「非常階段」の平常時利用 ~スポーツセンター非常階段閉鎖~

安全と防災]2016年12月27日(火)

週末から週明けにかけて、選挙関係の諸事務をこなしていました。

 

平日は、これまでに頂いていたご意見の対応を進めています。
そのなかで、個人的に興味深かった案件についてご報告します。

 

テーマは「非常階段」です。

 

ご意見者
高齢男性

ご意見内容
スポーツセンターにおいて仲間数人でウォーキングをしており、そのなかで、外階段の5~6段を使った昇降運動を行っていたが、その階段が今年2月に閉鎖された。貼り紙には「非常階段:一般での利用を禁止します」とあるが、これまでのように平常時にも使えるよう開放してほしい。(スポーツセンターに何度か要望したが駄目だった)

私の考え
「非常階段」なのであれば、表立って平常時利用を認めることは難しいかもしれないが、「スポーツセンター」なのだから、高齢者の健康づくりのための平常時利用を黙認するぐらいのことはすべきではないか。

ヒアリング(消防本部予防課)
消防法には、避難の邪魔になるような物を非常階段に置いてはならないとの規定はあるが、非常階段の平常時利用に関する規定はない。

ヒアリング(まちづくり推進課)
建築基準法には、非常階段の構造に関する規定はあるが、非常階段の平常時利用に関する規定はない。

ヒアリング(文化スポーツ課)
非常階段が老朽化しているため、修繕費用の予算要求を2年連続で行っているが、予算がつかない。修繕が行われるまでに老朽化が進行しないよう、非常階段を閉鎖した。

ヒアリング(資産管理課)
この非常階段を修繕するとなると、作り直しが必要になり莫大な費用が掛かる。スポーツセンターの大規模修繕を何年後かに予定しており、経費節減のため、それと同時に修繕を行いたい。

というわけで、非常階段閉鎖の理由は「老朽化対策」であったことが分かりましたが、そうなると、非常階段に掲げられた張り紙「非常階段:一般での利用を禁止します」は、誤った説明です。
非常階段の平常時利用を禁じる法律(や条例)は存在しないわけですから、スポーツセンター側がそれを禁じるのであれば、それなりの合理的な理由が求められることになります。
もし今回、きちんと「老朽化のため、平常時の利用はご遠慮ください」との説明が掲げられていれば、ご意見者に誤解を与えることはなかったのだと思います。

 

ご意見者には、これらの経緯を説明しご納得いただきました。
また、担当の職員さんには、張り紙の表記変更をお願いしました。

 

なお、スポーツセンターには、この非常階段以外に、屋内にも避難経路が確保されているため、この非常階段自体は、「避難用として無くてはならないもの」ではありません
もしかしたら、何年後かのスポーツセンター大規模修繕の際に、この非常階段を撤去する、もしくは修繕を行わずに放置する、ということもあり得るかもしれません。
(その昔は、プロレス興業などの際の、大人数のお客さん用の導線としてこの階段を用いていたとのことです)

 

余談ですが、このご意見者の方は、先週、議会の会派控室に飛び込みでお越しくださいました。
私に相談をしようと思ってくださった理由は、(私の住む)馬場町会にいらっしゃるご友人から、「真木さんはちゃんと動いてくれる」との話をお聞きになったからだそうです。
そのようなクチコミがあるということが、すごく嬉しかったです。
また、ご意見を伺った後、その方がお住まいの町会の新年会をご案内いただきましたが、そちらは丁重にお断りさせていただきました。

 

 

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民間ならではのあいパル防災イベント「みんなの防災DAYS」

安全と防災, まちづくり]2016年11月17日(木)

今週の日曜日は、上戸田あいパルで開催された「みんなの防災DAYS ~あなたとあなたの大切な人を守る!今すぐ防災~」を見学しました。

 

11/10(木)~11/13(日)の4日間、特設の防災パネル展・グッズ展に、防災クッキングや防災ポーチ作り、講演会や施設見学などの各種講座を連動させた防災イベントです。

 

館長やスタッフの方々からお話を伺ってまず驚いたのは、この「防災DAYS」が、戸田市や埼玉県の防災課からの依頼や監修を受けて実施されたものではなく、すべてあいパルが独自に企画されたものだということです。

 

