[議会と選挙]2016年7月10日(日)
本日7月10日(日)は、「第24回 参議院議員通常選挙」の投票日です。
それらしい理由を並べて選挙に行かない人が多くいるなか、支持する政策や選挙に対する関心に違いはあっても、投票をすることはそれだけで尊いことだと思います。
私からはひとつだけ。
「誰に(どこに)投票したかを6年間忘れないでください」
以下、今回の参院選に関する最小限の情報です。
《投票時間》
午前7時~午後8時
《投票場所》
郵送された投票所入場券に記された投票所
《投票方法》
・埼玉県選挙区(立候補者数7,改選数3,任期6年)は「候補者氏名を1つ記入」
・全国比例区(立候補者数164,改選数48,任期6年)は「候補者氏名または政党名を1つ記入」
《選挙公報》
・埼玉県選挙区(全2ページ)
・全国比例区(全7ページ)
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[まちづくり, 生活と環境]2016年7月9日(土)
戸田市は、「住工混在」の問題を抱えるまちです。
「住工混在」とは、多くの場合、もともとは工場が立ち並んでいた地域において、工場が移転した跡地に建て売り住戸やマンションなどが建てられることにより、工場と住居とが混在した状態になることです。
住民から「騒音や臭気、振動、道路の安全」などの苦情が上がっても、工場からすれば「工場の多い地域にあとから入ってきたのはそっち」との言い分があり、問題の解決は簡単でありません。
住工混在が生じてしまう背景には、「用途地域」の区分の課題があります。
用途地域は土地利用の制限を定めるもので、その区分は、住宅地としての「第一種住居地域」や「第一種低層住居専用地域」など、商業地としての「商業地域」や「近隣商業地域」、工業地としての「工業地域」や「準工業地域」など、全部で12種類あります。(下図参照)
▲総務省「みらいに向けたまちづくりのために」より引用
実際に、戸田市の工場が多い地域はすべて「工業地域」か「準工業地域」のどちらかに指定されているのですが、その「工業地域」と「準工業地域」において住宅を建てることに対する規制はありません。
(唯一、住宅を建てることが認められていない用途地域の区分として「工業専用地域」がありますが、それは石油コンビナートや製鉄所が立ち並ぶような地域です。)
したがって、例えば「工業地域」に指定された地域で、ある工場が移転した場合に、その土地の所有者が土地を住宅デベロッパーに売ることも可能であり、するとそこには建て売り住戸やマンションが建ち、住工混在が発生してしまいます。
実際に私も、市内で工場を経営されている方から、住工混在に関するご意見をかねてより頂いています。
戸田市は、市の抱える住工混在の問題を解決すべく、「戸田市土地利用調整方針(案)」を作成し、7月1日からパブリック・コメント(意見募集)を開始しました。
土地利用調整方針の詳細については以下のリンクから確認していただくとして、ここでは、戸田市が(方針が正式に策定された後に)取り組む主要な施策を説明します。【画像参照】
①立地適正化計画の策定
高齢化と人口減少への対策として、公共施設や民間施設の立地の誘導、公共交通などの充実を図り、まちをコンパクトにするための都市計画です。戸田市は、来年度から3年間を掛けて計画を策定します。(以前にこちらでも取り上げています。以下リンク参照。)
②モデル地区における取り組み
住工混在の問題が顕在化し始めている地区をモデル地区に選定し、そこで、
(1)既存の用途地域を強化するために、市独自の用途地域である「特別用途地区」(文教地区もその一例)を指定する。
(2)より細かな規制をかけるために、住民の合意に基づく「地区計画」(例:まちづくり協定)を策定する。
といった取り組みを進めていきます。
③大規模土地利用転換の調整制度
戸田市のまちづくりにおいて望ましくない大規模な土地利用転換が行われる場合に、これまでは事業者に対して口頭ベースでのお願いしかできなかったものが、今後はしっかりとした制度のもとで事業者と調整し、土地利用を誘導できるような仕組みづくりを進めていきます。
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議会においても、たびたび住工混在の問題は指摘されていましたが、決定的な方策が見出せていなかったなかで、行政のほうからこのような方針が打ち出されたことは大いに評価できると思います。
そして私としては、(担当課にも要望しましたが、)上記②のモデル地区には、住工混在の問題がすでに顕在化している“課題の多い地区”を選定していただけることを期待したいと思います。
◎戸田市土地利用調整方針(案)パブリック・コメント(戸田市公式サイト)
◎戸田市が進めるコンパクトなまちづくり ~立地適正化計画~(真木大輔公式ブログ)
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[交通と自転車]2016年7月7日(木)
先日こちらで問題提起し、Facebookとtwitterでかなりの反響があった「戸田駅西口ロータリー(※ラウンドアバウトではない)」に関して、ちょっとしたご報告です。
まず、道路管理者である「戸田市」には、路面標示や注意喚起看板などの視認性向上に努めていただくとして、「県警」にも何か改善を図ってもらえないものかと、このところ思案していました。
