[福祉と医療]2016年8月9日(火)
働きたい障害者はたくさんいますが、働き口は足りていません。
戸田市も障害者に対して福祉的就労の場を提供はしていますが、公費負担があることから、そのような場を今後増やし続けるのには限界があります。
一方で、理由は様々ですが、障害者を雇いたいと考えている事業者がいます。
しかし、これまでの戸田市の障害者就労支援事業は、「自治体や支援機関がいかに働きたい障害者を支援するか」という視点に立ったものがほとんどで、「障害者を雇いたい事業主を働きたい障害者へいかに橋渡しするか」という視点は欠けていました。
私が昨年の6月議会の一般質問においてその課題を指摘した結果、本年3月に戸田市が、障害者就労支援の指針として初めて作成した「戸田市障害者就労プロセスマップ」は、自治体や支援機関向けの《支援者編》と、障害者を雇いたい事業者向けの《雇用主編》の2章立てとなりました。
プロセスマップの中身を確認すると、さすがに、これまでの蓄積がまとめられた《支援者編》に比べて《雇用主編》の内容は見劣りしますが、それでも、今後の障害者就労支援事業において「障害者を雇いたい事業者を活用する」という視点が加わったことは大きな一歩だと思います。
先日、相模原の障害者施設において大変痛ましい殺傷事件が発生しましたが、障害者を邪魔者扱いする社会ではなく、障害者もふつうに受け入れる社会であるべきです。
障害者がそこらのお店や会社で“ふつうに働いている”という社会に早くなってほしいです。
◎戸田市障害者就労プロセスマップ(戸田市公式サイト)
◎平成27年6月議会 一般質問 議事録 「障害者の就労支援について 」(真木大輔公式サイト)
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[行財政改革]2016年8月8日(月)
例え話から入ります。
自宅をリフォームしたいAさんとBさんとCさんがいて、いずれも希望するリフォーム内容は同じであるとします。
また、リフォーム全体の費用には、設計事務所へ支払う「設計料」と工事業者へ支払う「工事費」が掛かるとします。
なお、設計事務所による設計のクオリティについては、事前には分からないとします。
●Aさんは、設計料が工事費の10%である設計事務所に設計を依頼し、その際に「希望するリフォーム内容」と「工事費予算300万円」を伝えました。
結果として、「設計料30万円+工事費300万円=330万円」で希望した通りのリフォームができました。
●Bさんは、設計料が工事費の8%というお得な設計事務所を探し、設計を依頼する際に「希望するリフォーム内容」と「工事費予算300万円」を伝えました。
結果として、「設計料24万円+工事費300万円=324万円」で希望した通りのリフォームができました。
●Cさんは、設計料が工事費の8%というお得な設計事務所を探し、設計を依頼する際に「希望するリフォーム内容」のみを伝えました。
結果として、「設計料40万円+工事費500万円=540万円」で希望した通りのリフォームができました。
私は、この状況において一番合理的な行動をとったのはBさんだと思います。
Cさんのことは「お金に余裕がある人」とは思います。ただ、もしかするとCさんのリフォームは、Cさんの希望だけでなく設計事務所のやりたいことも含まれた“過剰な”リフォームとなったために、費用が高くついてしまったという可能性も考えられます。
話を戻します。
戸田市はこれまでCさんでした。
昨年にオープンした「こどもの国」も「あいパル(上戸田地域交流センター)」も、それ以前に建てられた公共施設も、それらを建設するにあたって、一般競争入札でより安い設計業者を探したのは良いものの、工事費の上限は設定していなかったため、実際の工事費は、なかば“設計業者次第”となっていたわけです。
昨年に国内で問題となった新国立競技場と同じです。
私が一般質問において「工事費の上限設定」を提案したのは、昨年の9月議会です。
そして今月に入り、大型の入札案件が出てきました。
スポセン屋内プール整備と戸田東小中学校一体整備の設計委託業務です。
【業務名称】戸田市スポーツセンター屋内プール新築工事設計業務委託
【予定工事費】約8億円
【業務名称】戸田東小学校・戸田東中学校改築等工事設計業務委託
【予定工事費】約60億円(消費税10%・改修費・解体費・外構費含む)
どちらも設計委託業務の一般競争入札ですが、この段階からあらかじめ工事費の上限が示されています。
戸田市はようやくBさんになりました。