私が見学したのは防災パネル展・グッズ展ですが、テーマが「女性目線」に設定されており、新鮮な内容ばかりで十分楽しむことができました。

 

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また、昨年に話題となったものの埼玉県民にはなかなか現物を手に取る機会がない『東京防災』(140円)が展示販売されていたので、私も購入しました。
そしてありがたいことに、『東京防災』の埼玉県版といえる「イツモ防災」も展示してはどうかとの私の提案を、すぐに取り入れてくださいました。

 

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このあたりの柔軟な発想や対応は、あいパルの管理運営を行うのが民間だからこそだと思います。

 

今回の「防災DAYS」に限らず、あいパルからは常に“あいパルを盛り上げよう”という意気込みが感じられます。
この日、私が感銘を受けた光景なのですが、あいパルに訪れたおばあちゃんが、1階ラウンジのテーブルに並べられた様々なイベント告知チラシを楽しそうに物色していました。
利用者にとって、あいパルが「何か楽しそうなことがある場所」になっているのだと思います。

 

前号からリニューアルされたミニコミ誌の「PALDISE(パルダイス)」も、コラムが増えさらに充実しています。

 

今後もあいパルには、新たな時代の公共施設の手本として、戸田市の他の公共施設をリードしていってくださることを願っています。

 

上戸田地域交流センター「あいパル」公式サイト

 

 

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一番大切なのは“声をかける勇気” ~市民公開救急シンポジウム ~

安全と防災]2016年10月15日(土)

本日は、家族で「第2回 キラキラ輝くTodaママフェスタ」をのぞいた後、同じ戸田市文化会館で開催された「市民公開救急シンポジウム ~救いたい!その命~」に参加しました。

 

「運動中の突然死」をテーマとした基調講演&デモンストレーション【掲載画像】、「戸田市の救急医療体制」をテーマとしたパネルディスカッションが行われましたが、このシンポジウムを通して、戸田市消防が埼玉県内でトップレベルであることを再認識するとともに、このようなシンポジウムを主体的に開催する戸田市消防の姿勢が素晴らしいとも感じました。

 

私にとっての学びとなったのは、

 

「心臓発作により突然倒れた人を見かけたときに一番大切なことは、“声をかける勇気”である。」

というご指摘でした。

 

多くの通行人がいると、皆がそれぞれ「誰かがやってくれる」と思ってしまいがちですが、そこで勇気を出して声をかけることができれば、その後すべてが動き出すとのことです。

 

いまや幼稚園や小学校でも救命処置について学ぶ機会があり、おそらく多くの日本人が、AEDの使い方や胸骨圧迫(心臓マッサージ)のやり方をある程度身に付けていると思いますが、せっかく身に付けたことも、”倒れている人に声をかける”という行為がなくては何も始まらないわけで、ご指摘はごもっとだと思いました。

 

救急車が来るまでに周りの人が救命処置をするかどうか、が生死を大きく分けます。
みなさんも、まちなかで倒れている人がいて、まわりの通行人みなが素通りしていても、勇気を出して声を掛けることを心掛けていただければと思います。

 

もし、倒れている人に反応がなければ、その後の大まかな手順は、

 

●救急車とAEDをまわりの通行人にお願いする

●それらが来るまで胸骨圧迫(心臓マッサージ)をする

です。これだけで生存率が大きく上がります。

 

 

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戸ヶ崎教育長のFacebook投稿で気付かされたこと ~戸田市総合防災訓練~

教育, 安全と防災]2016年9月25日(日)

本日、「戸田市総合防災訓練」が実施されました。

 

朝8時30分に緊急地震速報が防災行政無線から流れ、テーブルの下に身を伏せた後、通電火災防止のためにブレーカーを落として、近くの訓練会場である馬場ふれあい公園に家族で向かいました。

 

訓練会場では、消防職員のご協力も頂きながら種々の訓練が実施され、個人的に学ぶことは多かったのですが、訓練からの帰宅後、あることをきっかけに大きな反省をするに至りました。(ブレーカーを落としたために、冷凍庫内のアイスが溶けてしまっていたことではありません。)

 

そのきっかけとは、戸ヶ崎教育長によるFacebook投稿を拝見したことで、投稿内容の要点は、

 

「中学生に対して、社会に開かれた教育活動としての防災教育を行っていく必要がある。」

 

というものです。

 

 

