[交通と自転車]2016年7月7日(木)
先日こちらで問題提起し、Facebookとtwitterでかなりの反響があった「戸田駅西口ロータリー(※ラウンドアバウトではない)」に関して、ちょっとしたご報告です。
まず、道路管理者である「戸田市」には、路面標示や注意喚起看板などの視認性向上に努めていただくとして、「県警」にも何か改善を図ってもらえないものかと、このところ思案していました。
西口ロータリーの供用開始から1年間で1,000件もの検挙を行っている県警が、そもそもはあの場所に一時停止を設置したわけで、であるならば、「県警がまず行うべきは取り締まりではなく周知や指導であろう」と、私だけでなく多くの市民が感じているところです。
ただし、県警に取り締まりをやめてもらうことは、事実上不可能です。
そこで、私が目を付けたのが「運転免許証の更新時講習」です。
免許を更新する方のうち、70歳未満の優良運転者と一般運転者、および70歳以上の運転者は、鴻巣の運転免許センターだけでなく警察署でも「更新時講習」を受けることができます。
戸田市と蕨市を管轄する蕨警察署で更新時講習を受ける方々は、戸田駅西口ロータリーをクルマで通行する機会のある方々であると想定されます。
その更新時講習では、直近の道路交通法の改正についての説明があり、ラウンドアバウトの交通方法も取り上げられるのですが、そのなかで、
「ただし、戸田駅西口のロータリーはラウンドアバウトではなく、一時停止が必要。」
との一言が付け加えられるだけで、一定の周知効果が見込めるのではないかと考えました。
さっそく、蕨警察署の担当課に電話で要望したところ、最終的には、
「更新時講習はとだわらび交通安全協会に委託している。講習内容は講師の裁量に任せており警察としては把握していないが、要望の内容については、講習のなかで地域特有の事項として説明してもらうことは可能と考える。要望があったことは局長へ確実に伝える。」
との回答を頂きました。
回答の中で出た「交通安全協会」と警察との関係については、いくつか言及したいことがあるのですが、ここでは割愛し、まずは更新時講習の内容が改善されることを期待したいと思います。
◎検挙多発の戸田駅西口ロータリーは「ラウンドアバウト」ではない(真木大輔公式ブログ)
※掲載画像引用元
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[教育]2016年7月2日(土)
さて、ここで問題です。
《説明文》(←中学校の地理の教科書から引用)
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アメリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。
《問題文》
オセアニアに広がっているのは( )である。
①ヒンドゥー教
②キリスト教
③イスラム教
④仏教
人はこの問題をどのように解くのか、3つのタイプに分けてみます。
【タイプ1】真面目タイプ
このタイプは、説明文を精読してから問題に答えます。
どういうことかと言うと、
●仏教・・・東南アジア、東アジア
●キリスト教・・・ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニア
●イスラム教・・・北アメリカ、西アジア、中央アジア、東南アジア
という分布があることをきっちり頭に入れたうえで、問題文が問うている「オセアニアに広がっている宗教」に答えます。
このタイプは、正解はできるものの、解答するまでに時間がかかります。それは、解答するのに不必要な情報(イスラム教の分布など)まで頭に入れているからです。
【タイプ2】優秀タイプ
このタイプは、説明文を大まかに把握したうえで問題にあたります。
どういうことかと言うと、
「いくつかの宗教が、それぞれ複数の地域に分布している」という説明文の主旨を理解したうえで、問題文が「オセアニアに広がっている宗教」を問うていることを確認し、もう一度説明文に戻って解答を得ます。
このタイプは、最短で正解に辿り着くことができ、また、解答するうえで不要な情報を頭に入れることもありません。
【タイプ3】誤答タイプ
このタイプは、そもそも、説明文の意味を理解することができません。ということは、問題文で何を問うているかすら理解できていません。
そうなると、解答として、とりあえず説明文の文頭にあって目立つ「仏教」や、もしくは問題文の「オセアニア」という単語に隣接する「イスラム教」を選ぶなどの行動をとることになります。(もちろん、偶然に正解を選ぶこともあり得ます。)
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さて、私の(文章ばかりの)投稿を読んでくださっているみなさんのことですから、正解が「②キリスト教」であることはお分かりだと思います。
では、日本の一般的な中学生(2年生~3年生)はどうか。
以下の解答結果をご覧ください。
①ヒンドゥー教 0%
②キリスト教 53%(←正解)
③イスラム教 12%
④仏教 35%
つまり、「中学生の半分は文章を読めていない」ということです。
この事実自体は目新しいものではなく、私が予備校講師を務めていたとき、何人もの数学講師から、「数学を解く以前に、まず問題文が読めていない。」との嘆きを耳にしていました。
ただ、今回の問題文が中学校の教科書から引用されたものであることから、「少なくとも中学生の半分は教科書を読めていない」ということがこの調査から明らかになったわけで、これはかなり衝撃的です。
