[議会と選挙]2016年10月13日(木)
昨日は、議員となり初めて、視察対応をさせていただきました。
視察にいらっしゃったのは、愛知県大府市議会の議会運営委員会のみなさんで、視察テーマは「①常任委員会の年間活動テーマ」と「②戸田市議員報酬等の特例に関する条例」でした。
②は、議員が、自己都合や疾病等により議員活動を長期間休止した際に、その間の議員報酬を削減することを定めた条例で、私が戸田市の議員となる前に、戸田市議会の議会改革のなかで制定されたものです。
条例の説明や質問への応答は、議会事務局と遠藤副議長が担当されました。
私は主に、①の常任委員会の年間活動テーマの取り組みとして、昨年にマニフェスト大賞優秀成果賞を受賞した「図書館改革に向けた提言」に関して、議会事務局による説明の後の質問への応答を担当させていただきました。
かつての戸田市議会の常任委員会は、行政から提案された予算案や条例案などを年4回の定例議会で審査することが主の、いわば”受け身”の常任委員会でしたが、平成21年度から「年間活動テーマ」を決めて常任委員会を毎月開催することで、”提言する委員会”として主体的に市政向上に取り組むことができるようになりました。
大府市議会でも、平成25年から委員会のテーマ活動を実施しているとのことですが、戸田市議会の取り組み状況をご説明したところ、戸田市議会の進んでいる点として、「委員間の日頃からのコミュニケーションにより、委員会としてチームワークが取れていること」「年間活動テーマに関する委員間の議論だけでなく、担当課との情報交換が密に取れていること」を挙げられていました。
ただし、戸田市議会と大府市議会の共通の課題として、「年間活動テーマに取り組んだ後の検証ができていない」ことが確認されました。
私がこれまでに取り組んだ年間活動テーマは「図書館改革に向けた提言」と「スポーツセンタープールの早期再開」、現在取り組んでいるのは「住民に親しまれる公園づくり」ですが、特に、「図書館改革に向けた提言」に関しては、当時の活動をリードしてくださった委員長が議会にご不在であること等の事情により、思うように検証を進められていないのが課題であると、私も認識しています。
そのような課題がありますが、「議員個人ではなく委員会として行政に働きかけることができる」というメリットは大きく、大府市議会のみなさんと意見交換をするなかで、委員会の年間活動テーマそのものは今後も続けていくべきものであることを再認識しました。
今回に続き来月にも、年間活動テーマに関する視察対応をさせていただきますが、そちらも、視察にいらっしゃる議会だけでなく、戸田市議会にとっても学びのある機会になればと思います。
◇Facebookの元記事はこちら
[生活と環境]2016年10月12日(水)
本日は、蕨戸田衛生センター組合議会の行政視察として、群馬県草津町にある一般廃棄物最終処分場「新草津ウェイストパーク」に伺いました。
この最終処分場に埋め立てられるのは、ゴミを焼却して出た灰なのですが、一旦ここで説明に入ります。
まず、戸田市と蕨市から集められたゴミのうち、蕨戸田衛生センター組合のごみ焼却施設で燃やされるのは、以下の2つです。
●「もやすゴミ」
●「粗大ゴミ」のうち、リサイクル家具として再利用できないものを粉砕して、そこから鉄類などを取り除いたもの
焼却されたゴミからは2種類の灰が出ます。
①「飛灰(ひばい)」=焼却炉の排ガスから集められたほこり状の灰
②「主灰(しゅばい)」=ゴミを燃やした後の燃えがら
それぞれの灰について、蕨戸田衛生センター組合では以下の処理方法をとっています。
①飛灰⇒灰(ダイオキシン等の有害物質を含んでいる)が飛散しないようにセメント等で固めて固化灰とし、それを群馬県草津町と山形県米沢市にある最終処分場に埋め立てる。
②主灰⇒鉄類を取り除いた後、埼玉県寄居町と栃木県日光市にある処理施設で人工砂やセメント等にリサイクルする。
今回視察したのは、①の固化灰を埋め立てている草津町の最終処分場で、ここでは、蕨戸田衛生センター組合から年間2,800トン前後の固化灰を受け入れている他、全国の180市町村から一般廃棄物を受け入れています。
この最終処分場を運営する(株)ウィズウェイストジャパンは、戸田市を発祥とし、現在はさいたま市に本社を置く、廃棄物業界のリーディングカンパニーということで、障害者を全社員の3分の1程も雇用し、また、この草津の最終処分場において、近隣住民との調和や、公害防止に向けた取り組みに積極的に取り組んでいるのが印象的でした。
