例え話ですが、生活保護を貰っていない家庭Aと生活保護を貰っている家庭Bがあるとします。家族構成はどちらも同じとします。
家庭Aが働いて得る給料は「毎月40万円」ですが、家庭Aが生活を維持していくために必要なお金を国は「毎月38万円」と計算し、家庭Aに生活保護は与えません。
家庭Aが得る収入は、給料の「毎月40万円」のみです。
一方、家庭Bが働いて得る給料は「毎月20万円」のみですが、家庭Bが生活を維持していくために必要なお金を国は「毎月60万円」と計算し、それを補うため家庭Bには「毎月40万円」の生活保護を与えているとします。
家庭Bが得る収入は、給料20万円と生活保護40万円を足した「毎月60万円」です。
さて、家庭Aと家庭Bとを比較して、「家庭Aの給料は多い。」というのは事実ですが、では、「家庭Aにはお金がある。」と一概に言うことはできるでしょうか?
実は、家庭Aは「戸田市」の例えです。
働いて得る給料とは「市税」、生活保護は「地方交付税」の例えです。
全国790市のうち、戸田市の1人当たりの市税は「19位」と高いのですが、1人当たりの地方交付税を加えた順位では「456位」と一気に下がります。
戸田市が国から貰う地方交付税はわずか「4500万円」ですが、全国で戸田市と同程度の人口である20市のうち、地方交付税が「100億円以上」の市は9市もあります。
近隣では、蕨市の地方交付税は「17億円」、川口市は「62億円」、さいたま市は「78億円」です。
これらのことから、「戸田市の税収は多い。」とは言えますが、「戸田市にはお金がある。」とは一概に言えません。
「戸田市は税収でなんとかやり繰りしている。」という表現が、事実をより表していると思います。
【参考】第1回 戸田市行財政改革プランに係る懇話会 議事録・資料(戸田市公式サイト)