全国学力テストの県内他自治体との比較

教育]2014年10月30日(木)

全国学力テストの埼玉県内市町村の結果をグラフにしてみました。
(オープンデータ化されていないので結構手間でした。)

 

グラフでは、県内全63市町村のうち、学力テストの結果が公表された県内35市町を、科目別正答率の合計が高い順に左から並べています。


まず、意外な結果に驚きました。
さいたま市の成績が良いことは予想できましたが、志木市や蕨市の学力がここまで高いとは思いませんでした(失礼ですが)。この2市は少人数学級に力を入れていることから、少人数学級と生徒児童の学力には相関があるのかとも一瞬考えましたが、10年以上前から少人数学級を実施している行田市の成績がそれほど奮わないので、関係ないのかもしれません。
県内市町村の少人数学級の実施状況の資料が手に入らないので、これ以上は分析できません。残念。

 

地域ごとに分類してみるのも面白いと思います。
県南地域である蕨市・さいたま市・戸田市は全体的に学力が高い(川口市は未公表)と言えますが、一方で、学力の高い志木市に接している新座市や富士見市の成績が良いというわけではないようです。全体的に学力の低い地域もあります。

 

小6の成績が良いのにも関わらず、中3の成績が悪い市町村(三郷市、新座市など)は、私立や国立の中学校に流れる生徒が多いのでしょうか?
私立・国立への進学率のデータと照らし合わせてみたいところです。

 

今回は市町村別データですが、これが仮に学校別データであっても、このように誰かの手によって順位付けされてしまいます。
それが「学校選択性」と合わされば、地域間での児童生徒の移動が生じることで、「地域コミュニティの崩壊(地元に同級生がいなくなる)」はもちろん、学力面においても、学校間の格差が拡大し、それが終いには「全体の学力低下」となって現れます。これは、イングランド、アメリカ、オーストラリアなどの海外の事例を調べれば分かります
今年から解禁された学校別結果公表ですが、県内桶川市や島根県松江市などの自治体で既に実施されました。これらの自治体の今後の学力推移もよく観察していく必要があります。

 

 

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