[子育て]2016年6月29日(水)
6月議会で行った一般質問のご報告その2です。
テーマは「一時保育の福祉的理由による優先利用」です。
まず「一時保育」とは、普段は保育園に子供を預けていないお母さんが、1日2000円で子供を保育園に預けられる事業です。
今回私が問題提起したのは、一時保育の利用理由のうち、「(母親の)急病」「(母親の)事故」「入院した親族の看病」などの福祉的な利用理由が、その他の「パート就労」「行事参加」「リフレッシュ」などの利用理由と等しく扱われてしまっていることです。
一時保育のニーズは高く、時期によっては、約一か月前の予約開始日にほとんどの枠が埋まってしまいます。
そうなると、仮に、予約開始日以降にお母さんが急病に見舞われてしまった場合、一時保育では受け入れてもらえず、お父さんが仕事に行っている日中、体調の悪いなかで子供の面倒を見ることになってしまいます。
これが共働きのお母さんの場合であれば、急病になった場合でも、子供は保育園に預けて、ご自身は仕事を休んで自宅で療養することができます。
普段自宅で子育てをしてくれている専業主婦のお母さん方に対して、万が一の状況になった場合に子供を預かってあげるくらいのことは行政としてすべきであり、そこで
「福祉的な理由による一時保育の利用を、優先的に受け入れてはどうか?」
と提案したところ、
「受け入れ枠が限られている現状において優先枠を確保することは難しいが、各保育園で連携することで可能な限り受け入れる体制を検討する。」
との答弁を得ることができました。
また併せて、一時保育の限られた受け入れ枠を活用すべく、少なくない当日キャンセルや無断キャンセルについて、
「キャンセル料を徴収するもしくは次回以降の利用を制限するなど、キャンセルの扱いを明確化してはどうか?」
との提案も行い、それに対しては、
「他市の状況を参考に検討し、対応が決まり次第、一時保育のしおりに明記する。」
との答弁を得ました。
なお、私が一時保育を一般質問で取り上げたのは、平成26年3月議会に続いて2回目で、そのときに行った提案の一部は、その後、「一時保育の土曜日実施」「予約状況の2か月分公開」「申し込み手続きの簡略化」「利用枠の柔軟な運用」として反映されています。
利用者である地域のお母さん方の声によって、戸田市の一時保育が、より使いやすく、そしてより安心しながら子育てするための制度へと改善されていくことは素晴らしいことです。
録画映像はこちら(戸田市議会公式サイト)
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[教育, 子育て, 議会と選挙]2016年6月28日(火)
昨日、6月議会が閉会しました。
議会での審議内容については、8月1日の発行に向けて鋭意編集中の『とだ議会だより』をご覧いただければと思いますが、こちらでもトピックをいくつかご報告しておきます。
①東小・東中の建て替え設計
隣接している戸田東小学校と戸田東中学校の老朽化が進んでおり、それらを一体的に建て替えるための設計費の補正予算です。
結果的には賛成多数で可決されましたが、反対側からも賛成側からも「こんな大きなことなのに、議会への事前説明が無かったことは遺憾。」という意見が出されました。
私の見解は、「隣り合っている小中学校を一つに建て替えることに大いに賛成。小中一貫化や学区などの運用面に関しては、今後議会や地元としっかり協議を。」です。
②待機児童急増にともなう意見書提出
戸田市の待機児童数が「昨年34名⇒今年106名(埼玉県内最多)」と急増したことから、戸田市に「待機児童緊急対策本部」が設置されました。
戸田市としては保育園を増やしたくても、このところ民間保育園がなかなか参入してくれません。
そこで、議会として、国に対して意見書を提出しました。
意見書の内容をざっくりと説明すると、「戸田市の保育園に対する国からの補助金率は、近隣市よりも圧倒的に少なく、それが戸田市への民間保育園参入の障壁となっている。補助金率の見直しを!」というものです。
なお、民間保育所の新規整備に対してこれまでは戸田市からも補助金を出していたのですが、歳出削減の一環として昨年度からそれを廃止したことも、民間保育園参入のさらなる障壁になっていると思います。