話は変わり、みなさんは「東ロボくん」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトによって開発された人工知能ロボットで、プロジェクト開始から4年余りで、すでに大学受験模試で上位2割の成績を収めるにまで至っています。
この人工知能は、暗記や統計的処理、検索、データの最適化などを行うことには長けているものの、「文章の意味を理解する」ことは苦手です。
大学受験模試で(平均より多くの)問題が解けるのは、説明文や問題文を理解しているからではなく、問題文から導かれる正解の傾向を統計的に把握しているからに過ぎません。
では何故、文章が読めない東ロボくんに多くの受験生が負けてしまうのか。
それは、「受験生も文章を理解できていない」からです。
つまり、東ロボくんに負けた受験生は、文章が読めないという点では人工知能と同じだが人工知能ほどの分析能力は持っていなかった、ということです。
将来、人工知能(artificial intelligence、AI)が人間から多くの職業を奪うと予測されていることに対しては、教育界でも懸念が示されていますが、では人間にできることは何かとなると、現時点でまず言えることは、「文章を理解できるようにする」ということです。
以上、長い前ふりでした。
東ロボくんの開発を進めている国立情報研究所では、今年度から、日本で初めてとなる「文章を読める力(=リーディング・スキル)」に関する研究を本格的に実施します。
そして、その研究のパートナーとなるのが、戸田市です。
先月に開催された戸田市教育委員会定例会において、「リーディング・スキル」の調査・育成事業に関する報告があり、その報告によると、この事業を実施することに対する戸田市校長会の反応はとても良かったとのことです。
校長先生方のなかにも、子供たちが文章が読めていないという認識があるのかもしれません。
さらに、私が見る限り、大人であってもリーディング・スキルの欠如した方はいます。
リーディング・スキルが無ければ、人の言っていることをきちんと理解することができず、それは仕事をするうえでも支障になります。
逆に、リーディング・スキルさえあれば、どんな仕事であっても、うまく人と協調しながら、ある程度はこなせます。
国も注目しているリーディング・スキルは、日本の公教育のみならず、塾や予備校・一般企業の人事担当など、教育に携わる多くの方にとっての大きな関心事となる可能性を持っています。
その研究の最先端に戸田市がいることは素晴らしいことです。
そして、この調査からどのような結果が出て、それに対してどのような教育手法が考案されるのか、私自身がとてもワクワクしています。
◎AIで変わる大学教育 学生の読解力こそ重要 (日本経済新聞) ※無料会員登録が必要
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[行財政改革, 福祉と医療]2016年7月1日(金)
6月議会で行った一般質問の報告の最後は、「生活保護医療費とこども医療費の適正化」についてです。
生活保護医療とこども医療は、「無料」で受診できます。
もちろん、医療機関が無料で診療してあげているわけではなく、そこには医療費が発生しています。
その医療費は、生活保護医療の場合は、「約3/4」が国の税金で、残りの「約1/4」が戸田市の税金で賄われています。
こども医療の場合は、本来の自己負担分である「2割or3割」が戸田市の税金で賄われています。
これは、市民にとっては「無料で受診できる」、医療機関にとっては「医療費は国や市が払ってくれる」という構造になっており、そのどちら側にも「医療費を抑えよう」という動機は働きくいです。
実際に、市民の方からは、「医者が子供に薬をあげすぎる」「子供が軽い症状なのにも関わらずまたすぐ来るよう言われる」「生活保護の人を食い物している医療機関がある」などのご意見を頂きます。
戸田市では、それらにかかる歳出が増加の一途を辿っており、直近では、戸田市負担分の合計額が、「約10億円(平成26年度)⇒約11億円(平成27年度)」と、1年間で「約1億円」も増加しています。【掲載画像】
議場では、戸田市がこれまで正面から取り組んでこなかったこの問題に対して、今後は医療費の適正化を図っていくよう求めたところ、積極的な答弁を得ることができました。
以下は、先進自治体において医療費適正化の効果が認められている方策です。戸田市でも、このような取り組みが進められていくのではないかと思います。
《生活保護医療》
●診療報酬明細(レセプト)を基にした詳細な医療費分析
●重複受診・重複処方・頻回受診の是正
●ジェネリック医薬品の推進
●健康診査の受診率向上
《こども医療》
●医療費分析
●税金で成り立っていることを意識してもらう啓発
●本来の自己負担額を明示した明細書発行
●ジェネリック医薬品の推進
予算規模500億円の戸田市にとって、歳出が年間で1億円も増加する事業は看過できるものではありません。
財務部長の答弁にあった通り、今後は、「全庁的な課題として」医療費の適正化に取り組んでいただけることを願います。
※今回は、議場でのやり取りをうまくまとめられなかったので、ご関心のある方は、ぜひ録画映像をご覧ください。この投稿を読むよりは面白いと思います。
→録画映像はこちら
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[子育て]2016年6月29日(水)
6月議会で行った一般質問のご報告その2です。
テーマは「一時保育の福祉的理由による優先利用」です。
