武雄市と花まる学習会との「官民一体型学校」の説明会

教育]2014年11月16日(日)

本日は、「戸田マラソン in 彩湖2014」の開会式に参加した後、さいたま市で開かれた講演会に出向きました。

 

佐賀県武雄市と学習塾「花まる学習会」による「官民一体型学校」の説明会と、はなまる学習会の高濱正伸代表の講演会です。

 

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さいたま市から武雄市への移住を呼びかけるもので、武雄市見学ツアーに多くの保護者の方が申し込んでいました。

 

 

武雄市は、官民一体型学校やタブレット配布、反転学習などの教育改革やTSUTAYA図書館など、「まちおこし」に十分成功している自治体で、これは、住みたい自治体の選択肢ができるという点でとても良いことです。(住んでみて本当に良いところかどうかは別問題です。)

 

官民一体型学校について、民間塾と連携するということは、民間塾にしかない長所を取り入れるということですが、今日の講演を聞く限りですと、花まる学習塾の「メシが食える大人になる」という教育方針や、自然と触れ合う授業、子供の発想力を育てるような教材は、従来の公教育を補うものなのかなと思います。
ただ、ひとつ引っ掛かるのは、授業において教師と生徒ともに妙にハイテンションなところです。
「楽しく学べる」ことは良いことですが、「楽しく学ばなくてはいけない」というものとは違いますので、結局このあたりは、花まる学習会を選ぶにせよ武雄市への移住を選ぶにせよ、保護者(と、本当は子供)の考え方次第なのかなと思います。

 

公教育と民間塾の本格的な連携自体は画期的な取り組みですので、今後の動向を注視していきたいと思います。

 

明朝は、西川口駅でレポート配布を行います。
よろしくお願いします。

 

 

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新曽北小学校と芦原小学校の授業を見学

教育]2014年11月1日(土)

本日は学校公開日でしたので、近隣の2つの小学校を見学させていただきました。

 

最初に見学した新曽北小学校は、昔ながらの学校という感じで、穏やかな雰囲気がありました。

 

上掲の写真は、小学1年生の英語活動です。
専用教室の中で、挨拶や歌遊びも英語で楽しく行われているのが印象的でした。こちらに関しては、さいたま市と比べても遜色がないと思いました。あとは、中学3年の英語までうまく繋げて欲しいと思います。

 

次に見学した芦原小学校は、オープンスペースの学校施設が魅力でした。
小さい子供や中高生、おじいさんなどの多世代の方が授業を見学に来ており、「地域の学校」という感じでした。

 

次の写真は、小学6年生の少人数授業です。
算数の授業に教員を加配し、2つの少人数教室に移動して授業を行っているとのことです。アットホームな雰囲気で、先生の板書や説明も分かりやすく、まるで小さな塾のようでした。

 

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学校公開の後は、芦原小学校の10周年記念式典に参加させていただきました^^

 

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全国学力テストの県内他自治体との比較

教育]2014年10月30日(木)

全国学力テストの埼玉県内市町村の結果をグラフにしてみました。
(オープンデータ化されていないので結構手間でした。)

 

グラフでは、県内全63市町村のうち、学力テストの結果が公表された県内35市町を、科目別正答率の合計が高い順に左から並べています。


まず、意外な結果に驚きました。
さいたま市の成績が良いことは予想できましたが、志木市や蕨市の学力がここまで高いとは思いませんでした(失礼ですが)。この2市は少人数学級に力を入れていることから、少人数学級と生徒児童の学力には相関があるのかとも一瞬考えましたが、10年以上前から少人数学級を実施している行田市の成績がそれほど奮わないので、関係ないのかもしれません。
県内市町村の少人数学級の実施状況の資料が手に入らないので、これ以上は分析できません。残念。

 

地域ごとに分類してみるのも面白いと思います。
県南地域である蕨市・さいたま市・戸田市は全体的に学力が高い(川口市は未公表)と言えますが、一方で、学力の高い志木市に接している新座市や富士見市の成績が良いというわけではないようです。全体的に学力の低い地域もあります。

 

小6の成績が良いのにも関わらず、中3の成績が悪い市町村(三郷市、新座市など)は、私立や国立の中学校に流れる生徒が多いのでしょうか?
私立・国立への進学率のデータと照らし合わせてみたいところです。

 