中学生が避難所運営の重要な担い手となるということを、これまでも耳にしていましたし、過去に議会でも同様の提議があったようにも記憶していますが、本日の戸田市総合防災訓練において、私は単に「防災訓練に参加する」という意識を持つことしかできていませんでした。

 

一方で、戸ヶ崎教育長は防災訓練を視察されるなかで、中学生の参加が少ないという課題に気付かれ、中学校での防災訓練と地域での防災訓練とを繋いでいく必要性を感じられたわけです。

 

常に「教育」という視点で物事を捉えておられる教育長が本市の教育の陣頭指揮をとっておられることに強い安心感を抱くとともに、防災訓練の光景を前に“議員脳”を働かせることのできなかった私は怠け者であったことに気付かされました。

 

このような“ハッとさせられる”機会に巡り合えるのは、人としてとても幸運なことです。

 

 

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建物の定期点検実施&学校改修の交付金減額 ~平成28年度9月議会 質疑~

教育, 安全と防災]2016年9月1日(木)

本日、9月議会に上程された補正予算案に関して、2件の「質疑(=議場での公開質問)」を行いました。

 

どちらとも、今後の議論につながるものになったと思います。

 

以下、簡潔にまとめたQ&Aとコメントを記します。

 

【質疑1】消防本部外壁タイル修繕について

 

Q. 外壁タイル修繕に至った経緯は?

 

A. 一部の外壁タイルが落下したので緊急調査をしたところ、異常が認められた。

 

Q. これまで定期的な点検はしてきたのか?

 

A. 設備の点検はしてきたが、建物本体の点検については、建築基準法の定める「定期点検」の対象である認識が無く実施してこなかった。今後は実施する。

 

Q. 消防本部以外の公共施設については?

 

A. 確認したところ、「定期点検」の対象となっているものの点検を実施してこなかった施設は、消防本部以外に3施設あった。今後は「定期点検」を実施する。
「定期点検」の対象となっていない公共施設については、職員による日常点検を主とするが、外壁がタイルとなっている施設については特に注視して点検する。

 

★コメント★
建築基準法の定める「定期点検」の実施については、私が、昨年12月議会の一般質問で提案しています。今回、点検の対象となっていることが判明した(消防本部を含む)4施設においては、今後きちんと建物本体の点検が実施されるということで、一つの進展が見られました。
課題となるのは、小中学校を含む、「定期点検」の対象となっていない公共施設に対して、点検を実施していくかどうかです。小中学校の「定期点検」を実施している自治体はあります。

 

【質疑2】新曽北小学校と美笹中学校の改修予算について

 

Q. 想定していた文科省からの交付金がほぼ全額減額され、工事請負費も大きく減額している。それぞれの理由は

 

A. 交付金の減額は、今年度の文科省自体の交付金予算が大幅に減額したことが原因と考えられる。工事請負費の減額については、設計段階での精査や入札による競争のほか、美笹中学校に関しては、建替えの方向性が見えたため、改修内容を削減した。

 

Q. 文科省からの交付金がこれからも見込めないとした場合、今後の小中学校改修計画に影響はないのか?

 

A. 体育館天井耐震化工事を除いた大規模改修の計画については、今年度の新曽北小学校と美笹中学校でひとまず終了した。今後の改修や建替えについては、文科省の交付金の動向を確認していく。

 

★コメント★
文科省の交付金予算が7割も削減され(平成27年度 2437億円⇒平成28年度 709億円)、戸田市への交付金はほぼ全額カットされてしまいました。
ただ、戸田市の「学校改修」に関しては、今年度で一旦終了する計画であったため、滑り込みセーフとも言えます。
問題は、今後予定されている戸田東小・中学校などの「学校建替え」に、どれほどの交付金が期待できるかということです。交付金が貰えなければ、その分はもちろん戸田市で負担することになります。学校建替えには数十億円かかるので、事は重大です。

今後の改修や建替えの計画に関して十分な検討が求められます。

 

※質問や答弁の詳細については、こちらの録画映像をご覧ください。(私の出番は最後です)

 

「建築点検」実施の必要性 ~消防本部の外壁タイル落下~ 2016/7/26(真木大輔公式ブログ)

 

【一般質問】専門家による小中学校などの建築点検の実施 2015/12/22(真木大輔公式ブログ)

 

 

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