大きな格差が存在しているかもしれない ~H27年度 全国学力テスト~

教育]2015年10月13日(火)

今年4月に実施された全国学力テストの戸田市分の結果が出ました。

 

過年度分の結果を合わせてグラフにしたものが画像中の①、生活態度のうち特徴的なものを抜き出したものが画像中の②です。

 

今回の結果から、大まかに以下の4点が分かります。


(1)小6の全国に対する優位性が無くなった。


(2)弱点であった中3の理数が全国に追い付いた。


(3)埼玉県平均が著しく下がっている。(⇒今年の埼玉県学力テストでは戸田市がトップレベルの結果だったが、それは、戸田市の学力水準が上がったことよりは、埼玉県の学力水準が下がったことに因るものが大きいと推測される。)


(4)「家で自ら計画を立てて勉強している児童生徒」が全国よりも多い一方で、「家でまったく勉強をしない中3生」が全国割合の2倍程もいる。


私としては、(1)に関してはそれほど危惧していません。そもそも全国の学力水準が上がっていると感じているからです。逆に、(2)の理数の弱点克服に安心しています。

しかし、(4)はとても気になります。「ちゃんと自分で勉強する子」と「まったく勉強しない子」との大きな格差が存在しているとも解釈できるからです。


私が手に入れられる情報では、これ以上の分析はできません。
戸田市には、今回の結果をしっかりと分析し、「戸田市の課題」の解決に向けての取り組みを進めていただきたいと思います。


平成27年度全国学力・学習状況調査結果概要(埼玉県公式サイト)


戸田市の学力が大幅に向上しました! ~H27年度 埼玉県学力テスト~ (真木大輔公式サイト)

 

 

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新しい「学力の3要素」

教育]2015年10月8日(木)

ご無沙汰しています。
このところ、原稿作成の日々です。

 

さて、一般的に「学力」というと「ペーパーテストで測られる能力」をイメージすることが多いかと思いますが、学校教育法では、いわゆる「学力の3要素」として、

 

①基礎的な知識及び技能
②これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力
③主体的に学習に取り組む態度

 

が規定されています。ただ、なんとなくしっくり来ません。

 

このたび、国の会議体(高大接続システム改革会議)において、「学力の3要素」が新たに定義されたのですが、そちらの方が断然イメージが湧きます:

 

①`十分な知識・技能
②`それらを基盤にして答えが一つに定まらない問題に自ら解を見いだしていく思考力・判断力・表現力等の能力
③`これらの基になる主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度

 

そしてこれらこそ、「社会の中で求められる能力」に近いのではないかと思います。
私が議員に必要だと考える資質も、ほとんどがこれらの中に含まれています。あとは、「責任感」と「票を稼ぐ能力(?)」くらいです。

 

ただ、入学試験を含むテストが知識に偏重している限り、「学力=①`」の構図は変わりません。
今後の日本の教育において重要になってくるのは、「テストの発達」です。②`と③`の能力をどのようにテストで測っていくのか。私も大きな関心と期待を持っています。

 

このあたりについて、新しい馳浩文科大臣が、下村前大臣の後をうまく引き継ぎリーダーシップをとってくれることを切に願っています。

 

高大接続システム改革会議「中間まとめ」の公表について(文部科学省)

 

 

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教師になりたい社会人と“こども”のままの教師 ~Teach For Japan~

教育]2015年10月6日(火)

社会人の方の中には、
「民間企業でいろいろ経験をしてみて、教師になってみたくなった。」

 

逆に保護者の中には、
「社会に出たことのない“こども”のままの教師に困っている。」

 

という思いを抱いている方がいらっしゃると思います。

 

その間をつなぐ民間機関が「Teach For Japan(TFJ)」です。

 

TFJは、社会経験のある方を選抜して研修を行った後に学校へ派遣し、その後も継続的なサポートを行うという事業を行っています。
また、TFJ代表の松田悠介氏は、2014年に日経ビジネスの「今年の主役100人」にも選出されています。

 

大阪市の民間人校長が失敗続きのように、単に民間経験者を採用すれば良いというわけではありませんが、一方で、優秀な民間経験者は、従来の教師には無い視野を持っていることもまた事実だと思います。

 

私がTFJを知ったのはつい最近なのですが、ネットで調べていたところ、戸田市教育委員会(事務局)と今年8月に話し合いを行ったというブログ記事がありました。
「来年度に向けてガッツリ連携して行きましょう」という話になったとのことで、これは大いに期待したいと思います。

