理由なく自殺する人はいません。
自殺する理由はすべて、「辛いから」です。
本人にとっては自殺する方が楽だと思うほど辛いわけですから、見る人が見れば、辛そうな様子には気付きます。
ただ、(突発的でない自殺に関しては、)本人が自殺の実行を「決意」してからの数日間は、周りに悟られないよう努めたり、また、気が楽になったりすることから明るく振る舞うので、「元気そうだったのに……」となってしまいます。
さて、このほど内閣府が『平成27年版 自殺対策白書』を発表しました。
以下、小学生から大学生までの「子供の自殺状況」を概観したいと思います。
「うちの子は大丈夫」とお思いかもしれませんが、子供の自殺は、親が「子供の辛さ」に気付いていないから起こるわけです。
お子さんをお持ちの方には、以下の結果に一度でも目を通していただければと思います。子供を救ってあげられるのは、一義的に「親」です。
《子供の死因における「自殺」の順位》(上掲画像)
10歳~14歳において「2位」
15歳~19歳において「1位」
20歳~24歳において「1位」
交通事故などの「不慮の事故」よりも多いです。
ちなみに「悪性新生物」とは、いわゆるガンなどです。
《子供の自殺の動機が不明な割合》
11歳~14歳の「4割前後」は、自殺の動機が(周囲には)分からないまま自殺しています。
《判明している子供の自殺の動機》
小学生においては、「家庭」が大半
中学生においては、「家庭」や「学業」や「学校問題」
高校生においては、「学業」「進路」や「うつ病」
大学生等においては、「学業」「就職」や「うつ病」
子供が大きくなるにつれ、自殺の動機が家庭的な問題から社会的な問題に移っていることが分かります。
また、(判明している分においては)「いじめ」が自殺の動機となっている割合は意外と少ないです。
《子供が自殺をする時期》
自殺の多い順に、「夏休み明け」「春休み明け」「GW明け」。
逆に自殺の少ない時期は、「年末年始」「夏休み前」。
「長期休み明けの憂鬱さ」が、子供達の自殺を誘発していることが分かります。
「辛い現実から逃避できなくなる」時期ということです。
(逃避することは決して悪くありません。)
以上の点に特に留意して、これからもお子さんを見てあげていただければと思います。
【参考】
平成27年版自殺対策白書
学生・生徒等の自殺をめぐる状況(PDFファイル)