本日は、蕨戸田衛生センター組合議会の行政視察として、群馬県草津町にある一般廃棄物最終処分場「新草津ウェイストパーク」に伺いました。
この最終処分場に埋め立てられるのは、ゴミを焼却して出た灰なのですが、一旦ここで説明に入ります。
まず、戸田市と蕨市から集められたゴミのうち、蕨戸田衛生センター組合のごみ焼却施設で燃やされるのは、以下の2つです。
●「もやすゴミ」
●「粗大ゴミ」のうち、リサイクル家具として再利用できないものを粉砕して、そこから鉄類などを取り除いたもの
焼却されたゴミからは2種類の灰が出ます。
①「飛灰(ひばい)」=焼却炉の排ガスから集められたほこり状の灰
②「主灰(しゅばい)」=ゴミを燃やした後の燃えがら
それぞれの灰について、蕨戸田衛生センター組合では以下の処理方法をとっています。
①飛灰⇒灰(ダイオキシン等の有害物質を含んでいる)が飛散しないようにセメント等で固めて固化灰とし、それを群馬県草津町と山形県米沢市にある最終処分場に埋め立てる。
②主灰⇒鉄類を取り除いた後、埼玉県寄居町と栃木県日光市にある処理施設で人工砂やセメント等にリサイクルする。
今回視察したのは、①の固化灰を埋め立てている草津町の最終処分場で、ここでは、蕨戸田衛生センター組合から年間2,800トン前後の固化灰を受け入れている他、全国の180市町村から一般廃棄物を受け入れています。
この最終処分場を運営する(株)ウィズウェイストジャパンは、戸田市を発祥とし、現在はさいたま市に本社を置く、廃棄物業界のリーディングカンパニーということで、障害者を全社員の3分の1程も雇用し、また、この草津の最終処分場において、近隣住民との調和や、公害防止に向けた取り組みに積極的に取り組んでいるのが印象的でした。
草津には隣接する2か所の最終処分場があるのですが、そのうち、1か所はあと3年半で満杯となり、もう1か所はすでに満杯となっていて、その上部はドーム型水耕栽培施設や多目的広場として活用されています。
最終処分場というのは、10年~20年間の埋め立てだけでなく、埋め立てが終わった後の10年~15年間の維持管理も必要とのことで、最終的には、最終処分場からの浸出水が人間の飲めるレベルになって完了するとのことです。(それまでの間は、浸出水をきちんと処理してから流します。)
草津の最終処分場があと3年半で満杯になるということで、次は嬬恋村に最終処分場を設立予定とのことです。
なお、最終処分場のある自治体にとってのメリットは、草津村では「草津村の一般廃棄物の受け入れが無料」、米沢市では「環境負担金という名目で排出元の自治体からお金をもらう」というもので、これは最終処分場によってまちまちのようです。
最終処分場の設立にも土地が必要なわけですから、やはり、私たちの出すゴミを少なくしていくことに越したことはないわけです。
なお、今回の報告にあたって調べ物をするなかで、ゴミをもやして出る①の飛灰は、蕨戸田衛生センター組合のように固化灰として埋め立てる処理方法だけではなく、②の主灰と同様、セメント等へリサイクルする処理方法もあるようです。
その処理費用は、埋め立ての倍近くかかるとのことですが、リサイクルを選択している自治体もあるようですので、この辺りについては、今後蕨戸田衛生センター組合議会のなかで質問してみようと思います。
私個人としては、ある程度お金がかかっても、最終処分場を必要としない循環型社会に向けた取り組みを進めることが望ましいと考えます。
◎蕨戸田衛生センター組合議会の行政視察 2014/10/6(真木大輔公式ブログ)