「待機児童緊急対策本部」では、このあたりの補助金についての対応も検討されると思います。
③議場への国旗と市旗の掲揚
「戸田市議会の議場に国旗と市旗を掲揚すべき」という市民からの請願が議会に提出され、賛成多数で採択されました。
かねてから国旗の掲揚に反対されている会派がいらっしゃいますが、私からすれば、民間企業が社旗を掲揚するように、地方議会が国旗と市旗を掲揚することは当たり前のことだと思います。
④戸田市名誉市民
昨年10月に「戸田市名誉市民条例」が施行されて初めて、市長から名誉市民選定案が議会に提出され、一部の退席者を除く賛成により同意されました。
戸田市名誉市民第一号は、戸田中央医科グループ会長の「中村隆俊氏」です。
戸田市の発表によると、選定の理由は、
「長年にわたり、戸田市民から厚い信頼を得て、本市の医療・福祉・保健分野に多大な貢献をした功績に加え、スポーツ分野(ボート、ソフトボール、ラグビー)、環境分野(花と緑のまちづくり)、防犯分野(蕨・戸田警察官友の会・わっとパトロール)、雇用分野(グループ内雇用)、社会奉仕分野(戸田ロータリークラブ・献血運動)など、様々な分野において本市の発展に積極的に寄与された功績が認められたため。」
とのことです。
以下に掲載した画像は、今議会での議員別採決状況です。
◎平成28年第3回定例会の概要と議員別採決状況及び議決結果一覧を掲載しました(戸田市議会公式サイト)
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[安全と防災, 生活と環境]2016年6月26日(日)
6月議会で実施した一般質問のご報告ですが、まずは内容のわかりやすいこちらから。
テーマは、「デング熱やジカウイルス感染症などの蚊媒介感染症」です。
デング熱とジカウイルス感染症はともに、日本に生息するヒトスジシマカが媒介となる感染症で、現在のところワクチンや特別な治療法はありません。
このなかで「デング熱」は、一昨年に70年ぶりの国内感染(=海外から帰国した感染者のウイルスが国内で拡がること)が発生したことは記憶に新しいと思いますが、高熱は出るものの死に至る危険は少ない感染症です。
一方で、「ジカウイルス感染症」は、感染した妊婦の産んだ赤ちゃんが小頭症などの障害を持つ可能性が指摘されています。
さらにジカウイルス感染症の恐いところは、発症率が推定2割と低く、また発症しても発熱や頭痛などの症状が軽いために、
「本人が感染していることに気付かない間に、蚊を媒介として感染が広がってしまう」
ことです。また、性交渉による「人から人」の感染事例も報告されています。
今年になって国内で「7例」もの症例が確認されているジカウイルス感染症ですが、幸いなことに、いまだ国内感染は起こっていません。
しかし今年8月には、昨年からジカウイルスへの感染が拡大し4700例以上もの小頭症の赤ちゃんが生まれているブラジルにおいてオリンピック・パラリンピックが開催され、それが日本での蚊の活動期と重っていることから、日本での国内感染が発生することが懸念されています。
私たちができる蚊の防除策は、2つしかありません。
【防除策1】蚊に刺されない
素足でのサンダル履きを避ける、薄い色の長袖や長ズボンを着用する。虫除けスプレーや蚊取り線香などを使用する。
【防除策2】蚊を発生させない
蚊が好む産卵場所である、狭い水たまりのような場所を無くす。(なお、蚊の卵は乾燥に強く、どんなに小さな場所でも、周期的に水が溜まる場所であれば孵化してしまう。)
議場では、蚊媒介感染症の防除に関する以下の2点の提案を行いました。
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Q1.
市民や民間施設、公共施設への周知を。
A1.
市民に対しては、これまで「蚊に刺されない」ための周知を行ってきたが、これからは「蚊を発生させない」ための周知も実施する。(⇒感染の恐れがあるときの対応に関する周知も要望)
民間施設に対してはこれまで周知を行ってこなかったが、今後は商工会等を通じた周知を実施する。
公共施設に対しては、今年4月に各所管課に対して防除の依頼を実施した。(⇒防除がきちんと実施されたかの確認を要望)
Q2.
