戸田市での課題解決が他自治体の住民福祉向上に役立っている

交通と自転車, 安全と防災, 議会と選挙, その他]2016年8月12日(金)

ちょっとティーブレイクです。

 

議事ロックス」という、知る人ぞ知るウェブサイトがあります。
全国の地方議会の(ネット公開されている)議事録から、ワードを一括検索できる無料サイトで、おそらく2か月程前にオープンしました。

 

「議事ロックス」の検索機能を試すついでに、私が過去に戸田市議会で提案した取り組みが、その後全国にどのくらい波及しているかを調査してみました。いわば政策エゴサーチです。

 

【調査①】前かごへの《自転車は左》プレート掲示

 

私が平成26年6月に提案し、戸田市が全国で初めて実現。その後、「第9回マニフェスト大賞」を受賞した取り組みです。

 

議事ロックスで調べた範囲では、その後、全国7市の議会で提案されたようです。

《自転車は左》プレート掲示が提案された議会

 

 

【調査②】土のうステーション

 

私が平成25年12月議会で提案し、戸田市が埼玉県内で初めて設置したものです。(戸田市内の設置個所は当初の7カ所から現在は10カ所に増加。)

 

議事ロックスで調べた範囲では、その後、県内10市町の議会で提案されたようです。

土のうステーションが提案された議会

 

私の知る範囲では、「組体操の見直し」や「自転車走行空間整備」なども他市に波及していますし、その他、直近の1年間に行った提言は今後拡がっていくと思います。

 

これらはすべて「戸田市の課題」を解決しようとするなかで生まれた提言ですが、それが結果として他自治体の住民福祉の向上に役立っているということは、とても嬉しく誇らしいことです。

 

 

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「社会全体で子育てを支える」とはこういうこと ~わこう版ネウボラ視察~

子育て]2016年8月11日(木)

今週火曜日は、和光市に伺い「わこう版ネウボラ」を視察しました。(私のほか4市議会との合同視察)

 

メディア等でもたびたび取り上げられ、国のモデルにもなった「わこう版ネウボラ」ですが、今回幸運にもその考案者である東内京一・保健福祉部長から直々にご説明を頂くことができました。

 

「社会全体で子育てを支える」とはまさにこういうことだと思いました。

 

子育てリスクの高い親を妊娠段階から見つけ、個別のケアプランを作成し、切れ目のない支援を行うことで、行政が自己肯定感を持てる子供の育成や親自身の自己実現をサポートしていくというもので、それが中学校区単位の地域ごとに実施されています。

 

来たる9月議会において、子育て世代包括支援に関する一般質問を行う予定ですが、そこでは、「わこう版ネウボラを戸田市でも!」と言い放つのではなく、「戸田市が抱える課題をいかに解決するか」という視点での提言を行う必要があると考えています。
議員としての力量が問われるところだと思います。

 

 

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障害者がそこらで“ふつうに働いている”社会になってほしい

福祉と医療]2016年8月9日(火)

働きたい障害者はたくさんいますが、働き口は足りていません。

 

戸田市も障害者に対して福祉的就労の場を提供はしていますが、公費負担があることから、そのような場を今後増やし続けるのには限界があります。

 

一方で、理由は様々ですが、障害者を雇いたいと考えている事業者がいます。

 

しかし、これまでの戸田市の障害者就労支援事業は、「自治体や支援機関がいかに働きたい障害者を支援するか」という視点に立ったものがほとんどで、「障害者を雇いたい事業主を働きたい障害者へいかに橋渡しするか」という視点は欠けていました。

 

私が昨年の6月議会の一般質問においてその課題を指摘した結果、本年3月に戸田市が、障害者就労支援の指針として初めて作成した「戸田市障害者就労プロセスマップ」は、自治体や支援機関向けの《支援者編》と、障害者を雇いたい事業者向けの《雇用主編》の2章立てとなりました。

 

プロセスマップの中身を確認すると、さすがに、これまでの蓄積がまとめられた《支援者編》に比べて《雇用主編》の内容は見劣りしますが、それでも、今後の障害者就労支援事業において「障害者を雇いたい事業者を活用する」という視点が加わったことは大きな一歩だと思います。

 

先日、相模原の障害者施設において大変痛ましい殺傷事件が発生しましたが、障害者を邪魔者扱いする社会ではなく、障害者もふつうに受け入れる社会であるべきです。
障害者がそこらのお店や会社で“ふつうに働いている”という社会に早くなってほしいです。

 