西口ロータリーの供用開始から1年間で1,000件もの検挙を行っている県警が、そもそもはあの場所に一時停止を設置したわけで、であるならば、「県警がまず行うべきは取り締まりではなく周知や指導であろう」と、私だけでなく多くの市民が感じているところです。
ただし、県警に取り締まりをやめてもらうことは、事実上不可能です。
そこで、私が目を付けたのが「運転免許証の更新時講習」です。
免許を更新する方のうち、70歳未満の優良運転者と一般運転者、および70歳以上の運転者は、鴻巣の運転免許センターだけでなく警察署でも「更新時講習」を受けることができます。
戸田市と蕨市を管轄する蕨警察署で更新時講習を受ける方々は、戸田駅西口ロータリーをクルマで通行する機会のある方々であると想定されます。
その更新時講習では、直近の道路交通法の改正についての説明があり、ラウンドアバウトの交通方法も取り上げられるのですが、そのなかで、
「ただし、戸田駅西口のロータリーはラウンドアバウトではなく、一時停止が必要。」
との一言が付け加えられるだけで、一定の周知効果が見込めるのではないかと考えました。
さっそく、蕨警察署の担当課に電話で要望したところ、最終的には、
「更新時講習はとだわらび交通安全協会に委託している。講習内容は講師の裁量に任せており警察としては把握していないが、要望の内容については、講習のなかで地域特有の事項として説明してもらうことは可能と考える。要望があったことは局長へ確実に伝える。」
との回答を頂きました。
回答の中で出た「交通安全協会」と警察との関係については、いくつか言及したいことがあるのですが、ここでは割愛し、まずは更新時講習の内容が改善されることを期待したいと思います。
◎検挙多発の戸田駅西口ロータリーは「ラウンドアバウト」ではない(真木大輔公式ブログ)
※掲載画像引用元
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[教育]2016年7月2日(土)
さて、ここで問題です。
《説明文》(←中学校の地理の教科書から引用)
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アメリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。
《問題文》
オセアニアに広がっているのは( )である。
①ヒンドゥー教
②キリスト教
③イスラム教
④仏教
人はこの問題をどのように解くのか、3つのタイプに分けてみます。
【タイプ1】真面目タイプ
このタイプは、説明文を精読してから問題に答えます。
どういうことかと言うと、
●仏教・・・東南アジア、東アジア
●キリスト教・・・ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニア
●イスラム教・・・北アメリカ、西アジア、中央アジア、東南アジア
という分布があることをきっちり頭に入れたうえで、問題文が問うている「オセアニアに広がっている宗教」に答えます。
このタイプは、正解はできるものの、解答するまでに時間がかかります。それは、解答するのに不必要な情報(イスラム教の分布など)まで頭に入れているからです。
【タイプ2】優秀タイプ
このタイプは、説明文を大まかに把握したうえで問題にあたります。
どういうことかと言うと、
「いくつかの宗教が、それぞれ複数の地域に分布している」という説明文の主旨を理解したうえで、問題文が「オセアニアに広がっている宗教」を問うていることを確認し、もう一度説明文に戻って解答を得ます。
このタイプは、最短で正解に辿り着くことができ、また、解答するうえで不要な情報を頭に入れることもありません。
【タイプ3】誤答タイプ
このタイプは、そもそも、説明文の意味を理解することができません。ということは、問題文で何を問うているかすら理解できていません。
そうなると、解答として、とりあえず説明文の文頭にあって目立つ「仏教」や、もしくは問題文の「オセアニア」という単語に隣接する「イスラム教」を選ぶなどの行動をとることになります。(もちろん、偶然に正解を選ぶこともあり得ます。)
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さて、私の(文章ばかりの)投稿を読んでくださっているみなさんのことですから、正解が「②キリスト教」であることはお分かりだと思います。
では、日本の一般的な中学生(2年生~3年生)はどうか。
以下の解答結果をご覧ください。
①ヒンドゥー教 0%
②キリスト教 53%(←正解)
③イスラム教 12%
④仏教 35%
つまり、「中学生の半分は文章を読めていない」ということです。
この事実自体は目新しいものではなく、私が予備校講師を務めていたとき、何人もの数学講師から、「数学を解く以前に、まず問題文が読めていない。」との嘆きを耳にしていました。
ただ、今回の問題文が中学校の教科書から引用されたものであることから、「少なくとも中学生の半分は教科書を読めていない」ということがこの調査から明らかになったわけで、これはかなり衝撃的です。
