集客の「ハードル下げ効果」はあるか ~H28.9 委員会審査④~

行財政改革]2016年10月20日(木)

9月議会の市民生活常任委員会の報告その④です。

 

昨年度決算の審査においては、例えば公共施設や各種講座の利用状況のデータもチェックします。

 

笹目コミュニティセンター[コンパル]の管理運営委託料(約5億9600万円)の決算審査のなかで、私は、コンパルで開かれるパソコン講座の開催件数と参加人数の推移に着目しました。

 

平成26年度
68件、295人

平成27年度
134件、576人

 

開催件数と参加人数が1年でほぼ倍増した理由について質問したところ、その理由を担当課は把握していなかったようで、その後担当課がコンパルに確認し、翌日の委員会で答弁があったのですが、とても興味深いものでした。

 

それは、

 

「参加申込人数3人以上で講座開催だったものを、参加人数低迷の改善策として、平成27年8月からは参加申込人数2人以上で講座開催に変更した。」

というものです。

 

つまり、講座開催にあたっての最低申込人数のハードルを下げたわけです。
それによって講座開催件数が伸びることは容易に想像できるのですが、なんと1講座当たりの参加人数は「平成26年度4.34人⇒平成27年度4.30人」とほぼ変化していません。

 

この効果を言い表す専門的な呼び方があるのか分かりませんが、要するに、

 

「入口のハードルを下げると、ハードルを下げたことによる負の効果(=講座当たり人数の減少)はなく、集客が上がるという正の効果だけが表れる。」

ということです。

 

委員会では、コンパルのパソコン講座では少なくとも有効だったこの方策を、集客の減少に悩む他の講座にも活用するよう求めました。

 

なお、実は私は過去に同様の改善を行っております。
市民向けに消防が実施する「救命講習」に関し、それまで5名以上であった開催要件を、市民の方からの要望を受け、撤廃していただきました。

私が研究者でしたら、ここで救命講習の開催件数と参加人数の推移のデータを入手し、「ハードル下げ効果」が普遍的なものかどうか、どのような条件で成り立つのか、などを調べてみたいところではあります。

 

「初心者向け救命講習」を受講しやすい制度に改善! 2014/9/25(真木大輔公式ブログ)

 

 

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