まず「一時保育」とは、普段は保育園に子供を預けていないお母さんが、1日2000円で子供を保育園に預けられる事業です。
今回私が問題提起したのは、一時保育の利用理由のうち、「(母親の)急病」「(母親の)事故」「入院した親族の看病」などの福祉的な利用理由が、その他の「パート就労」「行事参加」「リフレッシュ」などの利用理由と等しく扱われてしまっていることです。
一時保育のニーズは高く、時期によっては、約一か月前の予約開始日にほとんどの枠が埋まってしまいます。
そうなると、仮に、予約開始日以降にお母さんが急病に見舞われてしまった場合、一時保育では受け入れてもらえず、お父さんが仕事に行っている日中、体調の悪いなかで子供の面倒を見ることになってしまいます。
これが共働きのお母さんの場合であれば、急病になった場合でも、子供は保育園に預けて、ご自身は仕事を休んで自宅で療養することができます。
普段自宅で子育てをしてくれている専業主婦のお母さん方に対して、万が一の状況になった場合に子供を預かってあげるくらいのことは行政としてすべきであり、そこで
「福祉的な理由による一時保育の利用を、優先的に受け入れてはどうか?」
と提案したところ、
「受け入れ枠が限られている現状において優先枠を確保することは難しいが、各保育園で連携することで可能な限り受け入れる体制を検討する。」
との答弁を得ることができました。
また併せて、一時保育の限られた受け入れ枠を活用すべく、少なくない当日キャンセルや無断キャンセルについて、
「キャンセル料を徴収するもしくは次回以降の利用を制限するなど、キャンセルの扱いを明確化してはどうか?」
との提案も行い、それに対しては、
「他市の状況を参考に検討し、対応が決まり次第、一時保育のしおりに明記する。」
との答弁を得ました。
なお、私が一時保育を一般質問で取り上げたのは、平成26年3月議会に続いて2回目で、そのときに行った提案の一部は、その後、「一時保育の土曜日実施」「予約状況の2か月分公開」「申し込み手続きの簡略化」「利用枠の柔軟な運用」として反映されています。
利用者である地域のお母さん方の声によって、戸田市の一時保育が、より使いやすく、そしてより安心しながら子育てするための制度へと改善されていくことは素晴らしいことです。
録画映像はこちら(戸田市議会公式サイト)
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[教育, 子育て, 議会と選挙]2016年6月28日(火)
昨日、6月議会が閉会しました。
議会での審議内容については、8月1日の発行に向けて鋭意編集中の『とだ議会だより』をご覧いただければと思いますが、こちらでもトピックをいくつかご報告しておきます。
①東小・東中の建て替え設計
隣接している戸田東小学校と戸田東中学校の老朽化が進んでおり、それらを一体的に建て替えるための設計費の補正予算です。
結果的には賛成多数で可決されましたが、反対側からも賛成側からも「こんな大きなことなのに、議会への事前説明が無かったことは遺憾。」という意見が出されました。
私の見解は、「隣り合っている小中学校を一つに建て替えることに大いに賛成。小中一貫化や学区などの運用面に関しては、今後議会や地元としっかり協議を。」です。
②待機児童急増にともなう意見書提出
戸田市の待機児童数が「昨年34名⇒今年106名(埼玉県内最多)」と急増したことから、戸田市に「待機児童緊急対策本部」が設置されました。
戸田市としては保育園を増やしたくても、このところ民間保育園がなかなか参入してくれません。
そこで、議会として、国に対して意見書を提出しました。
意見書の内容をざっくりと説明すると、「戸田市の保育園に対する国からの補助金率は、近隣市よりも圧倒的に少なく、それが戸田市への民間保育園参入の障壁となっている。補助金率の見直しを!」というものです。
なお、民間保育所の新規整備に対してこれまでは戸田市からも補助金を出していたのですが、歳出削減の一環として昨年度からそれを廃止したことも、民間保育園参入のさらなる障壁になっていると思います。
「待機児童緊急対策本部」では、このあたりの補助金についての対応も検討されると思います。
③議場への国旗と市旗の掲揚
「戸田市議会の議場に国旗と市旗を掲揚すべき」という市民からの請願が議会に提出され、賛成多数で採択されました。
かねてから国旗の掲揚に反対されている会派がいらっしゃいますが、私からすれば、民間企業が社旗を掲揚するように、地方議会が国旗と市旗を掲揚することは当たり前のことだと思います。
④戸田市名誉市民
昨年10月に「戸田市名誉市民条例」が施行されて初めて、市長から名誉市民選定案が議会に提出され、一部の退席者を除く賛成により同意されました。
戸田市名誉市民第一号は、戸田中央医科グループ会長の「中村隆俊氏」です。
戸田市の発表によると、選定の理由は、
「長年にわたり、戸田市民から厚い信頼を得て、本市の医療・福祉・保健分野に多大な貢献をした功績に加え、スポーツ分野(ボート、ソフトボール、ラグビー)、環境分野(花と緑のまちづくり)、防犯分野(蕨・戸田警察官友の会・わっとパトロール)、雇用分野(グループ内雇用)、社会奉仕分野(戸田ロータリークラブ・献血運動)など、様々な分野において本市の発展に積極的に寄与された功績が認められたため。」
とのことです。
以下に掲載した画像は、今議会での議員別採決状況です。
◎平成28年第3回定例会の概要と議員別採決状況及び議決結果一覧を掲載しました(戸田市議会公式サイト)
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