「建築点検」実施の必要性 ~消防本部の外壁タイル落下~

行財政改革]2016年7月26日(火)

先週金曜日の市民生活常任委員会における執行部からの報告案件のうち、本日は「消防本部の改修工事」についてです。

 

報告内容は、「昨年に消防本部の外壁タイルが落下し、外壁調査を実施した結果、外壁の劣化が認められたため、同時に劣化が認められた屋上防水部分と併せて改修工事(4635万円)を行いたく、9月議会に補正予算を提出する。」というものです。

 

外壁や屋上の劣化がある以上、改修工事の実施はやむを得ません。
ただし、委員会の質疑応答のなかで明らかになった以下の事実は看過できません。

 

●「戸田市 公共施設中長期保全計画」のなかに消防本部は含まれていない。(ただし、消防本部より築年数の古い東部分署と西部分署は計画に含まれている。)

 

●建物の定期的な点検は実施してこなかった。

 

「戸田市 公共施設中長期保全計画」とは、公共施設の維持管理を、今回のように場当たり的にではなく、長期的視点に立って計画的に行うことで、維持費の削減と平準化を図るための計画です。

 

しかし戸田市は、計画の策定にあたり、各公共施設の改修工事の必要性の有無を、「定期的な点検」によってではなく、主に「築年数」によって判断しているために、今回のような突発的な改修工事の必要に迫られました。

 

市内には、消防本部よりも築年数の古い建物は数多く存在するため、今回のような事案は、今後もたびたび発生することが予想されます。

 

私が昨年の12月議会の一般質問で提案したのは、「建築基準法に基づく建築点検の実施」です。
建築基準法では、建物の安全性を保ち、危険を未然に防止するため、一級建築士などの専門家に、損傷・腐食・その他の劣化状況の点検(=建築点検)を定期的にさせるよう定められていますが、戸田市の公共施設や学校施設の多くではそれが実施されていません。(※詳しく下段リンクの議事録をご覧ください)

 

例えるならば、戸田市は、健康診断を行わずに、年齢だけから判断して治療を行っているようなものです。病気の発見が遅れれば、寿命は縮み、さまざまなコストが掛かります。

 

私の一般質問での提案を受け、現在、建築点検の実施に向けた検討が進められているとのことですが、今回の消防本部の事案によって、その必要性がより鮮明となったのではないかと思います。

 

※なお、掲載写真は、私が後日に現地確認を行った際に撮影したものです。ここに写る建物の外壁2面だけでも、20カ所近くのタイル欠損が確認できます。タイル落下による事故が起きなかったことは幸いです。

 

【一般質問 議事録】建築基準法に基づく建築点検について(真木大輔公式サイト)

 

「専門家による小中学校などの建築点検の実施」2015/12/22(真木大輔公式ブログ)

 

戸田市 公共施設中長期保全計画(戸田市公式サイト)

 

 

◇Facebookの元記事はこちら