国内感染の発生時に備えた市の体制整備を。
A2.
今後の体制づくりのため、主体となる所管課を定めたうえで、国内感染発生時の役割や手順を作成することを検討する。
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なお、2つ目の答弁は、かなり画期的なものです。
というのも、蚊感染症対策の対応について、国からはある程度の手引きが示されているものの、そのなかには市町村の裁量によるところがあり、例えば市内や近隣で感染が発生した時には、「どの施設を閉鎖するか」「どのタイミングで、どの範囲まで、誰が殺虫剤をまくか」などの判断やそれに基づく行動を迅速に行うことが求められます。
それらの体制を事前に整備しておくことが、感染拡大を防止することや、市民の不要な混乱を招かないことにつながります。
「新型インフルエンザ対策」に関しては、行動計画を策定することがすべての市町村に義務付けられていますが、「蚊媒介感染症対策」に関して行動計画のようなものを策定している市町村は、私の知る限りありません。
今後、ジカウイルス感染症の国内感染が発生するかしないかは予測しきれませんが、仮に発生した際に迅速で的確な対応をとれるのは、事前の備えをしっかり行っていたところです。
一般質問の残りのテーマである「生活保護医療とこども医療の医療費適正化」「一時保育の福祉的理由による優先利用」については、後日報告いたします。
◎録画映像はこちら(戸田市議会公式サイト)
※掲載画像引用元
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[交通と自転車, 生活と環境]2016年6月25日(土)
昨年6月に供用が開始された「戸田駅西口のロータリー」について、やや長文です。
先日、地域のご婦人からお電話があり、
「昨日、戸田駅西口のロータリーに徐行で侵入したら、一時不停止で警察に捕まった。これまで40年間ゴールド免許で、安全運転には気を付けていたのでとてもショックだった。まわりの知人にも、あそこのロータリーで捕まった人が多い。どうにかしてほしい。」
とのご意見を頂きました。
それを受けてその日に現地確認を行ったのですが、そこから対応を進める前に、ちょうどその日の翌日の議会において、他の議員が一般質問でこのロータリーを取り上げられることが分かっていたので、まずはその質問を聴くことにしました。
以下、質問と答弁の要約です。
Q. 戸田駅西口のラウンドアバウト(環状交差点)における通行違反の検挙数は1年間で「約1000件(1日あたり2.7件)」もある。通行車両へのさらなる啓発を。
A. ①ラウンドアバウトの通行方法に関する啓発チラシの配布、②路面標示や注意喚起看板などの視認性向上、を検討する。
私は、この質問と答弁の趣旨自体には賛同しますが、ひとつだけ大きく引っかかる部分がありました。
それは、このロータリーを、議員はまだしも行政が「ラウンドアバウト」と呼んでしまっていることです。(過去の市の広報物やプレスリリース、また新聞報道においても「ラウンドアバウト」と呼んでおり、私は不満を抱いていました。)
このロータリーがまだ整備中であった1年半前にこちらで報告した通り、このロータリーは「ラウンドアバウト」ではありません。
仮に「ラウンドアバウト」であれば、循環部分へ進入する際は徐行しさえすればよく、一時停止までする必要はありません。(そしてそれが、交通の円滑化や省エネという「ラウンドアバウト」のメリットでもあります。)
このロータリーは、通行方法が大変分かりにくい中途半端な交差点であり、行政がこのロータリーを「ラウンドアバウト」と呼んでしまうことは、明らかなミスリーディングです。
もし今後、戸田市で正式な「ラウンドアバウト」を設置することがあるのであれば、その際の反発気運をも醸成しかねません。
そこで後日担当課に出向き、結果としては、
「このロータリーについて、今後『ラウンドアバウト』という言葉は用いない。」
との回答を得ました。
このロータリーで一時停止が見落とされやすい主な要因として考えられるのは、
①横断歩道の先に一時停止があること。(←正式なラウンドアバウトであれば一時停止不要)
②一時停止と横断歩道との間がカーブになっていること。