草津には隣接する2か所の最終処分場があるのですが、そのうち、1か所はあと3年半で満杯となり、もう1か所はすでに満杯となっていて、その上部はドーム型水耕栽培施設や多目的広場として活用されています。
最終処分場というのは、10年~20年間の埋め立てだけでなく、埋め立てが終わった後の10年~15年間の維持管理も必要とのことで、最終的には、最終処分場からの浸出水が人間の飲めるレベルになって完了するとのことです。(それまでの間は、浸出水をきちんと処理してから流します。)
草津の最終処分場があと3年半で満杯になるということで、次は嬬恋村に最終処分場を設立予定とのことです。
なお、最終処分場のある自治体にとってのメリットは、草津村では「草津村の一般廃棄物の受け入れが無料」、米沢市では「環境負担金という名目で排出元の自治体からお金をもらう」というもので、これは最終処分場によってまちまちのようです。
最終処分場の設立にも土地が必要なわけですから、やはり、私たちの出すゴミを少なくしていくことに越したことはないわけです。
なお、今回の報告にあたって調べ物をするなかで、ゴミをもやして出る①の飛灰は、蕨戸田衛生センター組合のように固化灰として埋め立てる処理方法だけではなく、②の主灰と同様、セメント等へリサイクルする処理方法もあるようです。
その処理費用は、埋め立ての倍近くかかるとのことですが、リサイクルを選択している自治体もあるようですので、この辺りについては、今後蕨戸田衛生センター組合議会のなかで質問してみようと思います。
私個人としては、ある程度お金がかかっても、最終処分場を必要としない循環型社会に向けた取り組みを進めることが望ましいと考えます。
◎蕨戸田衛生センター組合議会の行政視察 2014/10/6(真木大輔公式ブログ)
◇Facebookの元記事はこちら
[その他]2016年10月11日(火)
本日、私の所属する会派「戸田の会」が作成した、来年度予算に関する要望書を、神保市長に提出いたしました。
昨年の要望書と骨子は変えていませんが、この1年間の市の事業進展や社会情勢の変化を反映させるため、一部項目のアップデートや項目の削除・追加を行いました。
分野ごとの項目数は以下の通りで、なかでも、「子育て・教育」の項目数が多いところに戸田の会の特徴が表れているかと思います。
「行政改革」8項目
「子育て・教育」17項目
「医療・福祉」8項目
「市民生活」9項目
神保市長に予算要望書をお渡しした後、40分程度の意見交換を行わせていただきました。
その際、メンバーが思いを込めている項目をそれぞれ尋ねられ、私からは、市民生活常任委員会で取り組んでいる最中の「住民参加による公園リニューアル」を挙げさせていただきました。
(逆に言うと、私が執筆したその他の項目については、すでに議会で十分に思いを伝えています。)
予算要望書(全11ページ)は下記リンク先からダウンロードできます。
よろしければご覧ください。
◎「戸田の会」平成29年度予算要望書(真木大輔公式サイト)
◇Facebookの元記事はこちら
[行財政改革]2016年10月10日(月)
これから数回に分けて、9月議会の市民生活常任員会での審査についてご報告します。
今回は、委員会審査報告その①「戸田市観光情報館トビック」です。
戸田市観光情報館トビックでは、主に、
●市内商工業・観光イベント・史跡の情報発信
●戸田市優良推奨品等の展示販売
●市内事業者等のイベント
●選挙時の期日前投票所
が行われてます。
開館時間は、年末年始を除き「平日:午前10時~午後8時、土日祝日:午前9時~午後5時30分」と長時間。また、「戸田公園駅前行政センター2階」という、駅西口のペデストリアンデッキから直通する好立地にあります。
しかし現状では、その好条件を活かした事業を行えているとは思えないというのが、私の正直な感想です。
一方で、証明書やパスポート等を発行する、1階の「戸田公園駅前出張所」は、利用者が年々増加しており、待合スペースを減らして受付窓口を増設している状況です。
委員会での昨年度決算審査のなかで、戸田公園駅前出張所を所管する市民課から、現状の報告に続き、今後の対策として、
「2階(現:トビック)の受付窓口への転用を検討したい。」