Bさん一家が、リフォームの設計を依頼する前に、家族の希望を募るだけでなく家計も考慮してリフォーム工事の予算を決めたように、戸田市も、設計委託業務の入札を実施する前に、施設の担当課(文化スポーツ課や教育委員会)と資産管理課、財政課などで協議し、工事費の上限を決定したとのことです。
近年、市の財政悪化を背景に行政サービスの市民負担が増えていますが、これでもし戸田市がCさんのままだったら、市民からの理解はより得づらいものとなったのではないかと思います。
◎平成27年9月議会 一般質問 議事録「公共施設の建設費や維持管理費の節減について」(真木大輔公式サイト)
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[交通と自転車]2016年8月7日(日)
このところ、他自治体の議員や市民の方から、「わが市でも自転車走行空間の整備を進めたい」というご相談を頂きます。
先日は、日経新聞(7/29朝刊)で報道された「国の自転車ガイドライン改訂」と戸田市の状況に関してのお問い合わせがありましたので、やや専門的な内容になりますが、こちらでみなさんにもご報告しておきます。
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平成24年11月に国交省と警察庁により策定された「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」は、主に自転車走行空間の整備について定めたもので、本年7月19日に一部改訂がなされました。
以下では、今回の一部改訂の主なポイントを(新聞報道では触れられていないものも含めて)5つ挙げ、それぞれの概要と併せて戸田市の状況についてもご説明します。
ただ、一言でいえば、「改定される前から戸田市は大丈夫」です。
【ポイント①】段階的なネットワーク計画策定
自転車走行空間を単発的に整備していくのではなく、これからは、重点的なエリア毎に計画を策定&整備し、最終的にそれらのエリアを繋いでいくことで、広域の自転車ネットワークを整備しよう、というものです。
戸田市では、ガイドライン改訂前から、ほぼ同様の整備を進めています。具体的には、自転車通行量の多い「イオン・南陵高校付近」「市役所南通り」を重点エリアとし、優先的な整備を進めています。(ただし、戸田第二小学校前の自転車走行空間だけは単発的です。)
【ポイント②】暫定形態の積極的な活用
クルマの通行量が多い道路における自転車走行空間としては、「自転車道(=車道とも歩道とも縁石などで仕切られた自転車走行空間)」や「自転車レーン」が完成形態とされますが、現状においてそれらの整備が困難な道路でも、「車道上の矢羽根」などの暫定形態の自転車走行空間を積極的に整備しよう、というものです。
戸田市では、ガイドライン改訂以前より暫定形態の活用が進められています。イオン前の道路や南陵高校前の道路における「車道上の矢羽根」がその例です。(※下部リンク記事参照)
【ポイント③】路面標示の統一
これまでは、自転車レーン上の矢印や、交差点上の矢羽根、自転車ナビマークなどの形状や設置間隔が自治体によってバラバラでしたが、これからは、全国統一の仕様とし、より分かりやすくかつ安全なものしよう、というものです。
戸田市でも、今後は全国統一の仕様が順次導入されていくと思われますが、既に、昨年3月議会の一般質問で私が提言し本年3月に戸田公園駅前に試験的に導入された自転車ナビマークには、ガイドライン改訂に先立ち全国統一の仕様が採用されています。(※下部リンク記事参照)
なお、側溝蓋(グレーチング)については、私が以前に担当課に要望して以降、自転車のタイヤがはまらないような目の細かいものが導入され、これも今回のガイドラインが提示する仕様を満たしています。(※下部リンク記事参照)
【ポイント④】色分け自歩道を除外
これまでは、自転車走行空間の暫定形態として「色分け自歩道(=広い歩道を歩行者部分と自転車部分に色分けしたもの)」も可とされてきましたが、今回の改訂では、その整備形態が暫定形態から除外されました。
戸田市でこのような整備が行われないよう、私は以前から議会で「歩道ではなく車道に整備すべき」と牽制し続け、担当課からの理解も頂いていましたが、ようやく今回のガイドライン改訂により、「色分け自歩道」が望ましくない整備形態と認められました。
ところで、以前にこちらで指摘した蕨市の「色分け自歩道」(※下部リンク記事参照)は、今後も整備延長が伸びていく予定とのことでしたが、一体これからどうするのでしょうか?
