「公共施設の場所をどこにするか」も大事 ~戸田市公共施設再編計画骨子案~

まちづくり, 行財政改革]2016年12月21日(水)

戸田市の公共施設の行く末を決めるとても重要な計画に関するパブリック・コメントが、今月15日から開始しています。

 

正式名称は、「戸田市公共施設等総合管理計画及び公共施設再編プラン(骨子案)」です。

 

戸田市のハコモノやインフラをこのまま無計画に維持管理していくと、30年間で350億円以上もの財源が不足することが見込まれており、これからは、ハコモノやインフラの更新・長寿命化・統廃合などを、長期的視点に立ち計画的に実施していくことで、財政負担の軽減や平準化を図る必要があります。
本計画案では、そのための全体方針やハコモノ毎の再編プランを定めています。

 

以下に掲載した画像は、戸田市民のみなさんにとって最も関心が高いと思われる、ハコモノ毎の再編プランの一覧です。

 

 

この一覧には、各小中学校の建替え時期、福祉センターや図書館本館への指定管理導入を検討している時期、公立保育園の民間運営への移行時期、保養所である白田の湯の廃止検討時期、市営住宅の廃止検討時期、等々が示されています。

 

この個別プランに対して異議を持たれる方もいらっしゃると思いますので、その場合は、全体方針をきちんとお読みになったうえで、パブリック・コメントにご意見をお寄せいただければと思います。

 

私からは、この個別プランではなく、公共施設再編全体の「基本方針」に関して、少し考えを述べさせていただきます。

 

実は、この計画については、議員全員に対する事前説明が本年9月に行われました。

 

その際に示された計画案には、公共施設再編の「基本方針」が8つ掲げられており、その中に「土地の利活用」という項目がありました。
具体的には、「土地の利活用:施設廃止後に更地となった跡地の有効活用及び未利用地としての民間売却を検討する」というものです。

 

この項目に対して私は、「土地の有効活用として、更地となった跡地に別の公共施設を建てるということになるのであれば、それは戸田市がこれから進めようとしているコンパクトシティ化に反することになる。公共施設は、空いた土地ではなく、駅前などの交通の便の良い場所や地域の中心地などの“良い場所”に配置するという理念を持つべき」という主旨の発言をしました。

 

この意見は、後日、私が委員を務めている戸田市土地計画審議会のなかで「コンパクトシティ化計画(立地適正化計画)」を審議した際にも述べました。(※会議録p.3参照

 

結果として、今回パブリック・コメントに出された骨子版の「基本方針」からは、「土地の利活用」という項目が削除され、代わりに、「未利用地や低利用地などの民間売却」を趣旨とする文言となって他の項目のなかに加えられました。

 

コンパクトシティ化計画(立地適正化計画)自体の策定は3年先となるため、今回の公共施設再編計画がそれとの完全な整合を図れないのは致し方ないものの、やはり、「どのような公共施設にするか」と同じくらい「公共施設の場所をどこにするか」は大事です。

 

これからは、ハコモノ担当、都市計画担当、交通担当などのそれぞれの課がしっかりと連携し、一体的にまちづくりを進めていくことが必要です。
受益者である市民にとって、それらの区分けはありません。

 

戸田市公共施設等総合管理計画及び公共施設再編プラン[骨子案]パブリック・コメント(戸田市公式サイト)

 

都市計画審議会の開催状況 平成28年度(戸田市公式サイト)

 

 

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福祉センターでの居場所づくり事業が動き出します ~冬休みとだっ子ひろば~

子育て, まちづくり]2016年12月20日(火)

いよいよ、福祉センターでの居場所づくり事業が動き出しました。

 

この冬休みに、新曽福祉センターと東部福祉センターにおいて「冬休みとだっ子ひろば」が開催されます。

 

冬休み期間中5日間の10時から19時まで、小中学生の居場所として、新曽福祉センターでは主に「自習室」と「自由スペース」が提供され、東部福祉センターでは主に「自習タイム」と「学習イベント」が開催されます。

 

 

企画と運営は、戸田市民によって構成される「福祉まちづくり市民会議」のなかの「子どもから高齢者までの居場所づくり」チームの方々(19名)が、新曽班と東部班に分かれて行ってくださっているとのことです。

 

子供や子育て世代にとって立ち寄りづらい福祉センターを多世代に開放することに関し、地域の多くのお母さん方からのご要望を受けて市へ提言し続けてきた私にとって、この事業開始は本当に感慨深いです。

 

また、福祉センターの部屋を朝から夜まで使用すること(しかも茶道室まで!)、付き添いの保護者も見守り要員として受け入れること、保護者同伴であれば未就学児の参加も可能であること、書初め教室など他団体の協力を得ていることなど、これまでの居場所事業には無かった大胆さや柔軟性があるのは、やはりこの事業が行政主体ではなく市民主体で企画・運営されているからこそだと思います。

