戸田市は、「住工混在」の問題を抱えるまちです。
「住工混在」とは、多くの場合、もともとは工場が立ち並んでいた地域において、工場が移転した跡地に建て売り住戸やマンションなどが建てられることにより、工場と住居とが混在した状態になることです。
住民から「騒音や臭気、振動、道路の安全」などの苦情が上がっても、工場からすれば「工場の多い地域にあとから入ってきたのはそっち」との言い分があり、問題の解決は簡単でありません。
住工混在が生じてしまう背景には、「用途地域」の区分の
用途地域は土地利用の制限を定めるもので、その区分は、住宅地としての「第一種住居地域」や「第一種低層住
▲総務省「みらいに向けたまちづくりのために」より引用
実際に、戸田市の工場が多い地域はすべて「工業地域」か
(唯一、住宅を建てることが認められていない用途地域の
したがって、例えば「工業地域」に指定された地域で、あ
実際に私も、市内で工場を経営されている方から、住工混
戸田市は、市の抱える住工混在の問題を解決すべく、「戸
土地利用調整方針の詳細については以下のリンクから確認していただくとして、ここでは、戸田市が(方針が正式に策定された後に)取り組む主要な施策を説明します。【画像参照】
①立地適正化計画の策定
高齢化と人口減少への対策として、公共施設や民間施設の立地の誘導、公共交通などの充実を図り、まちをコンパクトにするための都市計画です。戸田市は、来年度から3年間を掛けて計画を策定します。(以前にこちらでも取り上げています。以下リンク参照。)
②モデル地区における取り組み
住工混在の問題が顕在化し始めている地区をモデル地区に選定し、そこで、
(1)既存の用途地域を強化するために、市独自の用途地域である「特別用途地区」(文教地区もその一例)を指定する。
(2)より細かな規制をかけるために、住民の合意に基づく「地区計画」(例:まちづくり協定)を策定する。
といった取り組みを進めていきます。
③大規模土地利用転換の調整制度
戸田市のまちづくりにおいて望ましくない大規模な土地利用転換が行われる場合に、これまでは事業者に対して口頭ベースでのお願いしかできなかったものが、今後はしっかりとした制度のもとで事業者と調整し、土地利用を誘導できるような仕組みづくりを進めていきます。
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議会においても、たびたび住工混在の問題は指摘されていましたが、決定的な方策が見出せていなかったなかで、行政のほうからこのような方針が打ち出されたことは大いに評価できると思います。
そして私としては、(担当課にも要望しましたが、)上記②のモデル地区には、住工混在の問題がすでに顕在化している“課題の多い地区”を選定していただけることを期待したいと思います。
◎戸田市土地利用調整方針(案)パブリック・コメント(戸田市公式サイト)
◎戸田市が進めるコンパクトなまちづくり ~立地適正化計画~(真木大輔公式ブログ)