【ポイント⑤】自転車道の一方通行化
これまでは、「自転車道(=車道とも歩道とも縁石などで仕切られた自転車走行空間)」の双方向通行が認められていました。
双方向通行の自転車道は、一方通行の自転車道と比べて、自転車にとっての利便性は高いものの、交差点上でのクルマとの出会い頭事故が招かれやすい、自転車同士の対面衝突が起こりやすいなどの課題があります。
今回のガイドライン改訂では、安全面が考慮された結果、完成形態としては「一方通行の自転車道」が基本となりました。
戸田市内にはいまだ「自転車道」はありませんが、今後は国道298号(外環)などで整備される可能性があります。
今回のガイドライン改訂は、その整備にも影響を与えます。
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なお、日経新聞の報道は7月29日ですが、私はすでにガイドライン改訂の翌日(20日)には戸田市の担当課と情報共有を行っており、さらに言えば、今回のガイドライン改訂の元となった有識者による提言書についても以前から情報共有しています。
◎自転車レーン表示統一 車道走行促し、事故減少狙う 国交省・警察庁(日本経済新聞)※無料会員登録が必要
◎安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインの一部改定について(国土交通省)
◎本来あるべき道路シェアの形 ~戸田市の自転車走行空間整備~ 2016/2/22(真木大輔公式ブログ)
◎「生活道路への自転車ナビマーク設置」が実現しました 2016/3/28(真木大輔公式ブログ)
◎自転車レーンのグレーチング(=側溝蓋)を目の細かいものに交換 2014/11/10(真木大輔公式ブログ)
◎蕨市のあまりにも酷い「色分け自歩道」 2016/6/8(真木大輔公式ブログ)
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[生活と環境]2016年8月6日(土)
本日開催された「第63回 戸田橋花火大会」に携わられたみなさん、大変おつかれさまでした。
私は、自宅のベランダで花火を鑑賞しつつ、テレビ埼玉の生中継をチェックしていました。TVのなかで、神保市長がハツラツと戸田市のシティセールスに勤しむ姿が印象的でした^^
さて、先日の水曜日に視察した「リサイクルフラワーセンター」「フェルトガーデン戸田」のご報告です。
数年前まで他自治体の議会からの視察が殺到していた上記2事業ですが、意外にも当の戸田市議会議員が視察をする機会は無かったため、今回、知り合いの他自治体議員の方とともに視察させていただきました。
●リサイクルフラワーセンター
イオン近くにあるゴミ焼却施設の蕨戸田衛生センター組合の敷地内に「リサイクルフラワーセンター」があります。
水分を多く含むために焼却炉の負担となる「生ゴミ」を、リサイクルフラワーセンターがご家庭から回収し、その生ゴミから作った堆肥で育てた「花苗」と交換するという事業です。
施設整備費として7年程前に約2億7600万円、毎年の運営費として約5200万円が掛かっていますが、営利を目的とした事業ではなく、「循環型社会の構築」や「障害者・高齢者の雇用」、「近隣の環境美化」などの環境共生を目的として行われている事業で、6月にはリサイクルフラワーセンター内のビオトープで「ホタル観賞会」も開催されています。(なお、これらの費用は戸田市と蕨市とで分担しています。)
生ゴミを持ち寄った戸田市民の方は、画像①左下の花苗セットと年4回交換できるのですが、花屋さんに訊いたところ、この花苗セットを花屋で買えば4,000円~5,000円位はするそうです。
現在、生ゴミ回収に協力されているご家庭は、「戸田市 997世帯」「蕨市 51世帯」とのことですが、生ごみ堆肥化装置の処理量や敷地面積、労働力などの関係で、現在の生ゴミ回収量が限界となっており、協力世帯を新規では募集していないとのことです。
視察中にちょうど生ゴミを持ち寄って来られた方に伺ったところ、「これまでにたくさんの花苗をもらったので、いまは花苗と交換せずに生ゴミだけを持って来ている。」とのことでしたが、例えば、戸田市の市民農園「土に親しむ広場」のように、数年おきに新規の希望者と入れ替えるという工夫も必要ではないかと感じました。
●フェルトガーデン戸田