 

今後は、ボランティアやスタッフを広く集め、「現代版寺子屋」として毎日の開催を目標とされているようですので、大学生ボランティアの活用や、既存の「青少年の居場所」との連携を期待するとともに、可能であれば、私も勉強の見守りなどでご協力できればと考えています。

 

「公共施設」と「市民力」という戸田市の持つ資源が活かされた素晴らしい事業だと思います。今後の発展に大いに期待します。

 

※最後に補足ですが、この事業とは別に、「福祉センターへの乳幼児スペースの常設」「遊び場としての放課後や夏休みの体育館開放」については、今後も引き続き求めていきます。

 

冬休みとだっ子ひろばを開催します(戸田市公式サイト)

 

福祉まちづくり市民会議(戸田市公式サイト)

 

 

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4回目を迎えた「としょかんクリスマス」

まちづくり]2016年12月17日(土)

本日は、図書館本館で開催された「としょかんクリスマス」に参加しました。

 

私がかつて所属した文教建設常任委員会が主催して始まった「としょかんクリスマス」も、今年で4回目を迎えます。

 

おすすめ本についてのプレゼンを競う「市民参加によるビブリオバトル」は、今回が最も発表者のバラエティに富んでいました。ライトノベルを紹介する男子高校生、絵本を紹介する高齢男性、前回は観覧者であった女性市職員、ほかに壮年男性や上戸田分館女性スタッフです。
また、小学生の女の子たちや、上戸田分館で開催されている「はじめてのビブリオバトルワークショップ」の受講生などが観覧者として参加しており、今後のビブリオバトルの拡がりが期待できました。
来年は、いよいよ私も発表者として参加してみようと思います。

 

1階玄関ホールで開催された「ミニコンサート」では、例年通りクラリネットデュオのお二人やハンドベルの子供たちが演奏してくださいました。
特にハンドベル演奏では、ミュージックベルに加えて今回はトーンチャイムも用い、一段とクリスマスらしさを感じさせる素敵なメロディーが奏でられ、子供たちの成長を感じました。
また、最前列で演奏を聴いていた子供たちが、音に合わせて歌っている光景がとても微笑ましかったです。

 

 

この日だけ特別に許可される、1階玄関ホールでのコーヒー・お菓子販売も実施され、私もコーヒーを手に、妻と娘と一緒にクリスマスの空間を楽しみました。

 

なお、これまでの4回の「としょかんクリスマス」の開催主体は、

 

第1回 委員会主催、図書館後援
第2回 委員会・図書館共催
第3回 委員会・図書館共催
第4回 図書館主催

となり、今回初めて委員会(議会)の手が離れました。

 

私たち当時の委員としては、今後、「図書館市民サポーター」のような団体が組織され、図書館と市民との協働によって「としょかんクリスマス」が開催されるようになれば良いなと考えています^^

 

 

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「地域に親しまれる公園づくりに向けての提言書」を提出

まちづくり]2016年12月7日(水)

本日、私が副委員長を務める市民生活常任委員会で、「地域に親しまれる公園づくりに向けての提言書」を執行部に提出しました。

 

公園は市民が豊かな地域生活を送るうえで欠かすことのできない重要な社会資本である、という認識のもと、提言書では、《公園事業の基本理念》として、

 

(1)どの年代の市民にとっても安全で集いやすい公園とする
(2)あらゆる世代の意見を広く取り入れる
(3)公園の利用実態や利用満足度の把握に努める

の3つを掲げました。

 

さらに、この基本理念を果たすための方策として、いくつかの具体的な提言を行いました。

 

私はかねてから、遊具の交換にさえも公園利用者の意見を広く取り入れるべきであると考えていました。
また、公園の死角はもっと無くすべきとも考えていました。
好立地にも関わらず利用者の少ない公園は、きちんとリニューアルすれば、地域住民に親しまれる公園に生まれ変わるはずです。
そのリニューアル案は、地域住民が一から話し合って作るのが良いに決まっています。
そして、新曽地区には、公園がまだまだ足りていません。

 

これら公園に関する思いを、この提言書に込めることができました。
それだけで、まずはひと安心です。

 

また、他の委員からの提案や先進地への視察で得た知見も、多く盛り込まれています。

 

今回の提言書によって、委員会の考える「理想の公園づくり」を提示できたことには、大きな意義があると思います。
しかし、その有効性をさらに高めるためには、この後の各委員による継続的な働きかけが重要となります。
その点については、本日の委員会の最後に、私から委員のみなさんにお願いをさせていただきました。

 

提言書の中身は、以下の画像のほか、PDFでもご覧いただけます

 

 

 

最後に、ひとつだけ心残りなのは、委員会に女性がいなかったことです。
女性の委員がいれば、男性とは異なる視点から、提言書にさらなる厚みを持たせてくれたのではないかと感じています。
テーマが「公園」であるからこそ、なおさらだったと思います。