との答弁がありました。
その後、2階トビックを所管する経済政策課に対して、窓口拡大への考えを質したところ、
「観光という点で、駅前という利点はあるが、他の場所での実施も可能ではある。市民課の要望はできる限り尊重したい。」
との答弁がありました。
とはいえ、(私のイメージと異なり)仮に2階トビックが多くの方に利用されている現状があるのであれば、慎重な検討を行う必要があります。
そこで、2階トビックの利用状況を伺ったところ、
「平成27年度は、1万5195人の利用があった。」
との答弁があったので、私からは、
「トビックの中をちょっとだけ覗いて帰る人も、利用人数にカウントされているはず。利用の質も考慮すべきであり、今後は利用者の滞在時間も計測すべきではないか。」
と提案し、
「滞在時間の把握について実施する。」
との答弁がありました。
そもそも、1年間の利用者1万5195人(1日平均40人前後)の数自体が少ないですが、その利用のほとんどが「ちょっとだけ覗いて帰る」というものであれば、なおさら2階トビックの価値が問われることになります。
2階トビックのようないわゆる「観光センター」は、戸田市に限らず、他の自治体においても、駅前などの好立地にあるにも関わらず閑散としているところが多いと思います。
「行政が観光センターを設置・運営する意義」という、そもそものところからの再考が必要かもしれません。
◎戸田市観光情報館トビック(戸田市公式サイト)
◇Facebookの元記事はこちら
[子育て]2016年10月7日(金)
9月議会の一般質問の報告⑥(最終回)です。
テーマは、「地域の子育て総合拠点(戸田市版ネウボラ)」です。
日本では、妊娠してから出産・子育ての間に、産婦人科や役所、保健センター、小児科、相談機関など、様々な場所に足を運ぶ必要がありますが、フィンランドでは、それらを「ネウボラ(=アドバイスの場)」が一貫して担います。
この「ネウボラ」が、フィンランドには“歩いて行ける距離”にあり、そこでは、すべての親子に対して担当の保健師または助産師(通称:ネウボラおばさん)が付き、妊娠期から子育て期の長い期間、個別のケアプランをもとに相談や支援を行ってくれます。
“歩いて行ける距離”にあるということは、移動手段の基本が徒歩である人間にとっては非常に大切なことです。
それにより、「ちょっとしたことでも相談できる」という安心感が生まれ、育児ストレスや子育て中に抱きがちな孤立感が軽減し、リスクの未然防止や早期支援につながります。
実際にフィンランドでは、このように「ネウボラ」を中心として“社会全体で子育てを支える”ことで、出生率の上昇や児童虐待死の減少に成功しています。
戸田市は、このネウボラをモデルとした「子育て相談ルーム」を、本年4月に福祉保健センターに初めて設置し、妊娠時(=母子手帳発行時)からの面談⇒相談⇒支援に取り組み始めました。
しかし、福祉保健センターの1施設のみでは、市全体の妊婦の1割程度にしか面談を行えていません。
そこで私は、市内各地域の公共施設である、戸田公園駅前行政センターと(2020年に機能替えを予定している)市内3館の福祉センターに、専門員の常駐する「子育て相談ルーム」と見守りスタッフの常駐する「親子ふれあい広場」を設置し、《相談支援機能+居場所機能》をあわせ持った「地域の子育て総合拠点(戸田市版ネウボラ)」としてはどうか、と提案しました。
答弁は、
「将来的には、戸田市においても複数個所の設置が望ましい。課題を整理しながら、設置拡大について検討していきたい。」
というものでした。
今後、子供を持つお母さん同士で交流できる場所が身近にあり(=居場所機能)、そこには、自分たち親子を妊娠期から把握してくれている専門員がいて、子育てに関する不安をいつでも相談でき、必要であれば支援につないでくれる(=相談支援機能)、という環境ができれば、戸田市での子育ては大きく変わります。
子育てを「つらいもの」にしてしまわないように、社会が子育てを支える時代だと思います。
なお、本件の一般質問のなかで、「地区担当保健師」の対応改善に関する提案も行いました。これについては、提案を受けてすぐに改善がなされたとのご報告を市内のお母さんから頂きました。(※詳細に関しては、以下の動画をご覧ください。)
◎戸田市議会録画放映(戸田市議会公式サイト)
◇Facebookの元記事はこちら