古布をリサイクルしてできたフェルトで、生ゴミの堆肥等をサンドイッチしてできた厚さ10㎝の土壌に、芝生などの草花を植える、戸田市独自の屋上緑化システムです。
屋上緑化には、二酸化炭素削減や屋内冷却化などの効果がありますが、このフェルトを用いた方法は、従来の屋上緑化の方法よりも軽量であるため、建物の補強工事が不要となります。
9年前に戸田市役所屋上で本格実施され(一般見学可)、その後、市内の小学校や病院等でも展開されました。
私は、この事業自体は良いものだと思うのですが、数年前までメディアからの取材や他自治体からの視察が相次いでいた割には、その後、全国への拡がりや見られない点、また、そもそも市内での普及が進んでいない点が気にかかりました。
担当課によると、市民からの問い合わせがあれば、事業者を紹介するということですが、仮にこの事業が本当に良いものなのであれば、市内の公園や公共施設などへの積極的な展開や、市民への補助などの取り組みをさらに行うべきではないかと思います。
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上記2事業とも、他自治体からの視察が近年落ち着いてきているという事実は、本事業の検証や改善が必要な時期にきていることの現れなのかもしれないと感じました。
今後、委員会などで、機会があればこれらの点について質問してみようと思います。
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[教育, 生活と環境]2016年8月5日(金)
ここ数日に行ったご意見対応のなかから、市民のみなさんのご関心を引きそうなものを3つご報告します。
【ご意見①】
笹目神社付近のバイパスにある案内標識がぐらついて危ない。
【対応①】
戸田市道路課に相談し、管轄する「国土交通省 関東地方整備局 大宮国道事務所 浦和出張所」に確認していただいたところ、この案内標識は、戸田中央総合病院が占用許可を得て設置しているもので、風の影響を軽減するために、元々ぐらつく構造にしてあるとのこと。
しっかりとした基礎の上に固定された案内標識を設置する方法もあるが、それに比べて設置費用が安く済むとのこと。
(※なお、同様のご意見を過去に数件受けているとのことですので、同じ不安を抱いている市民の方が一定数いらっしゃると思い、こちらで周知させていただきました。)
【ご意見②】
彩湖・道満グリーンパークのランニング&サイクリングコースに、「ポケモンGO」のポケストップ(やジム)が設置されており、人が群がってしまい通行の妨げになる。
【対応②】
彩湖・道満グリーンパークを管理運営する「(公財)戸田市水と緑の公社」に相談したところ、ランニング&サイクリングコースを管理するのは「国土交通省 関東地方整備局 荒川上流河川事務所 西浦和出張所」とのことで、そちらにご意見を伝えていただくことにしました。
おそらく今後、西浦和出張所の職員の方が現地を確認後、注意喚起の掲示なりポケストップ(やジム)の削除要請なりの対応がなされると思われます。
なお、「(公財)戸田市水と緑の公社」が管理運営するのは、ランニング&サイクリングコースより内側にある広場などで、そこにおいては、いまのところポケモンGOに関する苦情等は無いようです。
【ご意見③】
戸田市立図書館・郷土博物館が開催する、子供向けの夏休み講座の申し込みがすぐに締め切ってしまった。戸田市で子供の数が増えているという実状に即し、定員増加を図るべき。
【対応③】
●郷土博物館「勾玉づくり」
過去の参加人数を考慮したうえで今年度の講座(15人定員を2回)を開設したが、申込者が殺到したため、試験的に大人も含めた勾玉づくり講座を9月に追加開催する予定とのこと。
●図書館「マイ天体望遠鏡をつくろう」
今年度は、天体望遠鏡づくりをテーマにした講座(定員40人)を開設し、小学校の全生徒にチラシを配布するという工夫を行ったところ、申込者が殺到し、多くの方が申し込めなかった。
⇒いずれも、講座開催に必要な経費はわずかとのことでしたので、私からはあらためて、「次年度での定員増加の検討」を担当課に要望しました。(念のために、戸田市教育委員会Facebookでの開催報告の記事にも要望のコメントをしました^^;)
明日の「戸田橋花火大会」は、戸田に来て初めて自宅から鑑賞します^^
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