの開催」「数時間のみの開催」「有償での大学生へのプレーリーダー委託」など、多くの点で共通しています。
担当課の方に、校庭や体育館を遊び場として利用しない理由を尋ねたところ、「校庭はゴム製なので、公園の土や芝生で遊ばせたい」「域外の小学校(私立や国立など)に通う生徒が多い」「平日は放課後子ども教室が開催されている(※ただし校庭でのボール遊びは禁止されている)」「土日は学校施設貸出の利用者がいる」などの千代田区特有の事情と共に、やはり学校側の協力姿勢の不足も理由としてはあるようです。
担当課の方がおっしゃった「子供にとって遊び場の選択肢があるに越したことはない。」とは、言われてみればまさにその通りなのですが、実際問題としては、「まずは《どこに》きちんとした遊び場を作るか」が、重要なのではないかと考えています。
今後どこにでも遊び場を作れるわけではないのは、土地の面でも財政の面でも明らかです。
厳しいことを言ってしまえば、区長肝煎りの遊び場事業をもってしても、週1回の2時間、数十人しか収まらない空間で、(また、原則はいったん帰宅後で)しかボール遊びをさせてもらえない千代田区の子供たちは、本当に可哀想だと思います。
今週土曜日には、豊島区の「(遊び場としての)学校開放」を個人で視察してきます。