[生活と環境, 福祉と医療]2017年1月19日(木)
本日は、上戸田あいパルの広場で開催された「わかくさ野菜販売」を見学させていただきました。
市内の障害福祉サービス事業所である「わかくさ」の利用者が、戸田市の姉妹都市である埼玉県美里町から仕入れた新鮮な旬の野菜を販売しています。
この野菜は、戸田市の家庭の生ゴミから作られた堆肥を使い、美里町の協力農家が栽培したものです。
環境や福祉、食育、また美里町との友好交流にもつながる素晴らしい取り組みなのですが、まだまだみなさんに知ってもらえていないのが課題とのことでしたので、今回こちらで紹介させていただきました。
今後の販売場所とスケジュールを記事下部に掲載しますので、よろしければ足を運んで美味しい野菜をお買い求めください。
(今日私は、にんじん、小松菜、ブロッコリー、しいたけ、ネギ、じゃがいもを、妻に電話で相談しつつ購入しました。)
なお、この「わかくさ野菜販売」を見学させていただくまでには、ちょっとしたご縁がありました。
こちらでも紹介した「冬休みとだっ子ひろば」を毎回見学させていただいたなかで、見守りボランティアをされていた方が運営されている「まちのえき かめや」のお話を伺い、後日、そちらを見学させていただきました。
「まちのえき かめや」は、空き店舗を活用した“だれでもが立ち寄れる居場所・お休み処”で、こちらに関してはまた別の機会にきちんとご紹介させていただきたいのですが、その常連さんのなかに、今回の「わかくさ野菜販売」を行っている方がいらっしゃいました。
(余談ですが、かめやさん周辺の方々とは、初めてお会いしたとは思えないほど、どんな話題でも気を遣わずに楽しくお話をすることができました)
野菜販売の開始前には、同じあいパルの広場で「ラジオ体操」が行われました。
話には聞いていましたが、本当に大勢の高齢者の方々が参加されており、あいパルの名物イベントであることを確認できました。
また、野菜を買った後に、あいパルの上戸田図書館をのぞいていたところ、カウンターのスタッフの女性が、「広場でお野菜を買われたのですね」と話し掛けてくださいました。
図書館内での日常会話までを禁じることはせず、図書館を「地域の人びとの交流の場」にすることを目指している上戸田図書館の理念が、こんなところに現れていました(^^)
わかくさ野菜販売
●わかくさ【月2~3回木曜日 13:00~15:00】⇒1/26、2/2、2/16、2/23、3/2、3/16、3/23
(※わかくさの位置は、芦原小学校と田んぼ公園の中間)
●福祉保健センター【第2土曜日 10:00~12:00】⇒2/11、3/11
●あいパル【第3木曜日 9:50~12:30】⇒2/16、3/16
●芦原町会会館【不定期木曜日11:00~12:30】⇒1/26、2/23、3/23
●沖内町会会館【不定期木曜日11:00~12:30】⇒2/2、3/2
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[福祉と医療]2017年1月5日(木)
戸田市の国民健康保険の事業運営について審議する会議体として「戸田市国民健康保険運営協議会」があります。
私も、昨年度に議員枠の委員として参加しましたが、このたびの市の制度変更により、15名の委員のうち議員枠4名が引き上げとなり、代わりとして市民枠4名の公募が現在行われています。
この戸田市国民健康保険運営協議会の役割は、今後いっそう増していきます。
なぜなら、国保健康保険の制度が、現在大きな転機を迎えているからです。
現在の戸田市の国保加入者一人当たりの国民健康保険税(国保税)は年間「約8.7万円」で、埼玉県内の市町村平均「約8.9万円」よりも少し安い程度に抑えられています。
しかし、国保加入者一人当たりの医療費が県内一高い戸田市は、市民から徴収する国保税(と各種交付金)だけでは事業を賄えておらず、その差額は市の税金で補填し続けています。
その補填額は、平成22年度に「約8.8億円」だったものが、5年後の平成27年度には「約17.1億円」と倍増しています。
平成30年度からは、国が行う国保制度改革により、これまで「市区町村」が担ってきた国保財政運営の責任主体が「都道府県」に変わります。
そこで、埼玉県は先週、国保税に関する初めてのシミュレーションを公表しました。(※下部リンク参照)
そのシミュレーションによれば、戸田市の国保加入者一人当たりの国保税は、現在の「約8.7万円」から「約14.9万円」に引き上げるべきと示されています。
税金補填を続けたまま現状の国保税を維持していくのか、それとも、県のシミュレーションが示すように、税金補填を無くして国保税を上げていくのか、今後の戸田市国民健康保険運営協議会での審議が注目されます。
ご関心を持たれた方は、ぜひ市民委員に応募なさってください。
なお、戸田市国民健康保険運営協議会において国保税値上げの判断がなされた場合、その値上げ案は、最終的に市議会で議決されることになります。
もちろん、国保税について議論する一方で、医療費の削減や自営業者の所得の正確な把握など、そもそもの市民負担を増やさないための努力が戸田市に求められることは言うまでもありません。
◎戸田市国民健康保険運営協議会委員の募集について(戸田市公式サイト)
◎国保事業費納付金及び標準保険税額の第1回シミュレーションについて(埼玉県公式サイト)
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[まちづくり, 行財政改革, 福祉と医療]2016年11月30日(水)
本日開かれた12月議会本会議において、私は、市長から提出された議案のうち2件に関して質疑(≒議場での公開質問)を行いました。
以下に質疑と答弁の概要を記しますが、特に2つ目の生活保護費増大に関する質疑は、今後の戸田市にとってとても大きな話なので、お時間のある方にはぜひ目を通して危機感を共有していただけるとありがたいです。
