地域に子育て拠点(戸田市版ネウボラ)を ~平成28年9月議会 一般質問⑥~

子育て]2016年10月7日(金)

9月議会の一般質問の報告⑥(最終回)です。

 

テーマは、「地域の子育て総合拠点(戸田市版ネウボラ)」です。

 

日本では、妊娠してから出産・子育ての間に、産婦人科や役所、保健センター、小児科、相談機関など、様々な場所に足を運ぶ必要がありますが、フィンランドでは、それらを「ネウボラ(=アドバイスの場)」が一貫して担います

 

この「ネウボラ」が、フィンランドには“歩いて行ける距離”にあり、そこでは、すべての親子に対して担当の保健師または助産師(通称:ネウボラおばさん)が付き、妊娠期から子育て期の長い期間、個別のケアプランをもとに相談や支援を行ってくれます。

 

“歩いて行ける距離”にあるということは、移動手段の基本が徒歩である人間にとっては非常に大切なことです。
それにより、「ちょっとしたことでも相談できる」という安心感が生まれ、育児ストレスや子育て中に抱きがちな孤立感が軽減し、リスクの未然防止や早期支援につながります。

 

実際にフィンランドでは、このように「ネウボラ」を中心として“社会全体で子育てを支える”ことで、出生率の上昇や児童虐待死の減少に成功しています。

 

戸田市は、このネウボラをモデルとした「子育て相談ルーム」を、本年4月に福祉保健センターに初めて設置し、妊娠時(=母子手帳発行時)からの面談⇒相談⇒支援に取り組み始めました。
しかし、福祉保健センターの1施設のみでは、市全体の妊婦の1割程度にしか面談を行えていません。

 

そこで私は、市内各地域の公共施設である、戸田公園駅前行政センターと(2020年に機能替えを予定している)市内3館の福祉センターに、専門員の常駐する「子育て相談ルーム」と見守りスタッフの常駐する「親子ふれあい広場」を設置し、《相談支援機能+居場所機能》をあわせ持った「地域の子育て総合拠点(戸田市版ネウボラ)」としてはどうか、と提案しました。

 

答弁は、

 

「将来的には、戸田市においても複数個所の設置が望ましい。課題を整理しながら、設置拡大について検討していきたい。」

というものでした。

 

今後、子供を持つお母さん同士で交流できる場所が身近にあり(=居場所機能)、そこには、自分たち親子を妊娠期から把握してくれている専門員がいて、子育てに関する不安をいつでも相談でき、必要であれば支援につないでくれる(=相談支援機能)、という環境ができれば、戸田市での子育ては大きく変わります。
子育てを「つらいもの」にしてしまわないように、社会が子育てを支える時代だと思います。

 

なお、本件の一般質問のなかで、「地区担当保健師」の対応改善に関する提案も行いました。これについては、提案を受けてすぐに改善がなされたとのご報告を市内のお母さんから頂きました。(※詳細に関しては、以下の動画をご覧ください。)

 

戸田市議会録画放映(戸田市議会公式サイト)

 

 

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