③車道と自転車走行空間とが離されており、そのせいでカーブ部分に工作物が設置されてしまっていること。
の3つです。【画像参照】
自転車走行空間の不備については、整備中であった1年半前に担当課に伝えていたのですが、今回はあらためて、上記①~③の問題を有する整備形態とした経緯について質しました。
ただし、このロータリーは数年後には撤去される暫定的なものであり、ここでさらにお金をかけて道路改修を行うことは現実的ではないため、他の議員が一般質問で提案されていた「啓発の改善」を私からも要望しました。
しかし、そもそも何故この交差点を一時停止不要のラウンドアバウトとしなかったのか、という疑問については、
「戸田市としてはラウンドアバウトにするための整備を行ったが、最終的に警察の判断で一時停止が設置された。」
との回答でした。
私は、今週木曜日にあらためて現地を確認しました。
そこでは、警察官が5人、建物の陰に隠れていました。
そして、ロータリーに徐行で進入した1台のクルマが検挙されました。
県民一人当たりの警察官が少ない埼玉県にあって、数年後には無くなる暫定的なロータリーで、「徐行」という安全意識の見られる運転を行うクルマを、5人もの大人数で検挙する、という非生産的な職務を行うのは、大変にご苦労なことと思います。
このような交差点を整備してしまった以上、戸田市にできることは、警察による検挙から市民を守ることです。
◎【記者発表資料】ラウンドアバウト《円形交差点》の運用開始(戸田市公式サイト)
◎戸田駅前の円形ロータリー(真木大輔公式ブログ)
◎ちょっと長くなりますが「ラウンドアバウト」について(真木大輔公式ブログ)
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[交通と自転車, 福祉と医療]2016年6月22日(水)
「埼玉県でのタンデム解禁」が実現に近づきました!
タンデム自転車とは、2人(以上)でペダルを漕ぐ自転車のことで、親子やカップルのレジャーとしてだけでなく、視覚障害者が後部座席に乗って“風を感じる”ためのツールとしても重宝されており、こちらはパラリンピックの公式種目となっています。
タンデム自転車は、安全性が高く事故の事例がほとんど無いにも関わらず、日本では(世界的にかなり珍しく)公道上の走行が認められていないのですが、国内の各地域の視覚障害者団体などの要請などにより、現在では「11府県」が公道上の走行を許可しています。埼玉県はそこに含まれていません。
そこで、先日の6月10日の埼玉県議会において菅原文仁県議が「埼玉県でのタンデム解禁」を求める一般質問をされ、埼玉県警本部長から「検討、研究してまいる。」という前向きな答弁を得られました。
この答弁は翌日の読売新聞で取り上げられ、その後、菅原県議のもとには他の新聞社からの取材も来ているとのことです。
菅原県議のFacebookでも報告されていますが、この質問は、私が頂いたご意見を菅原県議にお繋ぎしたことがきっかけとなりました。
その後、ご意見者から提供いただいた情報を菅原県議と共有する一方で、菅原県議は、タンデム勉強会への参加やタンデム試乗体験に加え、埼玉県視覚障害者福祉協会や埼玉県サイクリング協会との協議を熱心に重ねられ、今回の前向きな答弁を得るに至りました。
この結果に、全国の多くの視覚障害者が喜ばれていると思います。
すでに、私の知る各地の自転車関係者のなかでも、「埼玉県がタンデムを解禁するらしいぞ」との情報が広がっているようです。
というのも、昨年8月に関東で初めてタンデム解禁を実施した群馬県に埼玉県が続けば、いよいよ本丸である、2020年東京パラリンピック開催までの「東京都でのタンデム解禁」が現実味を帯びてくるのです!
【参考】菅原県議によるご報告(新聞記事・質問動画あり)
①https://www.facebook.com/sugawarafumihito/photos/a.399437963423701.95866.362213357146162/1191165700917586/?type=3
②https://www.facebook.com/sugawarafumihito/posts/1194862033881286
※掲載画像元
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