話は変わり、みなさんは「東ロボくん」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトによって開発された人工知能ロボットで、プロジェクト開始から4年余りで、すでに大学受験模試で上位2割の成績を収めるにまで至っています。
この人工知能は、暗記や統計的処理、検索、データの最適化などを行うことには長けているものの、「文章の意味を理解する」ことは苦手です。
大学受験模試で(平均より多くの)問題が解けるのは、説明文や問題文を理解しているからではなく、問題文から導かれる正解の傾向を統計的に把握しているからに過ぎません。
では何故、文章が読めない東ロボくんに多くの受験生が負けてしまうのか。
それは、「受験生も文章を理解できていない」からです。
つまり、東ロボくんに負けた受験生は、文章が読めないという点では人工知能と同じだが人工知能ほどの分析能力は持っていなかった、ということです。
将来、人工知能(artificial intelligence、AI)が人間から多くの職業を奪うと予測されていることに対しては、教育界でも懸念が示されていますが、では人間にできることは何かとなると、現時点でまず言えることは、「文章を理解できるようにする」ということです。
以上、長い前ふりでした。
東ロボくんの開発を進めている国立情報研究所では、今年度から、日本で初めてとなる「文章を読める力(=リーディング・スキル)」に関する研究を本格的に実施します。
そして、その研究のパートナーとなるのが、戸田市です。
先月に開催された戸田市教育委員会定例会において、「リーディング・スキル」の調査・育成事業に関する報告があり、その報告によると、この事業を実施することに対する戸田市校長会の反応はとても良かったとのことです。
校長先生方のなかにも、子供たちが文章が読めていないという認識があるのかもしれません。
さらに、私が見る限り、大人であってもリーディング・スキルの欠如した方はいます。
リーディング・スキルが無ければ、人の言っていることをきちんと理解することができず、それは仕事をするうえでも支障になります。
逆に、リーディング・スキルさえあれば、どんな仕事であっても、うまく人と協調しながら、ある程度はこなせます。
国も注目しているリーディング・スキルは、日本の公教育のみならず、塾や予備校・一般企業の人事担当など、教育に携わる多くの方にとっての大きな関心事となる可能性を持っています。
その研究の最先端に戸田市がいることは素晴らしいことです。
そして、この調査からどのような結果が出て、それに対してどのような教育手法が考案されるのか、私自身がとてもワクワクしています。
◎AIで変わる大学教育 学生の読解力こそ重要 (日本経済新聞) ※無料会員登録が必要
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[行財政改革, 福祉と医療]2016年7月1日(金)
6月議会で行った一般質問の報告の最後は、「生活保護医療費とこども医療費の適正化」についてです。
生活保護医療とこども医療は、「無料」で受診できます。
もちろん、医療機関が無料で診療してあげているわけではなく、そこには医療費が発生しています。
その医療費は、生活保護医療の場合は、「約3/4」が国の税金で、残りの「約1/4」が戸田市の税金で賄われています。
こども医療の場合は、本来の自己負担分である「2割or3割」が戸田市の税金で賄われています。
これは、市民にとっては「無料で受診できる」、医療機関にとっては「医療費は国や市が払ってくれる」という構造になっており、そのどちら側にも「医療費を抑えよう」という動機は働きくいです。
実際に、市民の方からは、「医者が子供に薬をあげすぎる」「子供が軽い症状なのにも関わらずまたすぐ来るよう言われる」「生活保護の人を食い物している医療機関がある」などのご意見を頂きます。
戸田市では、それらにかかる歳出が増加の一途を辿っており、直近では、戸田市負担分の合計額が、「約10億円(平成26年度)⇒約11億円(平成27年度)」と、1年間で「約1億円」も増加しています。【掲載画像】
議場では、戸田市がこれまで正面から取り組んでこなかったこの問題に対して、今後は医療費の適正化を図っていくよう求めたところ、積極的な答弁を得ることができました。
以下は、先進自治体において医療費適正化の効果が認められている方策です。戸田市でも、このような取り組みが進められていくのではないかと思います。
《生活保護医療》
●診療報酬明細(レセプト)を基にした詳細な医療費分析
●重複受診・重複処方・頻回受診の是正
●ジェネリック医薬品の推進
●健康診査の受診率向上
《こども医療》
●医療費分析
●税金で成り立っていることを意識してもらう啓発
●本来の自己負担額を明示した明細書発行
●ジェネリック医薬品の推進
予算規模500億円の戸田市にとって、歳出が年間で1億円も増加する事業は看過できるものではありません。
財務部長の答弁にあった通り、今後は、「全庁的な課題として」医療費の適正化に取り組んでいただけることを願います。
※今回は、議場でのやり取りをうまくまとめられなかったので、ご関心のある方は、ぜひ録画映像をご覧ください。この投稿を読むよりは面白いと思います。
→録画映像はこちら
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