戸田市障害者就労プロセスマップ(戸田市公式サイト)

 

平成27年6月議会 一般質問 議事録 「障害者の就労支援について 」(真木大輔公式サイト)

 

 

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リフォームするCさんとBさん ~公共施設工事費の上限設定~

行財政改革]2016年8月8日(月)

例え話から入ります。

 

自宅をリフォームしたいAさんとBさんとCさんがいて、いずれも希望するリフォーム内容は同じであるとします。
また、リフォーム全体の費用には、設計事務所へ支払う「設計料」と工事業者へ支払う「工事費」が掛かるとします。
なお、設計事務所による設計のクオリティについては、事前には分からないとします。

 

●Aさんは、設計料が工事費の10%である設計事務所に設計を依頼し、その際に「希望するリフォーム内容」と「工事費予算300万円」を伝えました。
結果として、「設計料30万円+工事費300万円=330万円」で希望した通りのリフォームができました。

 

●Bさんは、設計料が工事費の8%というお得な設計事務所を探し、設計を依頼する際に「希望するリフォーム内容」と「工事費予算300万円」を伝えました。
結果として、「設計料24万円+工事費300万円=324万円」で希望した通りのリフォームができました。

 

●Cさんは、設計料が工事費の8%というお得な設計事務所を探し、設計を依頼する際に「希望するリフォーム内容」のみを伝えました。
結果として、「設計料40万円+工事費500万円=540万円」で希望した通りのリフォームができました。

 

私は、この状況において一番合理的な行動をとったのはBさんだと思います。
Cさんのことは「お金に余裕がある人」とは思います。ただ、もしかするとCさんのリフォームは、Cさんの希望だけでなく設計事務所のやりたいことも含まれた“過剰な”リフォームとなったために、費用が高くついてしまったという可能性も考えられます。

 

話を戻します。

 

戸田市はこれまでCさんでした。

 

昨年にオープンした「こどもの国」も「あいパル(上戸田地域交流センター)」も、それ以前に建てられた公共施設も、それらを建設するにあたって、一般競争入札でより安い設計業者を探したのは良いものの、工事費の上限は設定していなかったため、実際の工事費は、なかば“設計業者次第”となっていたわけです。
昨年に国内で問題となった新国立競技場と同じです。

 

私が一般質問において「工事費の上限設定」を提案したのは、昨年の9月議会です。
そして今月に入り、大型の入札案件が出てきました。
スポセン屋内プール整備と戸田東小中学校一体整備の設計委託業務です。

 

 

【業務名称】戸田市スポーツセンター屋内プール新築工事設計業務委託
【予定工事費】約8億円

 

【業務名称】戸田東小学校・戸田東中学校改築等工事設計業務委託
【予定工事費】約60億円(消費税10%・改修費・解体費・外構費含む)

 

どちらも設計委託業務の一般競争入札ですが、この段階からあらかじめ工事費の上限が示されています。

 

戸田市はようやくBさんになりました。
Bさん一家が、リフォームの設計を依頼する前に、家族の希望を募るだけでなく家計も考慮してリフォーム工事の予算を決めたように、戸田市も、設計委託業務の入札を実施する前に、施設の担当課(文化スポーツ課や教育委員会)と資産管理課、財政課などで協議し、工事費の上限を決定したとのことです。

 

近年、市の財政悪化を背景に行政サービスの市民負担が増えていますが、これでもし戸田市がCさんのままだったら、市民からの理解はより得づらいものとなったのではないかと思います。

 

平成27年9月議会 一般質問 議事録「公共施設の建設費や維持管理費の節減について」(真木大輔公式サイト)

 

 

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「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」一部改訂と戸田市の状況

交通と自転車]2016年8月7日(日)

このところ、他自治体の議員や市民の方から、「わが市でも自転車走行空間の整備を進めたい」というご相談を頂きます。
先日は、日経新聞(7/29朝刊)で報道された「国の自転車ガイドライン改訂」と戸田市の状況に関してのお問い合わせがありましたので、やや専門的な内容になりますが、こちらでみなさんにもご報告しておきます。

 

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平成24年11月に国交省と警察庁により策定された「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」は、主に自転車走行空間の整備について定めたもので、本年7月19日に一部改訂がなされました。

 

以下では、今回の一部改訂の主なポイントを(新聞報道では触れられていないものも含めて)5つ挙げ、それぞれの概要と併せて戸田市の状況についてもご説明します。

 

ただ、一言でいえば、「改定される前から戸田市は大丈夫」です。

 

