先月13日~14日に交通対策特別委員会で行った行政視察の報告です。
視察に伺った自治体は岐阜県岐阜市と愛知県豊田市で、視察のテーマは「公共交通としてのバスの活性化」です。
各市の行うバス事業の特徴をごく簡単にまとめると、
となります。
両市とも、バス事業の活性化に向けて非常に多くの取り組みを行い、バス利用者の増加に成功しているのですが、なかでも、私が(実現可能性も含めて)戸田市に取り入れるべきと考えたのは、以下の取り組みです。
(1)官民協働によるバスガイドブック(豊田市)
広告会社との協働により市負担0円で作成した、路線バス&コミュニティバスの「バス路線図+全バス停の時刻表」(全62ページ)です。
私は常々、市民をバスの利用から遠ざけている大きな要因は、「路線図や時刻表の情報へのアクセシビリティの悪さ」だと考えています。
このバスガイドブックは、その問題を1冊で解消する大変画期的なもので、もし戸田市にあったらぜひ家に1冊置いておきたいです。
(2)ICカードによる利用実態の把握(岐阜市)
バス運賃の支払い方法としてICカードを導入し、利用者にとっての利便性向上とあわせて、バス利用の実態把握を行っています。
利用実態が明らかになることで、運行本数の最適化や、バス路線の再編、バス停の移設が可能となります。
戸田市のtocoバスに関して、suica支払いの導入を求める利用者の声は多く、また同時に、今後バス路線やバス停の位置を見直すにあたって、利用実態の把握は急務となっています。
もちろん、suica支払いの導入にはコストが掛かりますが、それを勘案しつつも前向きに検討すべき施策です。
(3)ハイグレードバス停(岐阜市)
「屋根とベンチ付きのバス停」のことで、バス停によっては、そこにバスのリアルタイム運行情報を表示する「バスロケーションシステム」や民間広告の掲示、自転車駐輪場などの整備がされています。
かねてより、戸田市のご高齢の方から「バス停に屋根とベンチが欲しい」とのご意見を頂いていますが、高齢者に限らずすべての利用者に対して、バスをゆっくり待つことのできるバス停を用意し、バス待ち環境を向上させることは、バスの利用促進にとって必要な“おもてなし”だと思います。
戸田市でも、幅員が十分に確保されている歩道であれば、屋根とベンチ付きのバス停をどんどん設置すべきです。
(4)専門的な職員の養成(岐阜市)
私が本年の3月議会において指摘したことですが、戸田市には「公共交通」を所管する担当課がありません。
公共交通の活性化に取り組んでいる多くの自治体には「交通政策課」といった課が設置されており、特に岐阜市の交通総合政策課は、職員数を年々増やす一方で、交通政策に20年近く従事し国への出向経験もある専門的な人材を確保しています。
公共交通の重要性が今後さらに増していくなか、平成25年には交通政策基本法が施行され、公共交通が地域に任されるようになりました。
戸田市でも、公共交通を扱う担当課の設置や専門的人材の養成に取り組んでいく必要があると考えます。
明日の交通対策特別委員会で行われる視察検証において、私からはこれらの取り組みについて発言をする予定です。
◎西循環を市役所経由に ~tocoバス試乗調査~ 2016/5/23(真木大輔公式ブログ)
◎戸田市役所にバスのインフォメーションが設置されました 2015/6/11(真木大輔公式ブログ)
◎バス停へのベンチの設置 2015/8/23(真木大輔公式ブログ)