彩湖・道満グリーンパークの指定管理者について
Q. 彩湖・道満グリーンパークの今後5年間の管理運営を行う指定管理者として、これまでと同じ「戸田市水と緑の公社」が選定されたが、選定にあたってのプレゼン審査において、彩湖・道満グリーンパークの活性化に向けた新たな提案はなされたのか?
A. 公社からの新たな提案は、
①これまで戸田市が行ってきた戸田ヶ原自然再生事業関連事業を、今後は公社が主体となって担う。
②これまでの公社の自主事業(さんま祭り、親子農業体験、コスモス花摘みイベントなど)を、さらに拡充する。
③合併した観光協会が行ってきた釣り堀事業を引き継ぐ。
【コメント】
本年7月の市民生活常任委員会のなかで、市の担当課から「民間にも負けないような管理運営ができるよう、選定のなかで公社に求めていく」との答弁を得ていたので期待を寄せていたのですが、この提案内容には目新しさが無く、残念な印象です。
Q. 事業やイベントの広報・周知に関して新たな提案はあったのか?
A. 今年度にホームページをリニューアルしたが、今後は、即時性のあるSNS等の活用による情報発信を進めていきたいとのこと。
【コメント】
SNSの活用は、「彩湖・道満グリーンパークのFacebookを作ってイベント周知を行えば効果的では?」という、私の以前の提案を踏まえてのもので。
生活保護費の補正予算について
Q. 生活保護費として、当初予算では「約42億5000万円」を計上していたが、今回の12月議会で「約5億9000万円」もの多額の補正予算を組むに至った理由は?
A. 補正額の内訳は、医療扶助が「約4億8500万円」、生活扶助が「約7300万円」、介護扶助が「約2200万円」。
生活保護費が急増した主な理由は、医療費のかかる75歳以上の受給者の増加。
Q. 生活保護費増加を当初予算の段階では見込めなかったのか?
A. 生活保護費の急増が始まったのは昨年度下半期で、(昨年秋頃に行う)当初予算編成に反映できなかった。
Q. 補正額の大半を占める医療扶助費増大の詳細は?(※生活保護医療費は100%が税金負担)
A. ①75歳以上受給者の「数」の大幅な増加。受給者数昨年比は、0歳~64歳が57人減、65歳~74歳が1人増に対し、75歳以上は65人増。
②75歳以上受給者の「高額診療(1件50万円以上)件数」の大幅な増加。昨年度上半期が89件に対し、今年度上半期では170件。
今後、生活保護医療費の精査・分析をさらに行い、健康の維持・増進および医療費抑制について検討する。
【コメント】
急増の兆候を見せていた生活保護医療費に関しては、本年6月議会の一般質問において、私は「分析を基にした医療費抑制を行っていくべき」と提案していましたが、その心配が早くも現実のものとなりました。
生活保護費の4分の3は国の負担ですが、残り4分の1は市が負担します。(国の負担と言っても、もとは私たちの納める税金です。)
今年度1年間の生活保護にかかる費用として、戸田市は4分の1の負担として「約11億円」を用意していましたが、それでは足らず、あらたに「約1億5000万円」を用意することになりました。そして、その大半が医療費です。
原因は生活保護受給者の高齢化にあることから、この傾向は今後いっそう加速します。
これがどんなにヤバい状況か、どのように伝えれば良いのでしょうか?