【ポイント①】段階的なネットワーク計画策定

 

自転車走行空間を単発的に整備していくのではなく、これからは、重点的なエリア毎に計画を策定&整備し、最終的にそれらのエリアを繋いでいくことで、広域の自転車ネットワークを整備しよう、というものです。

 

戸田市では、ガイドライン改訂前から、ほぼ同様の整備を進めています。具体的には、自転車通行量の多い「イオン・南陵高校付近」「市役所南通り」を重点エリアとし、優先的な整備を進めています。(ただし、戸田第二小学校前の自転車走行空間だけは単発的です。)

 

【ポイント②】暫定形態の積極的な活用

 

クルマの通行量が多い道路における自転車走行空間としては、「自転車道(=車道とも歩道とも縁石などで仕切られた自転車走行空間)」や「自転車レーン」が完成形態とされますが、現状においてそれらの整備が困難な道路でも、「車道上の矢羽根」などの暫定形態の自転車走行空間を積極的に整備しよう、というものです。

 

戸田市では、ガイドライン改訂以前より暫定形態の活用が進められています。イオン前の道路や南陵高校前の道路における「車道上の矢羽根」がその例です。(※下部リンク記事参照)

 

【ポイント③】路面標示の統一


これまでは、自転車レーン上の矢印や、交差点上の矢羽根、自転車ナビマークなどの形状や設置間隔が自治体によってバラバラでしたが、これからは、全国統一の仕様とし、より分かりやすくかつ安全なものしよう、というものです

 

戸田市でも、今後は全国統一の仕様が順次導入されていくと思われますが、既に、昨年3月議会の一般質問で私が提言し本年3月に戸田公園駅前に試験的に導入された自転車ナビマークには、ガイドライン改訂に先立ち全国統一の仕様が採用されています。(※下部リンク記事参照
なお、側溝蓋(グレーチング)については、私が以前に担当課に要望して以降、自転車のタイヤがはまらないような目の細かいものが導入され、これも今回のガイドラインが提示する仕様を満たしています。(※下部リンク記事参照)

 

【ポイント④】色分け自歩道を除外

 

これまでは、自転車走行空間の暫定形態として「色分け自歩道(=広い歩道を歩行者部分と自転車部分に色分けしたもの)」も可とされてきましたが、今回の改訂では、その整備形態が暫定形態から除外されました。

 

戸田市でこのような整備が行われないよう、私は以前から議会で「歩道ではなく車道に整備すべき」と牽制し続け、担当課からの理解も頂いていましたが、ようやく今回のガイドライン改訂により、「色分け自歩道」が望ましくない整備形態と認められました。

 

ところで、以前にこちらで指摘した蕨市の「色分け自歩道」(※下部リンク記事参照)は、今後も整備延長が伸びていく予定とのことでしたが、一体これからどうするのでしょうか?

 

【ポイント⑤】自転車道の一方通行化

 

これまでは、「自転車道(=車道とも歩道とも縁石などで仕切られた自転車走行空間)」の双方向通行が認められていました。

双方向通行の自転車道は、一方通行の自転車道と比べて、自転車にとっての利便性は高いものの、交差点上でのクルマとの出会い頭事故が招かれやすい、自転車同士の対面衝突が起こりやすいなどの課題があります。
今回のガイドライン改訂では、安全面が考慮された結果、完成形態としては「一方通行の自転車道」が基本となりました。

 

戸田市内にはいまだ「自転車道」はありませんが、今後は国道298号(外環)などで整備される可能性があります
今回のガイドライン改訂は、その整備にも影響を与えます

 

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なお、日経新聞の報道は7月29日ですが、私はすでにガイドライン改訂の翌日(20日)には戸田市の担当課と情報共有を行っており、さらに言えば、今回のガイドライン改訂の元となった有識者による提言書についても以前から情報共有しています。

 

自転車レーン表示統一 車道走行促し、事故減少狙う 国交省・警察庁(日本経済新聞)※無料会員登録が必要

 

安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインの一部改定について(国土交通省)

 

本来あるべき道路シェアの形 ~戸田市の自転車走行空間整備~ 2016/2/22(真木大輔公式ブログ)

 

「生活道路への自転車ナビマーク設置」が実現しました 2016/3/28(真木大輔公式ブログ)

 

自転車レーンのグレーチング(=側溝蓋)を目の細かいものに交換 2014/11/10(真木大輔公式ブログ)

 

蕨市のあまりにも酷い「色分け自歩道」 2016/6/8(真木大輔公式ブログ)

 

 

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