 

 

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「彩湖・道満グリーンパーク活性化」と「生活保護医療費増大」に関する質疑

まちづくり, 行財政改革, 福祉と医療]2016年11月30日(水)

本日開かれた12月議会本会議において、私は、市長から提出された議案のうち2件に関して質疑(≒議場での公開質問)を行いました。

 

以下に質疑と答弁の概要を記しますが、特に2つ目の生活保護費増大に関する質疑は、今後の戸田市にとってとても大きな話なので、お時間のある方にはぜひ目を通して危機感を共有していただけるとありがたいです。

彩湖・道満グリーンパークの指定管理者について

 

Q. 彩湖・道満グリーンパークの今後5年間の管理運営を行う指定管理者として、これまでと同じ「戸田市水と緑の公社」が選定されたが、選定にあたってのプレゼン審査において、彩湖・道満グリーンパークの活性化に向けた新たな提案はなされたのか?

 

A. 公社からの新たな提案は、
①これまで戸田市が行ってきた戸田ヶ原自然再生事業関連事業を、今後は公社が主体となって担う。
②これまでの公社の自主事業(さんま祭り、親子農業体験、コスモス花摘みイベントなど)を、さらに拡充する。
③合併した観光協会が行ってきた釣り堀事業を引き継ぐ。

 

【コメント】
本年7月の市民生活常任委員会のなかで、市の担当課から「民間にも負けないような管理運営ができるよう、選定のなかで公社に求めていく」との答弁を得ていたので期待を寄せていたのですが、この提案内容には目新しさが無く、残念な印象です。

Q. 事業やイベントの広報・周知に関して新たな提案はあったのか?

 

A. 今年度にホームページをリニューアルしたが、今後は、即時性のあるSNS等の活用による情報発信を進めていきたいとのこと。

 

【コメント】
SNSの活用は、「彩湖・道満グリーンパークのFacebookを作ってイベント周知を行えば効果的では?」という、私の以前の提案を踏まえてのもので。

生活保護費の補正予算について

 

Q. 生活保護費として、当初予算では「約42億5000万円」を計上していたが、今回の12月議会で「約5億9000万円」もの多額の補正予算を組むに至った理由は?

 

A. 補正額の内訳は、医療扶助が「約4億8500万円」、生活扶助が「約7300万円」、介護扶助が「約2200万円」。
生活保護費が急増した主な理由は、医療費のかかる75歳以上の受給者の増加。

 

Q. 生活保護費増加を当初予算の段階では見込めなかったのか

 

A. 生活保護費の急増が始まったのは昨年度下半期で、(昨年秋頃に行う)当初予算編成に反映できなかった。

 

Q. 補正額の大半を占める医療扶助費増大の詳細は?(※生活保護医療費は100%が税金負担)

 

A. ①75歳以上受給者の「数」の大幅な増加。受給者数昨年比は、0歳~64歳が57人減、65歳~74歳が1人増に対し、75歳以上は65人増。
②75歳以上受給者の「高額診療(1件50万円以上)件数」の大幅な増加。昨年度上半期が89件に対し、今年度上半期では170件。
今後、生活保護医療費の精査・分析をさらに行い、健康の維持・増進および医療費抑制について検討する。

 

【コメント】
急増の兆候を見せていた生活保護医療費に関しては、本年6月議会の一般質問において、私は「分析を基にした医療費抑制を行っていくべき」と提案していましたが、その心配が早くも現実のものとなりました。
生活保護費の4分の3は国の負担ですが、残り4分の1は市が負担します。(国の負担と言っても、もとは私たちの納める税金です。)
今年度1年間の生活保護にかかる費用として、戸田市は4分の1の負担として「約11億円」を用意していましたが、それでは足らず、あらたに「約1億5000万円」を用意することになりました。そして、その大半が医療費です。
原因は生活保護受給者の高齢化にあることから、この傾向は今後いっそう加速します。
これがどんなにヤバい状況か、どのように伝えれば良いのでしょうか?
戸田市の他の事業と比較してみます。
近くに住む親族や近所の付き合いが少なくなり、孤独な子育てによるお母さんの「産後うつ」が増えていることへの対策として、戸田市は、産前や産後にヘルパーをご自宅へ派遣して家事・育児の手伝いをする「産前・産後ヘルプサービス」という事業を実施しています。
わが国の社会問題である少子化への対策として、今後より重要さを増す事業の一つだと思います。
しかし、戸田市がその事業に掛けたお金は、昨年度の一年間で「188万円」です。文字通り、桁が違います。
生活保護費は「義務的経費」であり、戸田市が負担から逃れることはできません。医療費分析による生活保護医療費の抑制は急務です。

【一般質問③】 生活保護医療費とこども医療費の適正化 2016/7/1(真木大輔公式ブログ)

 

議会録画映像 速報版(戸田市議会公式サイト)

 

 

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