戸田市の他の事業と比較してみます。
近くに住む親族や近所の付き合いが少なくなり、孤独な子育てによるお母さんの「産後うつ」が増えていることへの対策として、戸田市は、産前や産後にヘルパーをご自宅へ派遣して家事・育児の手伝いをする「産前・産後ヘルプサービス」という事業を実施しています。
わが国の社会問題である少子化への対策として、今後より重要さを増す事業の一つだと思います。
しかし、戸田市がその事業に掛けたお金は、昨年度の一年間で「188万円」です。文字通り、桁が違います。
生活保護費は「義務的経費」であり、戸田市が負担から逃れることはできません。医療費分析による生活保護医療費の抑制は急務です。
◎【一般質問③】 生活保護医療費とこども医療費の適正化 2016/7/1(真木大輔公式ブログ)
◎議会録画映像 速報版(戸田市議会公式サイト)
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[福祉と医療]2016年8月9日(火)
働きたい障害者はたくさんいますが、働き口は足りていません。
戸田市も障害者に対して福祉的就労の場を提供はしていますが、公費負担があることから、そのような場を今後増やし続けるのには限界があります。
一方で、理由は様々ですが、障害者を雇いたいと考えている事業者がいます。
しかし、これまでの戸田市の障害者就労支援事業は、「自治体や支援機関がいかに働きたい障害者を支援するか」という視点に立ったものがほとんどで、「障害者を雇いたい事業主を働きたい障害者へいかに橋渡しするか」という視点は欠けていました。
私が昨年の6月議会の一般質問においてその課題を指摘した結果、本年3月に戸田市が、障害者就労支援の指針として初めて作成した「戸田市障害者就労プロセスマップ」は、自治体や支援機関向けの《支援者編》と、障害者を雇いたい事業者向けの《雇用主編》の2章立てとなりました。
プロセスマップの中身を確認すると、さすがに、これまでの蓄積がまとめられた《支援者編》に比べて《雇用主編》の内容は見劣りしますが、それでも、今後の障害者就労支援事業において「障害者を雇いたい事業者を活用する」という視点が加わったことは大きな一歩だと思います。
先日、相模原の障害者施設において大変痛ましい殺傷事件が発生しましたが、障害者を邪魔者扱いする社会ではなく、障害者もふつうに受け入れる社会であるべきです。
障害者がそこらのお店や会社で“ふつうに働いている”という社会に早くなってほしいです。
◎戸田市障害者就労プロセスマップ(戸田市公式サイト)
◎平成27年6月議会 一般質問 議事録 「障害者の就労支援について 」(真木大輔公式サイト)
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[行財政改革, 福祉と医療]2016年7月1日(金)
6月議会で行った一般質問の報告の最後は、「生活保護医療費とこども医療費の適正化」についてです。
生活保護医療とこども医療は、「無料」で受診できます。
もちろん、医療機関が無料で診療してあげているわけではなく、そこには医療費が発生しています。
その医療費は、生活保護医療の場合は、「約3/4」が国の税金で、残りの「約1/4」が戸田市の税金で賄われています。
こども医療の場合は、本来の自己負担分である「2割or3割」が戸田市の税金で賄われています。
これは、市民にとっては「無料で受診できる」、医療機関にとっては「医療費は国や市が払ってくれる」という構造になっており、そのどちら側にも「医療費を抑えよう」という動機は働きくいです。
実際に、市民の方からは、「医者が子供に薬をあげすぎる」「子供が軽い症状なのにも関わらずまたすぐ来るよう言われる」「生活保護の人を食い物している医療機関がある」などのご意見を頂きます。
戸田市では、それらにかかる歳出が増加の一途を辿っており、直近では、戸田市負担分の合計額が、「約10億円(平成26年度)⇒約11億円(平成27年度)」と、1年間で「約1億円」も増加しています。【掲載画像】
議場では、戸田市がこれまで正面から取り組んでこなかったこの問題に対して、今後は医療費の適正化を図っていくよう求めたところ、積極的な答弁を得ることができました。
以下は、先進自治体において医療費適正化の効果が認められている方策です。戸田市でも、このような取り組みが進められていくのではないかと思います。
《生活保護医療》
●診療報酬明細(レセプト)を基にした詳細な医療費分析
●重複受診・重複処方・頻回受診の是正
●ジェネリック医薬品の推進
●健康診査の受診率向上
《こども医療》
●医療費分析
●税金で成り立っていることを意識してもらう啓発
●本来の自己負担額を明示した明細書発行
●ジェネリック医薬品の推進
予算規模500億円の戸田市にとって、歳出が年間で1億円も増加する事業は看過できるものではありません。
財務部長の答弁にあった通り、今後は、「全庁的な課題として」医療費の適正化に取り組んでいただけることを願います。
※今回は、議場でのやり取りをうまくまとめられなかったので、ご関心のある方は、ぜひ録画映像をご覧ください。この投稿を読むよりは面白いと思います。
→録画映像はこちら
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