今回は市町村別データですが、これが仮に学校別データであっても、このように誰かの手によって順位付けされてしまいます。
それが「学校選択性」と合わされば、地域間での児童生徒の移動が生じることで、「地域コミュニティの崩壊(地元に同級生がいなくなる)」はもちろん、学力面においても、学校間の格差が拡大し、それが終いには「全体の学力低下」となって現れます。これは、イングランド、アメリカ、オーストラリアなどの海外の事例を調べれば分かります
今年から解禁された学校別結果公表ですが、県内桶川市や島根県松江市などの自治体で既に実施されました。これらの自治体の今後の学力推移もよく観察していく必要があります。

 

 

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全国学力テストの戸田市の結果

教育]2014年10月29日(水)

今年度の全国学力テストについて、戸田市の分析結果が公表されました

 
簡単にまとめると、
「小6は家や塾で勉強をしていて成績もそこそこ良いが、中3はスマホやネットをして宿題をやらないために成績が思わしくない。」
となります。


《戸田市の学力について》
私が作成したグラフを見ていただくとわかる通り、(昨年の小6国語が飛び抜けていたことを除けば)「概ね変化なし」です。
ただし、戸田市の弱点である中3数学に、いくらか改善の傾向が見られます。


《戸田市の生活態度について》
日頃の生活態度の回答で目立つものは以下です。


・小6「学校以外で勉強を2時間以上しているか?」
戸田市32.7%、埼玉県27.1%、全国25.8%

 

・中3「家で学校の宿題をしているか?」
戸田市82.9%、埼玉県85.8%、全国88.2%

 

・中3「スマホやネットを2時間以上しているか?」
戸田市39.8%、埼玉県34.4%、全国32.7%

 

《戸田市の分析について》
●昨年12月議会の一般質問において、テスト結果のさらなる分析を求めましたが、今年度から「項目ごとの講評が付いたこと」「戸田市学力向上プランや各校の取り組みが公表されたこと」は良いことだと思います。

 

●しかし、分析自体はまだまだ足りないように思います。項目ごとの講評が通り一遍ですし、そもそも経年変化や正答率分布の分析が行われおりません。
経年分析の必要性は自明ですが、正答率分布は生徒間の学力格差の傾向を表します。正答率分布が分からないと、仮に戸田市の正答率が上がったとしても、それは、トップ層が頑張ったおかげなのか、それとも全体が底上げされたからなのかが分かりません。
今後の取り組みに期待します。

 

 

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「就職のために」ではなく「就職に向けて」大学で手に職を付ける

教育]2014年10月23日(木)

教育先進国とされるフィンランドでは、高校から「学問コース」と「職業コース」とに分かれ、またそれぞれのコースに大学が用意されています。(※一部、大まかな表現をしています。)

 

今月から文科省により、「職業コース」の大学を日本に作るための審議会が始まりました。
実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」です。

審議委員から提出された資料が、やや過激ですが面白いです。

 

(以下、抜粋)
●Gの世界(グローバル経済圏)とLの世界(ローカル経済圏)
●Lの大学の職業大学化⇒Lの労働生産性(≒賃金)向上⇒Lの労働力不足解消⇒社会全体の生産性・効率性(≒賃金と安定雇用)の改善
●教員の選定方法:
・民間企業の「実務経験者」から選抜
・文系の学問ライン(Lの大学には従来の文系学部はほとんど不要)の教授には、辞めてもらうか、職業訓練教員としての訓練・再教育を受けてもらう
・理系の学問ラインでGの世界で通用する見込みのなくなった教授も同様
●経営・経済学部では、「マイケルポーター、戦略論」ではなく「簿記・会計、弥生会計ソフトの使い方」を

 

私も、この考えに同意します。
いまの時代、大学生の全員が「学問」をするために入学しているわけではなく、就職の前段階として入学している人も多いと思います。
身の入らない学問を(単位上で)修めるために通うよりは、社会に出て必要となる実務スキルを学ぶ方が、学生にとっても社会にとっても有意義だと思います。(資料で述べられているように、それによって会社の新入社員育成コストの節約にもなります。)

 

子供に「就職のためにとりあえず大学に行っとけ」と言う代わりに、「就職に向けて大学で手に職を付けろ」(or「学問がやりたいなら大学に行け」)と言えるようになるわけです。

 

実際にフィンランドでは、「学問コース」よりも「職業コース」が人気とのことで、「学問コース」の大学を出て会社に勤めた人よりも、「職業コース」の大学を出た人の賃金の方が高い例もあるようです。

 

今後の制度化が非常に楽しみです。

 

 

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