[交通と自転車]2016年8月17日(水)
先月13日~14日に交通対策特別委員会で行った行政視察の報告です。
視察に伺った自治体は岐阜県岐阜市と愛知県豊田市で、視察のテーマは「公共交通としてのバスの活性化」です。
各市の行うバス事業の特徴をごく簡単にまとめると、
岐阜市
「幹線バス路線のBRT化+地域住民によるコミュニティバス運営」によるコンパクトなまちづくり
豊田市
「公共交通基本計画」に基づいた総合的な施策の実施と「公共交通評価」による事業改善
となります。
両市とも、バス事業の活性化に向けて非常に多くの取り組みを行い、バス利用者の増加に成功しているのですが、なかでも、私が(実現可能性も含めて)戸田市に取り入れるべきと考えたのは、以下の取り組みです。
(1)官民協働によるバスガイドブック(豊田市)
広告会社との協働により市負担0円で作成した、路線バス&コミュニティバスの「バス路線図+全バス停の時刻表」(全62ページ)です。
私は常々、市民をバスの利用から遠ざけている大きな要因は、「路線図や時刻表の情報へのアクセシビリティの悪さ」だと考えています。
このバスガイドブックは、その問題を1冊で解消する大変画期的なもので、もし戸田市にあったらぜひ家に1冊置いておきたいです。
(2)ICカードによる利用実態の把握(岐阜市)
バス運賃の支払い方法としてICカードを導入し、利用者にとっての利便性向上とあわせて、バス利用の実態把握を行っています。
利用実態が明らかになることで、運行本数の最適化や、バス路線の再編、バス停の移設が可能となります。
戸田市のtocoバスに関して、suica支払いの導入を求める利用者の声は多く、また同時に、今後バス路線やバス停の位置を見直すにあたって、利用実態の把握は急務となっています。
もちろん、suica支払いの導入にはコストが掛かりますが、それを勘案しつつも前向きに検討すべき施策です。
(3)ハイグレードバス停(岐阜市)
「屋根とベンチ付きのバス停」のことで、バス停によっては、そこにバスのリアルタイム運行情報を表示する「バスロケーションシステム」や民間広告の掲示、自転車駐輪場などの整備がされています。
かねてより、戸田市のご高齢の方から「バス停に屋根とベンチが欲しい」とのご意見を頂いていますが、高齢者に限らずすべての利用者に対して、バスをゆっくり待つことのできるバス停を用意し、バス待ち環境を向上させることは、バスの利用促進にとって必要な“おもてなし”だと思います。
戸田市でも、幅員が十分に確保されている歩道であれば、屋根とベンチ付きのバス停をどんどん設置すべきです。
(4)専門的な職員の養成(岐阜市)
私が本年の3月議会において指摘したことですが、戸田市には「公共交通」を所管する担当課がありません。
公共交通の活性化に取り組んでいる多くの自治体には「交通政策課」といった課が設置されており、特に岐阜市の交通総合政策課は、職員数を年々増やす一方で、交通政策に20年近く従事し国への出向経験もある専門的な人材を確保しています。
公共交通の重要性が今後さらに増していくなか、平成25年には交通政策基本法が施行され、公共交通が地域に任されるようになりました。
戸田市でも、公共交通を扱う担当課の設置や専門的人材の養成に取り組んでいく必要があると考えます。
明日の交通対策特別委員会で行われる視察検証において、私からはこれらの取り組みについて発言をする予定です。
◎西循環を市役所経由に ~tocoバス試乗調査~ 2016/5/23(真木大輔公式ブログ)
◎戸田市役所にバスのインフォメーションが設置されました 2015/6/11(真木大輔公式ブログ)
◎バス停へのベンチの設置 2015/8/23(真木大輔公式ブログ)
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[子育て]2016年8月17日(水)
さきほど、スポーツセンターで臨時開催された「青少年の居場所」を見学してきました。
予定されていたヒップホップダンス体験が急遽中止となり、参加していた10人ほどの子供たちは、かけっこやカードゲーム等で遊んでいました。
戸田市には、子供たちが室内で自由に遊べる場所が「こどもの国」の軽体育室しか無く、このような夏の暑い日にも雨の日にも集まれる遊び場が各地域に必要です。
施設自体は、公共施設の体育室やそれこそ小学校の体育館などいくらでもあるわけです。
それらの施設を活用して子供たちの遊び場を創出するために、行政にできることはまだまだあります。
次回のスポーツセンターでの青少年の居場所は、来週水曜日24日の9時30分~12時30分に開催されます。
ダンスの先生によるヒップホップダンス体験は、10時30分~11時15分の予定です!
