「就職のために」ではなく「就職に向けて」大学で手に職を付ける
[教育]2014年10月23日(木)
教育先進国とされるフィンランドでは、高校から「学問コース」と「職業コース」とに分かれ、またそれぞれのコースに大学が用意されています。(※一部、大まかな表現をしています。)
今月から文科省により、「職業コース」の大学を日本に作るための審議会が始まりました。
「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」です。
審議委員から提出された資料が、やや過激ですが面白いです。
(以下、抜粋)
●Gの世界(グローバル経済圏)とLの世界(ローカル経済圏)
●Lの大学の職業大学化⇒Lの労働生産性(≒賃金)向上⇒Lの労働力不足解消⇒社会全体の生産性・効率性(≒賃金と安定雇用)の改善
●教員の選定方法:
・民間企業の「実務経験者」から選抜
・文系の学問ライン(Lの大学には従来の文系学部はほとんど不要)の教授には、辞めてもらうか、職業訓練教員としての訓練・再教育を受けてもらう
・理系の学問ラインでGの世界で通用する見込みのなくなった教授も同様
●経営・経済学部では、「マイケルポーター、戦略論」ではなく「簿記・会計、弥生会計ソフトの使い方」を
私も、この考えに同意します。
いまの時代、大学生の全員が「学問」をするために入学しているわけではなく、就職の前段階として入学している人も多いと思います。
身の入らない学問を(単位上で)修めるために通うよりは、社会に出て必要となる実務スキルを学ぶ方が、学生にとっても社会にとっても有意義だと思います。(資料で述べられているように、それによって会社の新入社員育成コストの節約にもなります。)
子供に「就職のためにとりあえず大学に行っとけ」と言う代わりに、「就職に向けて大学で手に職を付けろ」(or「学問がやりたいなら大学に行け」)と言えるようになるわけです。
実際にフィンランドでは、「学問コース」よりも「職業コース」が人気とのことで、「学問コース」の大学を出て会社に勤めた人よりも、「職業コース」の大学を出た人の賃金の方が高い例もあるようです。
今後の制度化が非常に楽しみです。
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