日本財団による「子供の貧困支援」の第1号拠点が戸田市に開設されます

教育, 福祉と医療]2016年5月24日(火)

24日の埼玉新聞【上掲画像】や毎日新聞などで報道された通り、日本財団が「貧困の連鎖」から子供達を救い出すための拠点を、本年11月頃に戸田市で開設します。

 

「日本財団」とは、競艇の収益金からの交付金(ボートレースの売上金の約2.7%)をもとに慈善事業を行う公益財団法人で、先日は、熊本地震の被災地に93億円(内30億円は熊本城の再建)の支援を行うことを発表し話題となりました。

 

その日本財団が、今後5年間で50億円を投じて、貧困状態にある子供達の「家でも学校でもない第3の居場所」を全国に100か所設置するとのことで、その第一号拠点地として戸田市が選ばれました。

 

この拠点では、常駐するボランティア等によって、ベネッセと連携した学習支援や、食事提供(←子ども食堂!)、基本的な生活習慣を身に付けさせる働き掛け(挨拶、時間を守る、食事の配膳や片付け、遊び道具の整理整頓など)、また関係機関への橋渡しなどが行われます。
そして、それらの取り組みをやりっぱなしにするのではなく、施策の効果を(おそらく日本で初めて)定量的に測定することで、より有効な施策を特定していきます。

 

このような支援は低年齢期に行うとより効果的であることはいくつかの研究で実証されており、それが戸田市で実施されることは大変ありがたいことなのですが、そもそも戸田市が第一号拠点地として選ばれた理由は、日本財団によると、

 

①戸田市は、日本財団・ベネッセと関係が既に形成されており、連携体制を早期に構築可能である。

 

②埼玉県独自の学力・学習状況調査を実施しており、また、戸田市独自でもより詳細な分析を実施しているため、施策の効果検証が行いやすい。

 

とのことで、つまりは、教育に関するこれまでの戸田市の積極的な取り組みが、第一号拠点を呼び込んだとも言えます。戸田市ナイス!

 

一方、戸田市でも、今年4月から独自に「子供の学習支援事業」を実施しております。
日本財団の事業と戸田市の事業それぞれに特徴がありますので、以下に事業概要を併記します。

 

《日本財団 子どもサポートプロジェクト》
実施主体:日本財団(※戸田市は協力関係)
目的:社会的相続の補完
対象:原則3歳~10歳
定員:20人程度
時間:平日午後2時頃~午後9時頃
内容:ボランティア等による学習支援・食事提供・生活習慣の形成、地域チーム体制による関係機関への橋渡し、専門家による施策の効果検証
料金:食事代を除き世帯所得による応能負担(高くても月額数千円程度)
委託先:NPO法人 Learning for All(※NPO法人 Teach For Japanから派生したNPO法人)
施設所在地:非公開(就学援助率が比較的高い小学校の近隣地)

 

《戸田市 子供の学習支援事業》
実施主体:戸田市
目的:学習習慣の形成、学習意欲の向上
対象:ひとり親世帯,生活保護受給世帯,生活困窮者世帯の小学1年生~中学3年生
定員:30名
時間:毎週土曜日午後2時~4時
内容:ボランティアによる原則1対1の学習支援
料金:無料
委託先:社会福祉法人 むつみ会
施設所在地:公開(※ここでは伏せます)

 

なお、今回の「子どもサポートプロジェクト」に要する経費として、当面は日本財団が拠出する50億円を原資とするようですが、それだけでは事業継続は不可能ですので、将来的には、以前にこちらで紹介した「子どもの未来応援基金」(※2016年5月1日現在の寄付総額は約1億5683万円)などとの連動も視野に入れているとのことです。

 

本プロジェクトは、日本の未来にとってのマイルストーンとなりうる重要な事業だと思います。
応援をされたい方は、子どもの未来応援基金に寄付していただくか、もしくは戸田競艇で(家計が破綻しない範囲において)遊興してください。
私は、子どもの未来応援基金へ寄付しました。前回の5,000円に続き、今回は1万円の大判振る舞いです!

 

日本財団子どもサポートプロジェクト(日本財団公式サイト)

 

子供の未来応援基金(日本財団公式サイト)←※寄付はこちらから

 

日本に寄付の文化を根付かせたい ~「子供の未来応援プロジェクト」~(真木大輔公式ブログ)

 

【追記】

2016年11月9日にオープンしました。

「子どもの第3の居場所」埼玉・戸田にオープン 日本財団「子どもの貧困対策プロジェクト」(OVO)

 

 

 

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