 

ここ最近、教育委員会の提灯記事ばかりを書いているようで恐縮なのですが、行政の良い取り組みはどんどん応援したいというのが私の思いです。

 

最後に、戸田市教育委員会とTFJとの連携だけでなく、私が1年3か月後の選挙に落選してしまった場合には、私とTFJとの連携も視野に入ってくるかもしれないことを予めお伝えしておきます(笑)

 

◎Teach For Japan 公式サイト
http://teachforjapan.org/

 

◎「閉鎖的な教育委員会」(松田悠介のブログ)
http://yusukematsuda.blog.jp/archives/1036329152.html

 

 

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「平成28年度 予算要望書」を会派で提出しました

教育, 子育て, 交通と自転車, 安全と防災, まちづくり, 生活と環境, 行財政改革, 福祉と医療, その他]2015年10月1日(木)

本日、戸田市の神保市長に会派「戸田の会」の予算要望書を提出させていただきました。

 

昨年提出した予算要望書に対し、社会情勢の変化や市政の進捗などを反映させ、項目の差し替えや修正を加えました。
項目数は、昨年度の34から42に増えました。

私は、予算要望書を、「この政策に予算を付けて欲しい」というものよりは、「市政運営の方向性として参考にして欲しい」というものとして捉えています。

 

私(や会派)の頭の中にあるものを要望項目として可視化したものなので、普段こちらのブログでお伝えしていることと何ら変わりはありません。

 

今回の「新規項目」のうち、私の提案によるものは以下です。

 

●市民からの意見聴取方法としてのネット回答の用意
●市庁舎内への託児所設置
●補助金制度の見直し
●子供の遊び声や子育てへの理解、子供を見守る意識の醸
●福祉センターの多世代利用に向けた見直し
●戸田市の新たな教育モデルの確立と人材育成
●学習支援でのボランティア人材活用
●障害者と共生するまちづくり
●公園から死角を無くす、防犯パトロールの効果的な実施
●歩いて移動しやすいまちづくり

 

詳しくは、予算要望書をご覧ください。

 

「戸田の会」平成28年度予算要望書

 

 

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少人数学級と費用対効果 ~請願の不採択~

教育]2015年9月30日(水)

昨日、9月議会が閉会しました。

 

私の関心のあるところですと、「小学3年生で35人学級・中学2年生で38人学級実現を求める請願」が賛成少数で不採択となりました。

 

私がかつて所属した文教建設常任委員会において、1年間審議し時間切れとなってしまったものを、現在の文教建設常任委員会が引き継ぎ、他自治体や市内の小中学校を視察した上で、以下の見解を示しました。

 

《少人数学級》
①メリットは、教室内で教員の目が届きやすいこと。
②デメリットは、教員の確保による財政負担がとても大きいこと。
③費用対効果が小さい。

 

《戸田市の現状》
④生徒数が増加していることによる教室確保の問題。
⑤(少人数学級に比べてお金の掛からない)補助指導員や協調学習等の施策で効果が出ている。

 

私も、これらの判断は(一面では)正しいと考え、採決では「少人数学級反対」の態度をとりました。しかし実態は、「消極的な反対」です。

 

上記の判断のうち、③と⑤の中で出てくる「効果」という言葉は、すべて「学力面での効果」を意味しています。

 

掲載したグラフは、学力と学級規模との関係を示したアメリカの研究結果ですが、ここでも「効果」としては「学力面での効果」のみが取り上げられています。

 

おそらく、少人数学級を求められている保護者の中には、「精神面での効果」を期待してる方も多いかと思いますし、私もその効果は「ある」と考えています。

 

ただし、財政難が続く社会においては、予算獲得の際に「データを基にした費用対効果を示せること」が今後ますます必要になってきます。これは、教育政策においても例外ではありません。

 

現状では、「少人数学級は学力面での費用対効果が小さい」というデータのみが示されており、私は、それに対して反駁する術も、また精神的効果が「ある」と喧伝して突っ走る気概も持ち合わせていません。その意味での「消極的な反対」です。

 

今後、仮に「少人数学級は精神面での費用対効果が大きい」というデータが揃ったときにようやく、費用と効果を考慮したうえでの“政策判断”が必要になるのかと思います。「公教育に求められることは何か」という根本的な問いも含めてです。

 

世知辛い世の中になったとお感じになられるかと思いますが、そうせざるを得ないほど財政危機が迫っているということでもあります。

 

 

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