“おとな顔負け”ではなく“おとな” ~戸田市議会50周年 高校生議会~

教育, 議会と選挙]2016年10月30日(日)

戸田市にとっての50歳は、戸田市議会にとっての50歳でもあります。

 

というわけで、本日は戸田市議会50周年イベントとして「高校生議会」を開催しました。

 

戸田翔陽高校と南稜高校の高校生30名が「戸田市議会議員」に、私たち議員が「戸田市執行部」になり、4つの条例案について、上程から質疑、委員会審査、討論、採決まで、それに加えて一般質問と、市議会の一連の流れを疑似体験してもらいました。

 

結果としては、大成功に終わりました。

 

議会を終えた高校生たちからは、

 

「楽しかった」
「議会を身近に感じた」
「議員は黒い人だと思っていたが良い人ばかりだった」
「もっと発言したかった」
「議員になりたいと思った」
「今後は議会をやる側でなく議会を見る側になりたい」
「居眠りする国会議員を軽蔑していたがそうなる気持ちが分かった(笑)」

などのポジティブな感想とあわせて、「良い経験をさせてもらってありがたい」との感謝の言葉も頂きました。

 

高校生たちによる白熱した議論を見て、私は、高校生は“おとな顔負け”なのではなく“おとな”であると感じました。
昨年に選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられたことについてぼんやりとしていた私の考えが、今回ハッキリしました。18歳には、判断をする力があります

 

特に、南稜高校生の行った一般質問は興味深かったです。

 

「南稜高校正門前の横断歩道について、たまり空間が少ないにも関わらず、歩行者用信号が青になる時間が短いため、信号を待っている全員が渡り切れない。改善を。」

という内容だったのですが、休憩時間に私が他の南陵高校生に訊いたところ、みんながこの提案に賛同していました

 

南稜高校の地域の地元議員の方も、この現状を初めて知ったとのことで、今後、(本物の)戸田市議会で提案することを検討されておられました。

 

この件を通じて分かったのは、意外にも「高校生の声は市政に届いていない」ということです。
小中学生は全員が戸田市に住んでいますが、高校生の戸田市在住者の割合は低く、それによって、高校生の声が保護者を通じて戸田市議会に届けられる機会や、それこそ高校生自身が戸田市議会に声を届ける機会が限られたものとなっているのではないかと思います。

 

戸田市自治基本条例によれば、市内に住所を有する者だけでなく、市内に通勤・通学する者も「戸田市民」です。

 

「高校生議会」は、高校生への主権者教育を主な目的とするものですが、今回のように戸田市の高校に通う「戸田市民」の声を拾っていく機会にもなり、今後も定期的に開催していく意義を感じました。

 

とはいえ、高校生議会の開催に要する労力は多大であったと察します。
運営に携われた、高校、議会事務局、議員のみなさん、お疲れさまでした。
ぜひまた来年も!(笑)

 

 

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もはや「目的」ではなく「結果」 ~平成28年度 学力・学習状況調査~

教育]2016年9月30日(金)

今年度の国と県の学力テスト(学力・学習状況調査)の結果が出揃いました。

 

結果は、どちらのテストにおいても、「戸田市は埼玉県トップレベル」です。

 

県内1位(※政令市のさいたま市を除く)といって差し支えない成績なのですが、そのような市町村間比較について、ここでは細かく分析しません。
もはや、戸田市にとって学力テストの成績は「目的」ではなく「結果」に過ぎない、と言い切れる状況になっています。

 

子供たちがこれからの時代に活躍できるように、戸田市は(現在の)ペーパーテストでは測れない新しい能力を育てるための教育に力を注いでいます。
目標としているところはもっと先にあって、そのなかで「ペーパーテストの成績も良くなった」ことが確認できたという程度です。
(とはいえ、保護者や議会の目もあるので、ペーパーテストの成績がついてくるに越したことはありません。)

 

そのほかに注目すべき点は、中学3年生に対する、『「総合的な学習の時間」では、自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいるか』という問いに「(どちらかといえば)当てはまる」と答えた生徒の割合が、全国平均「57.7%」に対し戸田市は「76.6%」であったことです。

 

この「自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表する」ことが、これからの時代により求められるものであるということは、みなさんもご承知のことと思います。

 