◎青少年の居場所《夏休み臨時開催》(戸田市公式サイト)
◎夏休みにスポーツセンターで「青少年の居場所」が特別開催されます! 2016/7/28(真木大輔公式ブログ
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[交通と自転車]2016年8月15日(月)
ご報告が遅くなりましたが、先月15日に秋葉原で開かれた「ネクスト・モビリティ・コミュニティ 第2回研究会」に参加しました。
第2回となる今回は、「〈小さい交通〉で都市を変えよう」というテーマで、講演と発表、パネルディスカッションが行われました。
これからの“交通とまちづくり”を考えるうえで、非常に示唆に富む研究会となりました。
私はこれまで、ひとの交通手段として、
「クルマ」
「公共交通」
「自転車」
「徒歩(クルマ椅子)」
を主に想定し、これらのうちの「公共交通」「自転車」「徒歩」を中心としたまちづくり(=クルマに依存しないまちづくり)を推進してきました。
しかし今後は、徒歩と公共交通との間を埋めるものとして、自転車だけでなく、自転車を含む〈小さい交通〉を、まちづくりに取り入れていく必要があるとのことです。
ここでいう〈小さい交通〉とは、自転車や電動クルマ椅子、小型バイクや小型自動車などの「小さい乗り物」と、人力車や自転車タクシーなどの「小さい乗り物による公共交通」のことで、以上をまとめると次のようになります。
「クルマ」
「公共交通」
〈小さい交通〉=小さい乗り物とそれによる公共交通
「徒歩(クルマ椅子)」
〈小さい交通〉を利用すれば、徒歩では遠いちょっとした距離の移動がしやすくなり、また、乗り物がゆっくりと走るので街の移動を楽しむことができます。
それにより、商店街や露天商のような小さな商売も活性化します。
また、〈小さい交通〉は小回りが利くことから、外出が困難な方や買い物難民の方に向けた配送サービスが充実します。
ただし、それらを可能とするには、〈小さい交通〉の利用しやすい道路環境や駐車スペースを整備したり、従来の公共交通と〈小さい交通〉との乗り継ぎをスムーズにしたり、といったまちづくりを行っていく必要があります。
高度経済成長期以降のクルマの普及により、まちはどんどん大きく拡がっていきました。
これからは、障害者や高齢者も含めて、小さいまちのなかを徒歩や〈小さい交通〉で自由に移動でき、小さいまちと小さいまちとの間は公共交通で移動できる、といったまちになることが望まれます。
私は、それが“すべての人にやさしいまち”だと思います。
なお、今回の研究会では、〈小さい交通〉の開発者による発表も行われ、その発表者のなかに、電動カート「ぱるぱる」を開発・販売されている戸田市在住のご婦人・内山久美子さんがいらっしゃいました。
内山さんについては、後日あらためて、こちらでご報告しようと思います。
◎『〈小さい交通〉が都市を変える マルチ・モビリティ・シティをめざして』(NTT出版)
◎電動カート「ぱるぱる」
◎高齢者や障害者にとっての自転車=「ネクストモビリティ」 2016/6/21(真木大輔公式ブログ)
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[交通と自転車, 安全と防災, 議会と選挙, その他]2016年8月12日(金)
ちょっとティーブレイクです。
「議事ロックス」という、知る人ぞ知るウェブサイトがあります。
全国の地方議会の(ネット公開されている)議事録から、ワードを一括検索できる無料サイトで、おそらく2か月程前にオープンしました。
「議事ロックス」の検索機能を試すついでに、私が過去に戸田市議会で提案した取り組みが、その後全国にどのくらい波及しているかを調査してみました。いわば政策エゴサーチです。
【調査①】前かごへの《自転車は左》プレート掲示
私が平成26年6月に提案し、戸田市が全国で初めて実現。その後、「第9回マニフェスト大賞」を受賞した取り組みです。
議事ロックスで調べた範囲では、その後、全国7市の議会で提案されたようです。
《自転車は左》プレート掲示が提案された議会
【調査②】土のうステーション
私が平成25年12月議会で提案し、戸田市が埼玉県内で初めて設置したものです。(戸田市内の設置個所は当初の7カ所から現在は10カ所に増加。)
議事ロックスで調べた範囲では、その後、県内10市町の議会で提案されたようです。
土のうステーションが提案された議会
私の知る範囲では、「組体操の見直し」や「自転車走行空間整備」なども他市に波及していますし、その他、直近の1年間に行った提言は今後拡がっていくと思います。
これらはすべて「戸田市の課題」を解決しようとするなかで生まれた提言ですが、それが結果として他自治体の住民福祉の向上に役立っているということは、とても嬉しく誇らしいことです。
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[子育て]2016年8月11日(木)
今週火曜日は、和光市に伺い「わこう版ネウボラ」を視察しました。(私のほか4市議会との合同視察)
メディア等でもたびたび取り上げられ、国のモデルにもなった「わこう版ネウボラ」ですが、今回幸運にもその考案者である東内京一・保健福祉部長から直々にご説明を頂くことができました。
「社会全体で子育てを支える」とはまさにこういうことだと思いました。
子育てリスクの高い親を妊娠段階から見つけ、個別のケアプランを作成し、切れ目のない支援を行うことで、行政が自己肯定感を持てる子供の育成や親自身の自己実現をサポートしていくというもので、それが中学校区単位の地域ごとに実施されています。
来たる9月議会において、子育て世代包括支援に関する一般質問を行う予定ですが、そこでは、「わこう版ネウボラを戸田市でも!」と言い放つのではなく、「戸田市が抱える課題をいかに解決するか」という視点での提言を行う必要があると考えています。
議員としての力量が問われるところだと思います。
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