戸田市の公共施設の行く末を決めるとても重要な計画に関するパブリック・コメントが、今月15日から開始しています。
正式名称は、「戸田市公共施設等総合管理計画及び公共施設再編プラン(骨子案)」です。
戸田市のハコモノやインフラをこのまま無計画に維持管理していくと、30年間で350億円以上もの財源が不足することが見込まれており、これからは、ハコモノやインフラの更新・長寿命化・統廃合などを、長期的視点に立ち計画的に実施していくことで、財政負担の軽減や平準化を図る必要があります。
本計画案では、そのための全体方針やハコモノ毎の再編プランを定めています。
以下に掲載した画像は、戸田市民のみなさんにとって最も関心が高いと思われる、ハコモノ毎の再編プランの一覧です。
この一覧には、各小中学校の建替え時期、福祉センターや図書館本館への指定管理導入を検討している時期、公立保育園の民間運営への移行時期、保養所である白田の湯の廃止検討時期、市営住宅の廃止検討時期、等々が示されています。
この個別プランに対して異議を持たれる方もいらっしゃると思いますので、その場合は、全体方針をきちんとお読みになったうえで、パブリック・コメントにご意見をお寄せいただければと思います。
私からは、この個別プランではなく、公共施設再編全体の「基本方針」に関して、少し考えを述べさせていただきます。
実は、この計画については、議員全員に対する事前説明が本年9月に行われました。
その際に示された計画案には、公共施設再編の「基本方針」が8つ掲げられており、その中に「土地の利活用」という項目がありました。
具体的には、「土地の利活用:施設廃止後に更地となった跡地の有効活用及び未利用地としての民間売却を検討する」というものです。
この項目に対して私は、「土地の有効活用として、更地となった跡地に別の公共施設を建てるということになるのであれば、それは戸田市がこれから進めようとしているコンパクトシティ化に反することになる。公共施設は、空いた土地ではなく、駅前などの交通の便の良い場所や地域の中心地などの“良い場所”に配置するという理念を持つべき」という主旨の発言をしました。
この意見は、後日、私が委員を務めている戸田市土地計画審議会のなかで「コンパクトシティ化計画(立地適正化計画)」を審議した際にも述べました。(※会議録p.3参照)
結果として、今回パブリック・コメントに出された骨子版の「基本方針」からは、「土地の利活用」という項目が削除され、代わりに、「未利用地や低利用地などの民間売却」を趣旨とする文言となって他の項目のなかに加えられました。
コンパクトシティ化計画(立地適正化計画)自体の策定は3年先となるため、今回の公共施設再編計画がそれとの完全な整合を図れないのは致し方ないものの、やはり、「どのような公共施設にするか」と同じくらい「公共施設の場所をどこにするか」は大事です。
これからは、ハコモノ担当、都市計画担当、交通担当などのそれぞれの課がしっかりと連携し、一体的にまちづくりを進めていくことが必要です。
受益者である市民にとって、それらの区分けはありません。
◎戸田市公共施設等総合管理計画及び公共施設再編プラン[骨子案]パブリック・コメント(戸田市公式サイト)
◎都市計画審議会の開催状況 平成28年度(戸田市公式サイト)