一点、気に掛かるのが、戸田市の“勉強格差”の実態です
昨年度の質問紙調査では、「家で自ら計画を立てて勉強している小6生&中3生」が全国よりも多い一方で、「家でまったく勉強をしない中3生」が全国割合の2倍程もいることが明らかになっていたのですが、今年度は県がこれらの調査結果を公表していないため、(外部にいる私には)実態が掴めません。

 

ぜひ戸田市には、今回の結果の良い部分だけでなく、そのような課題となる部分にも注意を払っていただければと思います。

 

掲載したグラフは、私が作成した戸田市の成績の年次推移です。
繰り返しになりますが、子供たちの能力の一部を示すものとして、あくまで参考程度にしてください。

 

詳細な結果や分析については、以下のサイトを参照ください。

 

《戸田市教育委員会公式Facebook》
https://www.facebook.com/todaedu/photos/a.150458145380274.1073741829.143058352786920/189299124829509/?type=3
https://www.facebook.com/todaedu/posts/191495251276563

 

《戸田市教育委員会公式サイト》
http://www.toda-c.ed.jp/soshiki/10/kyoiku-gakuryoku2.html

 

《埼玉県教育委員会公式サイト》
http://www.pref.saitama.lg.jp/f2214/zenkokugakutyou.html
http://www.pref.saitama.lg.jp/f2214/gakutyou/20150605.html

 

※なお、掲載グラフの値の算出式は、次の通りです。
(戸田市の平均正答率ー全国or県の平均正答率)÷(全国or県の平均正答率)
ただし、全国学力テストに関してはA問題とB問題の単純平均。

 

 

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戸ヶ崎教育長のFacebook投稿で気付かされたこと ~戸田市総合防災訓練~

教育, 安全と防災]2016年9月25日(日)

本日、「戸田市総合防災訓練」が実施されました。

 

朝8時30分に緊急地震速報が防災行政無線から流れ、テーブルの下に身を伏せた後、通電火災防止のためにブレーカーを落として、近くの訓練会場である馬場ふれあい公園に家族で向かいました。

 

訓練会場では、消防職員のご協力も頂きながら種々の訓練が実施され、個人的に学ぶことは多かったのですが、訓練からの帰宅後、あることをきっかけに大きな反省をするに至りました。(ブレーカーを落としたために、冷凍庫内のアイスが溶けてしまっていたことではありません。)

 

そのきっかけとは、戸ヶ崎教育長によるFacebook投稿を拝見したことで、投稿内容の要点は、

 

「中学生に対して、社会に開かれた教育活動としての防災教育を行っていく必要がある。」

 

というものです。

 

 

中学生が避難所運営の重要な担い手となるということを、これまでも耳にしていましたし、過去に議会でも同様の提議があったようにも記憶していますが、本日の戸田市総合防災訓練において、私は単に「防災訓練に参加する」という意識を持つことしかできていませんでした。

 

一方で、戸ヶ崎教育長は防災訓練を視察されるなかで、中学生の参加が少ないという課題に気付かれ、中学校での防災訓練と地域での防災訓練とを繋いでいく必要性を感じられたわけです。

 

常に「教育」という視点で物事を捉えておられる教育長が本市の教育の陣頭指揮をとっておられることに強い安心感を抱くとともに、防災訓練の光景を前に“議員脳”を働かせることのできなかった私は怠け者であったことに気付かされました。

 

このような“ハッとさせられる”機会に巡り合えるのは、人としてとても幸運なことです。

 

 

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高校生たちと「スマホ使用制限条例」について議論 ~高校生議会打合せ~

教育, 議会と選挙]2016年9月16日(金)

本日は、「高校生議会」の事前打ち合わせを行いました。

 

市制施行50周年を記念して、戸田市議会では10月30日(日)に「高校生議会」を開催するのですが、本日は、参加高校生との初めての本格的な打ち合わせということで、担当している議員の助っ人として、今回のみファシリテーター役で参加しました。

 

私が担当した班では、戸田翔陽高校の1年生男子3名と「スマホ使用制限条例」について話し合いました。

 

スマホ使用制限というと、「時間制限」ばかりをイメージしてしまいますが、スマホ世代である高校生の視点が加わることで、「場所制限」や「目的別制限(いまの高校生は勉強にもスマホを使っている!)」などにも議論が及びました。

 

