埼玉新聞に大きく取り上げられた戸田市教育委員会定例会

教育, 行財政改革]2015年12月16日(水)

本日の埼玉新聞で、戸田市の教育委員会定例会が大きく取り上げられました。

 

記事には私のコメントも載せられておりますが、現在の教育委員会定例会は、“追認の場”ではなく“議論の場”として大いに機能しています。

 

戸ヶ崎教育長のコメント「委員は事務局の上司(中略)今までは委員を上司と思っていなかった。」の通り、事務局側の職員にとって、定例会が「どうせ議論もなく承認されて終わり」とはならないからこそ、良い緊張感が生まれ、それが引いては戸田市の教育の向上につながるのだと思います。

 

実は、私が委員として参加している「戸田市国民健康保険運営協議会」において、協議会の活性化に向けた意見を求められた際、戸田市教育委員会定例会を事例として挙げ、「委員から提案のあったテーマについて議論する時間を設けてはどうか。」と発言させていただきました。(事務局からは「是非検討したい。」との答弁がありました。)

 

形骸化してしまっている会議体は戸田市でも少なくないと思いますが、それは、委員や事務局のやる気が足りないのではなく、「議論しやすい雰囲気」がそこに無いのが原因ではないかと思います。
「テーマを設けて議論する」という関係性を普段から築いていくことが、その一つの解決策になり得るのではないかと思います。

 

なお、ちょうど明日に12月の教育委員会定例会が開かれます。
今回の定例会における「委員提案」のテーマ(予定)は、

 

●教員に求める資質と資質向上
●教員の多忙化の現状と対策
●学力向上に向けた教育委員会と各学校の取り組み
●「知のリソースの活用」の詳細

 

です。

 

 

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「仕事ができる人」が持っている能力 ~OECD「Education 2030」~

教育]2015年12月11日(金)

昨日は、OECDと文科省が主催する「Education 2030 ~21世紀コンピテンシー~」に参加しました。

 

現在の教育によって身に付けられる能力と社会で必要とされる能力とにギャップが生じており、また、今後のロボット技術の発達によって、人間によるルーティンワークの大半が不要となることが予想されているなか、「新しい教育」は日本だけでなく各国共通のテーマとなっています。

 

知識の活用力や批判的思考力、コミュニケーション力など、それらの能力をまとめた言葉として、「21世紀コンピテンシー」または「21世紀型スキル」「新しい学力」など、呼び名や定義は様々ありますが、それらは要するに、みなさんのイメージする「仕事ができる人(≠勉強ができる人)」が持っている能力のことです。

 

今回のセミナーでは、OECDや文科省、各国の教育省による講演の後、参加者によるグループセッションを行いました。

 

「仕事ができる人」が持っている能力については、おそらく多くの方の認識が共通するところなのですが、学校でその能力をどのように育てどのように評価するかについては、いまだに決定的な方法は見出されていないようです。

つまり、黎明期にあるということです。

 

現在、戸田市の教育委員会は、教育機関や民間企業と連携しながら最先端の教育手法をどんどん取り入れて試行錯誤していますが、いまの状況においては、そのような取り組みを果敢に行っていき、戸田市の理想とする教育の実現に向けて検証と改善を繰り返していくことが、唯一かつ最善の方法なのだと思いました。

 

 

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「英検3級検定料補助」 ~教育委員会定例会傍聴報告~

教育]2015年11月29日(日)

11月の教育委員会定例会の傍聴報告です。

 

主なところでは、「勉強サプリの無料提供」と「英検3級検定料補助」です。

 

「勉強サプリの無料提供」については、先日こちらでお知らせしました。

 

「英検3級検定料補助」は、戸田市の中学3年生の英検3級の検定料(3千円前後)を全額補助する案です。

 

これにより、英検3級保有者の割合について、現状の「実質50%」から「70%」を目指すということです。

 

当初は小学6年生への「英検4級補助」も検討したようですが、財源を考慮して今回は見合わせたようです。

 