また、同じ高校生でも、スマホを常識的な範囲で使用している子や、自宅での使用だけ許されている子、スマホを持っていない子、スマホ中毒になっている子など、色々な高校生がいるようですが、いずれのケースでも、親や教師などの大人から、使用抑制の注意や使用内容の管理などはされていないということでした。

 

そんななか、今回話し合った高校生3名のうち2名は、「スマホ使用制限条例」に対して概ね賛同の考えを持っており、その理由は、スマホ中毒の子に対する心配や、スマホを持っていない子に対する配慮など、大人顔負けのものでした。

 

今後の流れとしては、今回の高校生との議論をベースにして議会側で作成する「スマホ使用制限条例案」を、本番の「高校生議会」に議案として上程し、戸田市内の高校生たちに審議してもらうことになります。
また、その他の議案として、「投票義務化条例」や「ネット授業条例」「健康診断義務化条例」が上程される予定です。

 

今回の打ち合わせでは、高校生たちにリラックスしてもらうことに注意を払いました。自然体から出る意見こそが、高校生たちのナマの課題を浮かび上がらせると考えたからです。
でもそこは、数年前まで高校生(や浪人生)たちを相手にしていた元・予備校講師の私ですので、スムーズに事が運びました。
若い子たちと話すと、いろんな面で刺激になります^^

 

明日は、レガッタ大会の予選です。目指せ決勝進出!

 

 

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プログラミング教育小中一貫カリキュラム ~平成28年9月議会 一般質問②~

教育]2016年9月11日(日)

一般質問のご報告その2です。

 

テーマは、「プログラミング教育の推進」です。

 

次期学習指導要領において「プログラミング教育の必修化」が検討されていますが、その指導法はいまだ確立されておらず、自治体によってその取り組みには温度差が生まれると予想されます。

 

プログラミングとは「機械に命令をして動かすこと」であり、きちんとした指導を受ければ、《論理的な思考力や創造性》が養われるだけでなく、《機械にできることは何か》が分かるようになり、また何より、他の教科では得られにくい《トライ&エラー》の姿勢が身に付きます。

 

子供たちの将来の活躍にとってプログラミング教育は必要である、という考えのもと、議場において以下の質問を行いました。

 

Q. 全国の自治体に先駆け、小中一貫のカリキュラムを作成してはどうか?

 

A. 総合的な学習の時間に位置づけるなど、本市独自の小・中一貫したプログラミング教育のカリキュラムづくりについて検討する。

 

Q. 「プログラミングの前にやらなくてはならないことがあるのではないか」との意見もあるが、どのように考えるか?

 

A. 「基礎的な知識・技能の習得」と「プログラミング的思考の習得」は二項対立的な性質のものではなく、「基礎的な知識・技能の習得」のプロセスにおいても、また「習得した知識・技能の活用」の面においても、プログラミング的思考は必要となる。
子供たちがこれからの変化の激しい社会を生き抜くために必要とされる力を見定めつつ、それらをバランスよく育成することが重要である。

 

Q. 教育長の考えは?

 

A. 小学校のプログラミング教育は、プログラマーの育成が目的ではない。コンビューテーショナル・シンキングをもう少し部分化し、わかりやすくしようとした「プログラミング的思考」を身に付けさせることが目的である。
小中一貫カリキュラムの全校展開はもちろん、もう少し高度なプログラミング教育をさせいと考える学校には、戸田市教育委員会が築いている産官学民の知のリソースを活用し、取り組んでもらう。
教育委員会としても、全国をリードする教科横断的なプログラミング教育の実現に向け努力していく。

 

2020年度の小学校から全面実施される次期学習指導要領の目玉は、「アクティブ・ラーニングの導入」「英語教育の強化」「プログラミング教育の必修化」です。

 

これらのうち、英語教育に関して、戸田市はかねてから先進的な取り組みを行っており、アクティブ・ラーニングについても、戸ヶ崎教育長の新体制のもと、国をもリードする勢いで進めています。
そして今後、プログラミング教育の小中一貫カリキュラムをもとにした指導体制が確立されれば、全国から「子供に教育を受けさせたいまち」と呼ばれる日も近いのではないかと思います。

 

なお、これら戸田市の教育改革の成果は、数字としても表れ始めているようです。今年度に実施された全国学力テストと埼玉県学力テストの戸田市の結果については、後日こちらでご報告させていただきます。

 

戸田市議会録画放映(戸田市議会公式サイト)

 

画像引用元

 

 

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