委員からは、「100%を目指すべき。70%を目標とするのであれば、その根拠を提示すべき。」「任意受験ではなく強制受験にしてはどうか。」などの意見がでました。

 

私は、この英検3級検定料補助の趣旨には大いに賛同しますが、日本でしか通用しない英検ではなく、世界標準であるTOEFLやTOEICを対象とすれば、よりグローバル社会に向けた施策となったのではないかと思います。
(※高校受験に際して英検保有者が優遇される等の事情があるかもしれません。)

 

次回の定例会に向けた教育委員からのテーマ提案は、

 

●教員に求める資質と資質向上
●教員の多忙化の現状と対策
●学力向上に向けた教育委員会と各学校の取り組み
●「知のリソースの活用」の詳細

 

です。日時は12月17日(木)16時~。次回の傍聴も楽しみです。

 

 

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「勉強サプリ」の無料提供(おそらく全国初!)

教育]2015年11月26日(木)

先週の教育委員会定例会のご報告は後日行いますが、まずは「勉強サプリ」の無料提供について。

 

リクルート社が展開している、月額980円で見放題の学習動画&ドリル教材の「勉強サプリ」を、戸田市の小中学生が無料で利用できるようになります。

 

無料期間は、「冬休み前後~来年3月末(予定)」とのことで、それ以降の有料利用に関しては、各ご家庭の判断ということです。

 

「勉強サプリ」の無料提供については、3.11被災地の支援塾(大槌臨学舎)での事例はありますが、公立学校ではおそらく全国初とのことです。

 

近年、民間企業の教育産業への参入が盛んになっていますが、それらを敵視するのではなく、どんどんWin-Winの関係を築いていこうという、戸田市教育委員会のオープンマインドの姿勢には目を見張るものがあります。

 

「勉強サプリ」公式サイト


「勉強サプリ」の情報提供について(戸田市立教育センター)

 

 

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東大生はアピールが弱い ~埼玉銀杏会 若手交流会~

教育, 子育て, その他]2015年11月15日(日)

昨日、私が幹事となり開催した「埼玉銀杏会 若手交流会」は、予想以上の盛会となりました。

 

埼玉在住の東大OBOGで現役世代の方々20名弱にお集まりいただき、懇親会の前に講演会を開催しました。
講演を頂いたのは、本年4月まで埼玉県北本市の市長を3期12年間務められた石津賢治氏です。

 

議会との対立や折衝、市民からの理解を得ることの難しさなど、市長時代に経験された生々しい苦悩をお話しいただき、議員として大変勉強になりました。
また、企業にお勤めの方々は「仕事をしていて公共的な話を聴く機会は無いのでとても面白かった」と評されていました。

 

石津氏が市長時代に実現できなかった事業のうち、特に印象的だったのは①育休全額手当て②中学生の全員留学です。

 

①は、雇用保険から給料の5割が支給される育休手当ての残り5割を北本市が支給するという案ですが、議会から「育休手当てをもらえない非正規雇用者との格差が拡がる」との指摘を受け、断念したとのことです。
指摘はその通りですが、人口減少期に入り、消滅自治体に該当する北本市にとって、共働きの子育て世帯を呼び込むことは、人口維持の点でも税収確保の点でも明らかにプラスであり、方向性としては良いアピールになる案だと思います。

 

②は、北本市の中学2年生全員に、オーストラリアにホームステイまたはファームステイさせるという案です。4期目に当選されていたら実現できる見込みだったとのことで、私としてもとても残念です。

 

石津氏は、知性の裏付けがありつつも、行政改革を実行する強さや、先見性のある施策を提案する発想力を持った方という印象を受けました。
4月の市長選挙で落選されたのは残念ですが、講演を聴かれた方から出たご意見「東大生はアピールが弱い」とは、一面の事実かとも思います^^;

 

人とのつながりは、(先日こちらでご紹介した「チャリ検」のように)思いもよらぬ時や場所でプラスを呼び込むことがあります。
この交流会を、今後も継続していければと思います。

 

2015-11-14 14.38.32

 

 

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